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2020 年 12 月 23 日 18:54

自分から変化する

 今年も、もうすぐ終わろうとしています。
 今年は今までにない大変化が起こり、ずっと心が落ち着かない一年だったという人が多かったのではないでしょうか。しかもまだ、感染が拡大していますし、GOTOトラベルの急な中止など、まだまだ不安定な世の中が続いています。

 この不安定な世の中では、私たちは次々やってくる変化にばかり目が向いて、つい目先のことばかり考えがちですが、それでは疲れるばかり。私は、こんな時こそ、果敢に自分から変化していくことが大事だと感じるようになりました。どうせ変化が訪れるなら、変化に巻き込まれる前にこちらから変化していく。向かう先は決まっているので、そこに向けて一心不乱に変化をしかけていけば不安を覚える暇もなくなってしまうでしょうし、「変化しなければ」と追い立てられるような感覚もなくなるはず。コロナのおかげというと問題がありますが、最近はそんな風に感じようになり、前より、さらにワクワクした気持ちになっています。

 会社経営だけでなく、個人の仕事も同じかもしれませんね。ああしろ、こうしろと外側から命令されたり、変われ、変われと圧力をかけられると辛くなりますが、自分で「こうしたい」「こうやってみよう」とどんどん進んでいけば、楽しくなっていきます。
 来年は、個人も会社も攻めの一年に。日本中でそんな動きが起こってきそうな予感がします。

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2020 年 12 月 15 日 09:58

お客様に寄り添う、本物の会社

 先日、弊社のセミナー「実践学習会」で香川県の徳武産業様を訪問しました。徳武産業さんはDOIT!シリーズで取材した会社ですが、この10月に、「日本サービス大賞 経済産業大臣賞」を受賞され、また注目を集めています。
   https://service-award.jp/result_detail03/industry04.html

 徳武産業さんは、介護シューズ「あゆみ」など、高齢者に特化した靴を製造販売する会社ですが、27年前まではスリッパやルームシューズなどをOEMで作っていた会社です。当時社長だった十河孝男さんがある時、知り合いの特別養護老人ホームの施設長から「お年寄りがスリッパを踏んで転倒する事故が相次いでいる、何とかならないだろうか」と相談を受けたことが、靴づくりへ転換したキッカケでした。
 高齢者の足を調べてみると、腫れ、むくみ、方マヒなど問題がたくさんあり、既存の技術では対応できないことがわかりました。しかし、困っているお年寄りの気持ちを知った十河さん(当時社長)は、一念発起しゼロから靴づくりを学び、数年間かけて高齢者が転倒しない靴を開発しました。

 その「あゆみ」という商品はヒットして売れるのですが、高齢者の足の問題はまだまだありました。左右の足の長さが違う、左右で大きさが違う。そんな悩みにも応えたくなり、業界常識を超えて「片足販売」を始め、靴底の高さを左右で変える「パーツオーダー」など、とことん悩みに応えられました。幅、高さの調整。こうした個別対応は赤字部門なのだそうですが、「靴が合わない」ことで生きる勇気までなくしてしまっている人を見ると、どうしても辞めることができないと続けておられます。今では介護シューズ全国シェアの55%(数量ベース)を徳武産業が占めるまで成長。高齢者にとって手離せない、いえ、足離せない会社になっているのです。

 「お客様の満足」「お客様の喜び」などと、私たちはよく言葉にしますが、徳武産業さんのお客様への寄り添い方を見ていると、私たちはお客様に寄り添っている「つもり」なのかもしれないと反省します。たった一人でも、その人が本当に困っておられるなら、何とかしてあげたいと動き出す。その気持ちが徳武産業さんの出発点。その気持ちが伝わるからこそ、顧客から期待され、商売が成功しているのだと思います。毎日何十通も感謝の手紙が届くというのは、お客様への思いが本物だからだと思います。

 今は、ネットを通して何でも明らかになる時代。お客様に寄り添っている「ふり」や、「つもり」の会社では、きっとうまくいかなくなってしまうのでしょう。お客様から「あなたがいなくてはダメだ」と言われるくらいの会社を目指していきたいものです。

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2020 年 12 月 08 日 10:11

子どもの遊びと有能感

 先日、社員とその子どもたちと一緒に海釣りに行ってきました。と言っても私は釣りをしないので、大人が釣りに夢中になっている間、子供たちと遊んでいました。
海に付き出した堤防は子どもがワクワクするものでいっぱい。5歳くらいの男の子たちは、自分の背丈より高いコンクリートのてっぺんに登るために何度もトライしています。てっぺんに登ったと思えば、今度はそこから下に飛び降りる遊びに変わります。「こわい!」「無理だ!」「できた!」と言っては、楽しそうに遊んでいました。

