人の心をむしばむ、あるCS施策
今日の朝礼である社員が、「あるに訪問した時に、こんな話を聞きました」と教えてくれた話です。
その会社では、調査会社に各店舗の「顧客満足度調査」を依頼し、どの店のCSのどこおが悪いのか良いのかが定期的にわかるようになっているそうです。
まあ、ここまではいいのかもしれません。
しかし、その本部では、顧客満足度を上げて行こうと、「顧客満足度の高い店舗」にお金がフィードバックする仕組みを導入され、よりCSに対する取り組みを強化しようとされました。
確かにこの取り組みは確かにCSの意識を上げ、取り組みに対する意欲を高めていったのですが、困ったことも起きてきたそうです。
それは、アンケートを依頼する時に、お客様に「いいことを書いてください」とお願いをする店が出てきたということでした。
お客様を喜ばすことではなく「顧客満足の点数を上げること」が目的になってしまったのでしょう。
担当者は困っておられたそうです。
「外発的動機付け」(外からの刺激でモチベーションを高めること)が行き過ぎると、いろんな弊害が出てくると言われていますが、そのうちのひとつが「手縫きをするようになる」ということ。
私はこの話を聞いて、こんな話を思い出しました。
ある小学校で、「読書」の習慣をつけさせたいと、いちばん読書をしてきた子供に賞金を出すという方法を取り入れた時、子供たちは本を読むことではなく、「本をたくさん読んだという実績づくり」が目的になって、本の中身をろくに読まずにタイトルや目次のようなところを適当に書いた報告を出すようになってしまったという話です。
このCS調査のこともまったく同じことだと思います。お金という報酬のために手抜きをするようになってしまった。なんとも悲しい話です。
「目標を達成するためには、何をしてもいい、仕事の手を抜いてもいい」
もちろん、若い人たちには、こんな意識はなかったかもしれませんが、知らず知らずにこんな気持ちになってしまったのだとしたら、これからの仕事もきっと面白くなくなるでしょう。
お客様満足を追求する中での喜びも感動も味わうことも出来ません。
その中で生まれる人との絆も得られません。
読書をするという習慣と同じように、人に喜んでいただこうという態度は、人生にとって大切なことなのに、まるで逆の態度を育てている。
どう考えても、この「お金で釣る」施策はやっぱりおかしいですね。
でも、よくよく考えてみると、こうした「外発的動機付け」によって他の部分でも様々な「被害」が出ている気がします。
自分のことしか考えない人が増えて来ていること。
助け合い協力をしなくなってしまう組織が出来ていること。
お金や何かで動機を高めていくこともまったく不要だとは思いませんが、これに依存するとろくなことがありませんね。
何としても「内側から燃え上がるような動機」で働く人を増やしていきたいと、今朝も熱くなってしまいました。
ちなみに、お客様の声を経営に活かすことでCS日本一を続けておられることで有名なホンダカーズ中央神奈川の相澤さんに聞いた時、「CSにお金を付けるのは本当に駄目だ」とばっさり言っておられました。

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