2025/08/19号
お客様第一とお客様中心主義
BLOCKS MAIL MAGAZINE 1049
人と組織の“元気”応援レター
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2025/8/18
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いつもブロックスメルマガをご愛読いただきありがとうございます。
長いお盆休みが終わりました。今年は子どもたちが何かと忙しくしていたため、帰省できませんでした。Facebookの「今日の思い出」投稿で、昔の写真がアップされますが、この時期はいつも実家で親戚一同集まって、流しそうめん、ブドウ狩り、ベランダプール、BBQを楽しんでいました。懐かしみながら楽しく見ています。なかなか集まることが難しくなってきましたが、すべてが当たり前ではないと感謝しながら、年末年始に向けてかけぬけたいと思います。
(メルマガ編集長 與田麻由子)
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(1)コラム「いい会社、いい仕事」
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お客様第一とお客様中心主義
昔から、「お客様第一」という言葉がありますが、実際にそれを実現するのは、なかなか難しいことです。お客様第一は“目の前のお客様”の希望や要求を中心に据え、ときに個々の要望をすべて受け止めよう”という意味になると思いますが、実際にこれをやろうと思うと、顧客対応にバラつきが生まれたり、やればやるほど現場に負担がかかっていきます。何でもかんでもお客様の希望に沿おうとすることが、本当によいことなのでしょうか。
大阪に患者様本位の医療を貫き、多くの患者様から支持されている歯科医院があります。名前はヨリタ歯科クリニック。都市部から離れた東大阪という町にありながら、一般の10倍、1日200人もの患者が来院する歯科医院です。医療界は国の制度があるために、差別化が難しい業界です。宣伝も禁止されています。しかし、この医院を体験した患者の口コミが広がり続け、年々売上が伸びています。
なぜ、こんなに人が集まるのか。それは、この医院が創業以来、徹底して患者様中心に医療を考え、それを形にしてきたからです。
一度歯を削ると、何年かたって、またそこから虫歯になったり、詰めものが外れてしまうことがあります。「歯を削れば削るほど、虫歯を増やすことになる」。院長寄田さんは、創業の頃、「年々歯科の技術は進んでいるのに虫歯が減らないのは、歯科のあり方が抜本的に間違っているからだ」ということに気づきました。
患者様に本当に喜ばれる歯科をつくるには、「歯を削らない医院」をつくるしかない。そこから予防歯科をクリニックの中心におき、患者様本位の医院を作り出されていきました。いきなり治療するのではなく、治療前にしっかりとカウンセリングをする。患者様とのコミュニケーションに時間をとり、歯に関する不安や悩みをしっかりと聞く。患者様に代わって、患者様が求める歯科医院を実現しようとされたのです。
しかし、歯を削る行為には国から報酬が支払われますが、どれだけカウンセリングをしても、それで儲けはでません。それでも、それが「患者様が求める歯科」だと、患者中心を追求し、それが次第に評価されて今の実績になっていきました。
この医院が貫いてきたのは、「患者様本位、お客様を中心に考える姿勢」です。「患者様第一」は、患者の無理な要求にも答えるようなイメージもありますが、この医院は、それをしません。例えば「カウンセリングなんていらないから、急いで治療してほしい」という患者がきたら、その人には違う歯科を紹介する。あくまでも、この「削らない治療」の方針に共感してくれる人をイメージして医院を作っておられます。何でも患者様の言うことを聞くわけではないようです。定義がある訳ではありませんが、お客様が欲しいというものを、その通りに提供する「顧客第一主義」と、「お客様にとって何が大事なのか」と顧客に変わってあるべき姿を考えていく「お客様中心主義」は、根本的に違う気がします。
例え儲からなくても、初診でしっかりとカウンセリングをする。むし歯にならないように健康相談にのる。最近も歯科医院に通えない高齢者のために何かしてあげたいと訪問治療をはじめられましたが、「お客様にとって何が良いのか」とお客様を中心に考える姿勢は、歯科業界の常識を覆すサービスもたくさん生み出しています。プロとして「お客様中心」で考えていくことは、お客様さえも気づいていないニーズにも答えることにもつながっていくのかもしれません。
顧客の目の前の要求に答えることではなく、お客様にとって何がいちばん大事なのかをいつもセンター(中心)に置き、それをプロとして実現する。お客様中心の経営が、今こそ、大事なことなのかもしれません。
(株式会社ブロックス 代表 西川敬一)
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(2)お客様本位の経営を学ぶ「DVD教材」
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社員がいきいきと働き、顧客から信頼され、業績を高める組織の事例を紹介するドキュメンタリー映像「志GOTO人シリーズ」。その最新刊として、JALグループのひとつ「JALスカイ」を取材した映像を発売いたしました。
JALを利用するお客様の最初の接点となる「空港」。空港スタッフの印象がお客様満足に大きな影響を与えます。毎日、多くの顧客が利用する空港。様々なニーズをもったお客様に高い満足を提供するには、一人ひとりの気配りだけでなく、チームでの連携が不可欠です。お客様が求めるニーズに対して、いかに心をひとつに行動していけるか。たくさんのファンを生み出すJALの取り組みを取材しました。
映像では、お客様サービスの実際から、人財育成や組織づくりまで、成果を出し続けるJALの舞台裏を上下2巻のドキュメンタリーでご紹介しています。
■サンプル動画
実際の動画こちらからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=-1mVVssG-mA
■志GOTO人シリーズ 「JALスカイ編」(2巻セット)
(前編)「バトンでつなぐ最高のサービス」
(後編)「挑戦! 今日よりも明日」
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編集長のひとりごと
「お盆休みは、突然の雷雨に悩まされた日々となりました。」