 心理学では、こうした「自分はできる!」という感覚を自己有能感と呼ぶそうです。人と比べず自分を肯定でき、自分を褒めることができる心の働きと言われていて、この有能感が、「よし、もっと高いところから飛んでやろう」というチャレンジにつながっていったり、内発的動機づけの基礎になるそうです。確かに子どもの頃の遊びを通して「やればできる」という感覚を身に付けてきた気がします。

 しかし、子どもたちが夢中になって遊んでいる様子を見ていると、本当に幸せそう。怖さを克服して挑戦し、達成して喜び、先に達成した子が出来ない子にコツを教えたり、応援したり。誰かに命令されたりしないのに、どんどん「高み」に挑戦しています。なぜ大人は仕事になると楽しさを忘れてしまうのか?どんな仕事もをこんな風にやればいいのにとか、仕事と遊びの違いは何だろう、楽しくするポイントなどと、ついいつもの癖で仕事に置き換えてみてしまいました。
 心理学では、この有能感を育てる時に、大人の関わり方が大事なのだとか。例えば、子どもたちが高いところから勇気を出して飛び降りた時、つい「よくできたね!」と言ってしまいます。しかし、ここで大人が褒めると、「褒められる」ということがご褒美になり、褒められるために頑張ろうとなってしまうそうです。自分で自分を励ましたり、褒める感覚が大事なのに、褒められると動機が変わっていってしまう。内発的動機が外発的動機に変わってしまうのです。私の記憶でも、子どもで勝手に遊んでいる時に、大人が横から「凄いね、よくできたね」と言われると、その時は嬉しくても、何か急に面白くなくなってしまう感覚がありました。有能感を育てるには、褒めたりせずに、ただ見守っていること。
 面白く仕事をする人を育てるためには、子供の遊びから学んでみるのがいいのかもしれません。

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2020 年 12 月 02 日 11:18

思わず手を合わせたくなる仕事

 最近、朝4時半に起き、ウオーキングをしています。夜明け前の静かな町を1時間ほど歩くと、季節の移り替わりを感じることや、帰り道に綺麗な朝焼けに出会うこともあり、心身ともに癒されるいい時間を過ごしています。その中で街の人たちと挨拶をすることも楽しみのひとつですが、時々、素晴らしいなと思う人に出会えるのも楽しみです。

 その中の一人が、公共施設の管理人の方です。お名前は聞いていないので、ここではAさんとお呼びしますが、シニアの方で掃除や管理の仕事を任され、その施設に派遣されている方だと思います。
 朝4時半、私が歩き出してすぐに、その施設の前を通るのですが、Aさんはもう施設前の通りの清掃をしておられます。感動するのは、その時間もさることながら、掃除の見事な出来ばえ。通常のゴミに加え、落ち葉で大変な季節ですが、Aさんはただ掃除をするというのではなく、タイルの隅の土ぼこりまで丁寧に丁寧に掃除をされるのです。その人の掃除が終わった場所だけが輝いているような感じがします。

 Aさんが宿直でない日は、普通のレベルの掃除なので、たぶん、誰からもそこまでしろと言われていないはず。しかし、きっとこういう掃除でなければ、自分自身が納得しないのでしょう。掃除の奥にあるAさんの仕事の目線の高さに感動してしまいます。「思わず手を合わせたくなる」という言葉がありますが、まさに、そんな気持ちになります。
 自分に与えられた仕事はどんな仕事でも手を抜かない。やるからには完璧を目指すのが当たり前。きっと、Aさんは前職でそんな風に仕事をされていたのでしょう。昭和の頑固職人のイメージです。

 お客様の評価、上司の評価、仕事はいつも他人の評価にさらされていくものですが、やはり最後は自分が納得できるかどうか。自分がどう評価するかが大事なのではないか。最近は「仕事をサクッと終わらせよう」というような風潮もありますが、こんな人に出会うと、自分の目線や視座を高め続け、自分の納得するまで追求していく仕事の大切さを改めて感じます。

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2020 年 11 月 25 日 14:00

幸せは結果でもあるが、原因でもある

 皆さんは、幸せですか?
 社員が幸せになる会社、社員幸福度など、最近、経営の中でも「幸せ」という言葉が登場するようになりました。「効率」「生産性」「利益」などの言葉はより、曖昧でボワッとした言葉のように感じますが、目に見える数字ではない「心」の領域の言葉が経営の中で語られるようになってきたのは、我々が経済的に成長し豊かになっても、それだけ国民は幸福になれないということが明白になってきたからではないでしょうか。

