メーカーと地域小売店
昔、多くのメーカーは自社商品を売ってもらうために、地域の小売店(専門店)に足げく通っていました。小さな店に対しては商品提案だけでなく、店づくりや販促の提案をしたり、店舗改装の支援をしたり、「系列」という名のもとで、まさに手取り足とり共同戦線を張っておられました。
私がまだ20代の頃は、それはそれは手厚いサービスの時代でした。
しかし、だんだん大量に販売する組織小売業が台頭してくると、手間暇かけて地域の小売店を応援するよりも量を買ってもらう方が良いと、だんだん力を入れなくなります。
営業マンも効率が求められるので、訪問する頻度が少なくなって、今では電話とファックスのみでのお付き合いになっているそうです。
だから、たまに訪問すると「手を抜くな」とお叱りを受けるのだとか。
古き良き時代は終わって、今は本当に味気ない商売になってしまっているんだな〜と、あるメーカーさんと話していて、考え込んでしまいました。
地域の小売業も手取り足とりに慣れ過ぎて、メーカー依存体質になっていたのも事実なんでしょう。それでも、昔はあんなにお世話になったところを、効率が悪いと見放してしまうメーカーさんもメーカーさん。消費者の声をいちばんよく聞く小売店とメーカーが一体になってこそ、商売がうまくいくはずなのに、こんな関係ではお互いに良くない気がします。
自助努力をしない地域の小売業は、確かに潰れるかもしれませんが、消費者もみんながみんなネットで買ったり、量販店で買いたい人ばかりじゃないので、この「商店」という存在はずっと生き残るはず。
私はそう思います。
どちらかというと、ネット販売や量販より、「商店」を応援した私としては、この関係も応援したいところです。
小売店もメーカーを尊重し、メーカーも小売店を尊重する。
依存し過ぎず、言いたいことをちゃんと言い、情報を共有し、お互いが協力しながら世の中の役に立つものを提案していく。
小売店は無理な値引き合戦に与せず、独自の提案力とサービス力で勝負し、メーカーはそういう真っ当な販売をするところに、良い商品をおろす。
メーカーさんは量を売るから大事にするという発想を捨て、長く良い商いを志向するところと新たな販売網をつくる。
こんな関係が理想じゃないでしょうか。
大量販売の時代は終わって、今は物を大切にする時代。
今こそ、昔の商店に復活してほしいし、メーカーにも、質の高いものを循環させながら売るような努力をしてほしい。
アメリカの公聴会での豊田社長の涙ではないですが、やっぱり売る人と作る人が、利益ではなく心で結ばれながら歩んでいくことが、いちばん大事なんだと思うのですが、青臭いのでしょうか。

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