 「幸福学」の第一人者前野隆司氏(慶應義塾大学大学院教授)は、『7日間で幸せになる授業』(PHP)という本の中で、「幸福は結果でもあるが、原因でもある」ということを述べておられます。笑顔でいると気持ちが楽しくなり、嬉しいことが起こってますます笑顔になるというようなことがあるように、幸せになるための心の状態を意識できれば、モノの見方や行動が変わり、結果として幸せな人生を送れる。様々な統計解析から、幸せの共通点が見えてきているのだそうです。また企業においても、社員の幸せに関連することを改善すれば、社員の幸せが高まり、結果として生産性や創造性が高まるという結果も生まれているとか。「幸せ」は既に科学の時代になっているんですね。

 「幸せになりたい」。そのためにみんな努力していますが、例えば収入などを他人と比較してしまうとつい不満や嫉妬が生まれ不幸な気がしてしまいます。アップしたら幸せですが、すぐに「あたりまえ」になり、また「足りない」という気になります。お金、地位などの「見えるもの」は幸福に大事なものなのですが、本当に幸福になるには、「目に見えないもの」を変えていくことが大事だと言われています。
 例えば、「感謝している人」はそうでない人より幸せであるという研究結果があるそうです。これは何となくわかりますね。つまり原因の「感謝する力」を磨いていけば幸せに近づくということ。その他、強みを活かす力、創造力、ビジョンを描く力、利他力、没入力など幸福に関連している心の状態は72ほどあるそうです。
 では、目に見えないもの(心)を変えるにはどうすればいいのか?方法はいくつかあるようですが、とにかく結果を待っているだけでは幸せに近づけないことは間違いなさそうです。

 私事ですが、最近、早起きをして妻と一緒に1時間ほどウォーキングをするようになりました。その時間は、ただ歩くだけですが、綺麗な朝焼けに出会ったり、夫婦で話ができたり、近所との人と知り合いになれたり、少し幸せが高まっている気がします。小さなことでも新しいことを始めることが大事なのかも。

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2020 年 11 月 17 日 10:24

考える社員をつくる風土づくり

 今日は「第3回 未来×幸せ経営フォーラム」の気づきから。
 今回は、トップダウンからボトムアップの社風へ変革を果たしたトヨタカローラ秋田の伊藤哲之氏と、風土改革の専門家スコラ・コンサルトの柴田昌治氏をお迎えし、どうすれば社員が主体的に考え、行動する組織にしていけるかを話し合いました。

 20年前、会社を変えていきたいといろんな改革に挑戦していた伊藤氏。しかし、どうやっても社員が動かない。動かないから恫喝する。社員は恐れますます動かない。苦しんでおられました。
 そんな時に出会ったのが、考える社員の重要性を訴えていたスコラ・コンサルトの柴田さん。「今までのやり方ではだめだ」と思った伊藤氏は、柴田さんが勧める「オフサイト・ミーティング」をスタートさせます。
 これは、考える社員を育てるには、みんなが自由に本音で話せる場が必要であるということから生まれた対話の場づくり。「みんなで雑談をしていこう」と始めたのですが最初はなかなか話せません。
そこで伊藤氏は「じゃ、俺の悪口を言い合いなさい」と投げかけられます。すると、今までのうっ憤を晴らすかのように社員は悪口をテーマに話し始めたそうです。それも1年半も。

 しかし、悪口も行きつくと、社員の中に「いつまでもこんなこと言っていても仕方ない」という気持ちになり、次第に「自分達でこうしていこう」という前向きな議論の場に変わっていったそうです。「もっとお客様に喜ばれる店にするにはどうすればいいか?」。そんなテーマで話し合い、実行する。お客様に喜ばれたり、感謝されることも増えてきます。そんな体験の中から「自分達で考えて行動することがいい」という確信が芽生えます。そんなプロセスを経て、同社のボトムアップの社風が定着、社長の思いも伝わり始め、会社は見事に様変わりしました。

 社員に主体性を発揮してほしい。どんなリーダーもきっとそう思っていると思いますが、そうならないのは、そうすることが出来なくなってしまう原因が過去にあるから。「言ってもつぶされる」「失敗したら怒られる」。そんなトラウマのような思いがあるうちは変われません。だからこそ、いい会社にしていくには長期戦を覚悟し、じっくりと対話を重ねていくことが必要なのかもしれません。柴田さんは、このカローラ秋田さんの成功の裏には、信念をぶらさなかったリーダーの存在が大きいと仰っていましたが、本当にそう思います。
 業績と社員の幸せの両方を満たしていくのは、本当に難しいことですが、「リーダーが理想を持ち続け、覚悟をすればできる」と仰っていた伊藤さんと柴田さんの言葉が心に残ります。

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2020 年 11 月 10 日 10:05

遊びとフローと全集中

 子どもの頃、私が住んでいた村には周りに自然がいっぱいあり、秋にはトンボを獲ったり、栗拾いをしたり、柿の木の実を食べたり、いろんな遊びに夢中になっていました。特に手でトンボを獲るのは難しく、いろんな方法を試していました。とまっているところにそっと近づいて獲る、手にとまるまでじっと待つ・・・考えられる限りの方法を試しました。夢中になると時間を忘れると言いますが、毎日遅くまで遊んでいたことを思い出します。皆さんにも、そんな思い出があるのではないでしょうか。

 アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)氏は、先に紹介した「子どもの遊び」のように、時間を忘れて没頭する、集中する心理状態を研究し「フロー理論」を提唱したことで有名な学者です。ハンガリー出身の彼は、戦争で荒廃した祖国をみて「幸せに生きるとは何か」ということ考えるようになったそうです。そこで、芸術家やスポーツ選手など様々な対象に「どんな時に幸せを感じるか」をインタビューし続けました。その中で「創造的で高い技術力が必要とされる仕事などに没頭している時、疲れを知らず、時間も忘れて活動し、満足や幸せを感じている」という共通性を発見、これを「フロー」と名付けました。フローになるとパフォーマンスが上がる、幸福感を得られるなど、今はスポーツやビジネスの分野でも大注目されています。私は、昔から何でも没頭してしまう傾向にありましたので、若い時に読んだこの「フロー理論」に、すごく共感したことを思い出します。

 しかし「フロー」はなろうとしてもなれないもの。いくつかの条件が重なった時にフロー状態が現れると言います。それが、「目標の明確さ」「どれくらいうまくいっているかを知ること」「挑戦と能力の釣り合いを保つこと(活動が易しすぎず、難しすぎない)」「行為と意識の融合」「注意の散漫を避ける(活動に深く集中し探求する機会を持つ)」「自己、時間、周囲の状況を忘れること」「自己目的的な経験としての創造性」などの項目です。少し難しい言葉もありますが、上記のいくつか要件が揃った時に、フロー状態が現れるそうです。ここでは説明しきれませんが、もし日々の仕事が「フロー状態」になれば、時間が短く感じるようになるばかりか、幸せで疲れないのです!研究しがいのある理論だと思いませんか?

 上記の要件の中でもわかりやすいのが「注意の散漫を避ける」「挑戦と能力の釣り合いを保つこと」等ではないでしょうか。何かに挑戦する時に、挑戦する対象に比べて自分の能力が低いと「不安」になります。逆に、対象より、自分の能力の方が高いと「退屈」になります。だから、この中間あたり、「少しだけ不安がある」状態にもっていくことが、仕事を楽しくするコツです。仕事をしていて「楽勝!」と感じたり、「毎日簡単で退屈だな」と感じたら、それは自分の能力が上がっていて釣り合いがうまくいっていないサイン。「自分にできるだろうか?」と少し不安になるくらいが「次のレベル」に挑戦する合図なのです。
 きっとどんな人も「フロー状態の幸せ」は子どもの頃に体験されているはず。人気アニメの主人公ではありませんが、「全集中」で楽しくいきたいですね。

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2020 年 11 月 04 日 13:58

自分の「登りたい山」は?

 GOTOトラベル、GOTOイートと、最近はGOTOが流行っていますが、ブロックスでは、数年前から「志GOTO人」(しごとじん)というDVD教材を発売しています。これは名前の通り「志」に向かって自らを成長させる(そこに行く=GOTO)、いきいき働く「個人」を密着取材したDVD教材です。
   これまでいろんな職業の「志GOTO人」を取材させていただきましたが、やはり、志(夢・目標・行き先)を持っている人は、夢や志を持たず漫然と日々を送っている人と比べて、一日一日の「行動」が違うように見えます。映像を見ていても、自分で自分を反省し、上司のアドバイスを素直に受け止めるなど、何でも主体的に物事に挑戦している様子がうかがえます。

 先日、ある方と話していた時に、「志とは自分が登りたい山。不安になるのは自分が登りたかった山を見失なっているから。コロナで苦しい時こそ、自分の登りたかった山を思い出すことが大事なのではないか?」というような話をされていました。「日本一のパンを作ろう」「住む人が幸せになる家を作ろう」と始めたのに、売上が足りない、利益が出ないと考えてしまうのは、志への情熱がなくなってしまっているからだと。確かにそうだなと思いました。私も自分に不安や迷いがある時は、いつも志を忘れている時です。

 経営者にとっての志は経営理念やビジョンですが、社員さんにとっても、自分の志(目標)を明確にしていくことで日々の「張り合い」が変わっていくのではないでしょうか。例えば「1年後に〇〇の技術を身に付ける」という小さな目標であっても志は志。そこに自分が行きたいと思えば、「では、今月は〇〇の本を読もう」「来月は講習を受けにいこう」と日々の行動が変わってきます。

 「志」というと利他的で壮大なものがいいと言われますが、そもそも20代は自分の夢どころか、自分の得意不得意もよくわからない場合もありますので、最初は利己的な目標だってかまわないと思います。例えば「〇年後に家を買う」「来年6月に車を買う」。どんな個人的な夢であったって「目指すもの」を持っていれば「その為の努力」が生まれてきます。日常に工夫や創造が生まれてくるので、日々の楽しさが変わってきます。日々の張り合いを生み出すのはいつも夢の力です。

 しかし、どんなことでもそうですが、「その山に登りなさい」と言われても、自分が登りたくない山は途中で苦しくなる。「登らなければならない山」ではしんどくなる。だから他人からアドバイスはもらったとしても、最後は自分で行き先を決めるしかありません。これが何よりも大事な気がします。

 この時期こそ、自分の「登りたかった山」を考える時かも。皆さんは、このコロナ禍を乗り越えて、どんな山に登り、どんな景色を見に行きたいですか?

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2020 年 10 月 27 日 11:38

「密」なコミュニケーションは大事

 このコロナ禍で、人と人の接触が制限され、テレワークやオンライン会議などが盛んになり、私も様々な「新しいコミュニケーション体験」をしました。普段ならなかなか会えない地方の方と交流できたり、移動時間がなくなり、コストの削減や仕事の効率が高まったり、たくさんの恩恵を感じています。
 ただ、コロナ禍でも(気をつけながらですが)、最近少しずつ、以前のような飲み会をしたり、地方に行って人と話をしたり、受講者の顔を見ながら研修をしてみると、やはり、人と人が直接会うことで伝わるものの大切さ、価値も感じるようになりました。
 オンラインでも確かに情報交換はできるのですが、やはり心と心の交流まではできません(私の世代だからでしょうか)。昔の人間だからそう感じるのかもしれませんが、やはり一緒の場で一緒に仕事をする、同じ場で同じ体験をする。同じ空気を吸いながら、一緒に取り組んでいくことで、人と人の心の距離は近くなるような気がします。

 社員同士の深い関わり方で有名な西精工の西社長が先日のセミナーの中で、「やはり密が大事、例えばしんどい時に、ポンと先輩が肩をたたいてくれたというようなことが、その人の大きな支えになるように、触れ合うことの大切さを改めて感じています」と仰っていましたが、自分の過去を思い出しても、思い出に残っているのは、人と人が密になって体験したことばかりです。

 学校ではオンライン授業、会社ではテレワークと、「直接触れ合わないコミュニケーション」は、益々進んでいくのだろうと思いますが、そればかりでは、きっと精神的に不安になっていく人が出てきてしまうのでは?便利、快適の裏にはいつも、「失われるもの」がありますが、これからは会社の中でも、意識して「密」なコミュニケーションの場を増やしていかないと、何か大切なものが壊れてしまう気がします。皆さんは「密な場」を、どう思われるでしょうか?

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2020 年 10 月 19 日 18:25

恩情の連鎖で人が育つ

 先週はバグジーの久保社長、西精工の西社長をゲストにお迎えし、「未来×幸せ経営フォーラム」の第二回目を開催させていただきました。今回のテーマは「大家族主義の経営と人材育成」。そのことに全力を尽くしてこられたお二人のお話を少しご紹介します。
 
   そもそも大家族主義とはどんなことなのでしょうか?
  「もし、自分の子供ならどうするか?」「もし、自分の妹、弟ならどうするか?」。判断する時に、“自分の家族ならどうするか”と考える経営を家族主義と呼ばれています。例えば遅刻が続く後輩がいたら、普通の会社なら罰則で管理しようとしますが、大家族主義の会社は、自分の弟ならと考えます。「目覚まし時計を買ってあげる」「起こしにいってあげる」…バグジーの中では仲間がそんなことを言い出して対応するようです。入社してくれた社員を自分の子供のようにみんなで育てる。仕事を超えて悩みを共有し、親身になって新人を育てていくのは両社に共通する文化です。
 
    自分の時間を使って、その子を一生懸命に育てる先輩たちの恩情をいっぱい受けた人は、先輩に好意を持ち、慕うようになる。「ここまで自分のことを思ってくれているんだ」と上司に恩情を感じた後輩は「よし、もっと成長して期待に応えよう」と頑張ります。「部下の成長は、上司の恩情の量で決まる」という久保社長の言葉の通り、部下の成長は、上司の恩情の量に比例していくのでしょうか。
 
    そして、そんな上司の恩情をたっぷりと受けて育ってきた人は、次に自分に後輩が出来た時に、その恩を返していこうと、親身になって後輩を育てます。そんな「恩情の連鎖」が広がっていくのが大家族主義の経営です。
   半沢直樹のドラマでも「施されたら、施し返す」という名セリフがありましたが、やはり上司からめいっぱいの愛を受けた人は、お客様や後輩に愛を返していこうと思うのでしょう。人材育成の手法はいくらでもありますが、いくらテクニックで人を育てようと思っても、その奥に「愛」がなければ、伝わる訳がありません。人材育成のベースは、上司が部下を自分の身内のように思う気持ち、つまり心の底から「成長させてあげたい」と願う気持ちだと思います。
 
   激動の時代だからこそ、人が育つ会社は、これからどんどん輝いていくはず。恩情の連鎖、大事にしていきたいですね。
 

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2020 年 10 月 13 日 11:53

先輩がマニュアル

 ホンダディーラーでCSが常にトップクラスのホンダカーズ中央神奈川さんで、以前、こんな話を聞いたことがあります。日本経営品質賞を受賞している会社ですが、審査員が事前調査に訪問した時に、「貴社には接客のマニュアルがありますか?」と質問をされたそうです。CSが高い会社だからきっと接客マニュアルがあるはずだと思われたのでしょう。しかし、この会社には接客マニュアルはありません。そこにいた社員が「紙のマニュアルはありませんが、うちでは先輩がマニュアルなんです」と答えたそうです。尊敬する先輩の姿をみて、自然と身に付けていくのがこの会社の伝統だということです。

 審査員の目線は、接客マニュアルがなければ標準化されず、バラつきが生じるのではないかということだと思いますが、この会社は何年も連続してCSナンバーワンに輝く会社ですから、現実は接客マニュアルがなくてもみんなが質の高い、いい接客をしています。
 では、どうしてみんなが質の高い、いい接客をしているのか?それは審査員が求めるような科学的な答えではないのかもしれませんが、私は「社風」だと感じました。トップを筆頭に、みんなでお客様を大事にしようという空気感。「朱に交われば赤くなる」といいますが、いい社風の中にいると、自然とみんなが「いい接客になる」というのが、マニュアルがなくてもできる理由ではないでしょうか。これは、バグジーさんでも、川越胃腸病院さんでも、伊那食品工業さんでも感じたこと。いい社風がある会社は、マニュアルではなく、先輩たちの後ろ姿で若い人が育っています。

 「そういう社風があればいいけど、うちにはない。」という声が聞こえてきそうです。確かに社風がないなら、接客マニュアルを作って形だけでも整えないとお客様満足は高まりません。確かにそういうアプローチも大事なのかもしれませんよね。しかし、どんなにいい接客マニュアルを作り、教育をして現場に出したとしても、理念に共感して働いていない先輩が傍にいると、若い人はそちらに影響を受けてしまうのも事実。いい社風もあれば、悪い社風もあるように、社風の影響力はあなどれない気がします。

 ただ、私が取材させていただいたいい会社の経営者は皆さん、「いい社風をつくるのは時間がかる」と仰っていました。人々の考え方や意識の問題ですから、そう簡単につくれるはずがありません。それでも、諦めずにいい社風をつくろうと努力を続ける。そんな粘り強い経営者だけが「いい社風」がつくれるのでしょう。
 自社の社風、皆さんはどのように感じておられますか?

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2020 年 10 月 06 日 16:37

上司の厳しさと優しさ

 最近、厳しい上司が少なくなっていると聞きます。打たれ弱いと言われる世代を気遣う機運なのかもしれませんし、パワハラという概念が広がってから、厳しい教育と上司のパワハラの境界線がわかりにくくなっているからなのかもしれません。

 ただ、昔から「いい会社」の取材をしていて共通して感じることですが、社員の幸せを真剣に考える会社ほど、やはり社員に対しての厳しい面もありました。例えば、ホンダカーズ中央神奈川の創業者相澤氏は、社員を息子のようにかわいがる優しさが溢れている人ですが、時には鬼のように怒ることがある経営者です。社員を一人前の社会人にしたいと思うからこそ、躾けに厳しい。しかし、雷を落とした後はねちねちと怒ることはなく、また笑顔の上司に戻る。だから、みんなから愛されるのかもしれません。

 西精工の映像をご覧になられた方はご存じですが、橋本係長がメンバーに厳しく接する場面は見ていても気が引き締まります。インタビューの中でも「真剣に言うことは伝わると思う」「後になって橋本が言っていたことが役に立ったと言われるように接していきたい」と語られていましたが、その目には優しさがあふれています。  愛があふれる人は、メンバーに心の底から成長してほしいと思っています。

 しかし、こんなことを書くと、そんなことは時代遅れだ、昭和世代の典型だと言われそうです。でも、私はどんな時代でも、「厳しさ」は人を成長させる大事なものだという気がします。逆に、厳しいことを言う上司自身も常に「自分はどうなのか」と問われる訳で、自分自身も磨いていかなければ真剣に叱ることはできません。
 厳しく接することは難しい時代。だからこそ、どうやって部下を成長させてあげられるかを、真剣に考えなければならないのだろうと思います。

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2020 年 09 月 29 日 10:37

伊那食品工業の「未来を見据えた経営」と「社員のやる気」

 コロナ禍の中で日本を元気にしようという思いを込めて、新しいセミナー「未来×幸せ経営フォーラム」を立ち上げ、4回シリーズの第1回目を先週の木曜日に開催させていただきました。たくさんの皆さまにオンラインで参加いただき、誠にありがとうございました。毎回、新しい挑戦はドキドキします。でも、その緊張こそ、生きている実感でもあり、挑戦することの大切さを感じる時間でもありました。

 「未来×幸せ経営フォーラム」は、毎回、経営者や専門家をゲストにお迎えし、私(西川)と鼎談をするという企画です。今回は、伊那食品工業の塚越社長と、経営品質やリーダーシップ教育で昔からお付き合いのある鬼澤慎人氏をお迎えし、「どんな時代にもぶれない年輪経営」というテーマを掘り下げていきました。

 60年近く増収増益を続ける伊那食品工業さんをしても、このコロナ禍で業績が下がっているそうです。当初は経費削減という方向になっていたようですが、見通しが立ってからは、どんどん経費を使いなさいという元の方向に戻されたそうです。
 ご存じの通り、この会社の方針は「経営の目的は社員を幸せにすること。社員の幸せを通して地域や社会に貢献する」というものですから、経費を使うということは少しでも社員を快適にしてあげたいという理念を実現すること。塚越顧問は以前から「自社の経費は他社の売上」と仰っていますが、取引先に値段交渉をしたり、値切ることは一切されません。だからこそ、取引先からも信頼され、伊那食品工業を尊敬する人が増えていくのでしょう。経費に対する考え方から違っています。
 しかし、こうしたことができるのも、以前から、常に将来のことを考え、商品開発に力を入れたり、品不足による相場価格を解消するために海外に原材料の調達先を開発したり、寒天の需要創造のために新しい用途を開拓し続けるなど、未来へのタネをまき続けてこられたからこそ。「目先の利益に惑わされず、遠きをはかることが豊かになる」という二宮尊徳氏の思想をぶらされなかったからです。

 こうしたしっかりとした経営の基盤づくりと共に、伊那食品工業さんには、「社員同士が家族のように安心して働く土壌」があります。社員のことを「伊那食ファミリー」と呼んでおられます。この会社には、売上を上げるために社員を競わせる成果主義もなければ、上司と部下、部門間の壁もありません。新人さんも「ここでは何を言ってもいいんだ」という感覚を持ち、安心して発言をされています。
 成果主義もなく、昔からの年功序列の賃金制度で、どのように社員のモチベーションを高めているのでしょうか。気になって質問をさせていただきました。答えは社員が幸せを実感しているから。会社からのたくさんの思いやりを感じているからこそ、お返ししようという気持ちになっておられるようです。
 セミナーの途中で急にインタビューさせていただいた社員さんは、「あこがれる先輩がたくさんいます。その存在が私のモチベーションです」と言われていました。輝いて働く先輩の姿から、一生懸命に働くことで自分も成長できるというイメージがわいてくるのでしょう。感謝の心や成長の実感。外発的動機で生まれない、純粋で良質なモチベーションが生まれているようです。

 未来を見据えたしっかりとした経営(ビジネス)と安心して働ける職場から生まれる社員のやる気。いい会社に共通するキーワードですね。次回のゲストはバグジーの久保社長と西精工の西社長。そうした「安心して働ける職場」をどう実現していくのか、リーダーは何をすればいいのかをテーマに開催する予定です。また、皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

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2020 年 09 月 24 日 09:03

人工知能(AI)とお店の未来

 コロナで非接触がスタンダードになり、店舗でのお金の受け渡しが手渡しでなくなったり、セルフレジを導入するお店も増えてきています。
 人工知能の専門家のお話を聞くと、やはり、店舗経営の中にも、近い将来人工知能(AI)の技術が導入され、人手不足の時代に、我々を助けてくれるようになるそうです。既に購入した商品をアプリで入力し、スマホで決済する無人店舗も実験的に始まっているようで、スーパーやコンビニなどへの普及は早くなるかもしれません。

 こうした人工知能(AI)の普及の中で、お店の中での我々人間の役割はどのようになるのでしょうか?
 知識を学習させると、どんどんと賢くなる人工知能ですから、商品知識や商品の活用法などは、人工知能の方が優秀になる可能性があります。お医者さんも人工知能の診断に負ける世の中なので、「商品についてのご質問はロボットが答える方が的確」というようになるはずです。「売れ筋の把握」「これから売れる商品の予測」も人工知能の方が優れていそうです。やはり将来は売り場に人はいらなくなる?という時代になってくるのでしょうか?

 しかし、私は人間を相手に商売をする以上、人間は確実に必要だと思っています。人工知能の未来を予測した本を読んでみましたが、どれだけ人工知能が賢くなっていったとしても、しばらくの間は、「人間の心」を持つことができないのだそうです。
 つまり機械には、お客様を「思いやる気持ち」や、お客様のお困りごとや痛みや苦しさに「共感する心」がありません。そうすると、やはりお客様との接触場面には、人間がいてホスピタリティを発揮する。お客様のお気持ちを察して行動する店員さんが不可欠になってくるはずです。そうすると、やはり人の心を感じる人間のマネジャーも必要ですし、心が元気になる温かい職場の風土も大切な要素として残るのではないでしょうか。
 それ以外にも、売り場の楽しさやワクワク感など、お客様が「楽しい」と感じるような売り場演出も人間にしかできないはず。お客様が人間である以上、心が躍ったり、安らいだり、親密性を感じたりすることを望む気持ちはなくならないのではないでしょうか。もちろん機能性に特化した無人の店舗も便利ですから、発展していくと思いますが、人工知能を活用しながらも、お客様との心とお店の心がしっかりと結ばれているお店もきっと求められていくと思います。

 未来はどうなるかはわかりませんが、「便利なこと」が「幸せなこと」とは限りません。人工知能の未来は人間が「幸せ」になる方向に進んでいってほしいものですね。

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2020 年 09 月 08 日 09:51

アフターサービスはメインサービス

 先日、顧客ロイヤルティ協会さんの合宿に参加させていただき、顧客満足について丸一日勉強をさせていただきました。顧客ロイヤルティ協会様http://www.customer-loyalty.jp/は、日本に顧客満足の概念を拡げられた故佐藤知恭先生の意思を受け継ぎ、CSの研究を続けておられる協会ですが、真面目で楽しい方ばかりで、私も応援させていただいています。

 その中である企業様がアフターサービスに取り組まれてお客様の信頼を高めていかれた発表がありました。そのお話を伺って、改めて本当の商品の使用が始まり、満足が生まれるのは購入後であるということを感じました。商品をつくる、売る。その時にいかにお客様に満足していただくかという視点はまだ企業サイドにたっているほんの一部のお客様発想。お客様は購入して使い出し、はじめて「満足した」「満足しない」と思い出すわけで、満足できないことがあったときに、すぐに相談できたり、改善してくれなければ、がっかりしてしまいます。十数年前までの「売るまでは熱心、売った後はほったらかし」という問題点はだいぶ改善されたとはいえ、まだアフターサービスには改善の余地がありそうです。

 そもそも、お客様視点にたては、購入するときが「ビフォー」で、商品を持ち帰り、使い続け、商品が使えなくなくなってくる。次の商品を購入するまでの期間が「メイン」です。顧客視点で考えるならアフターサービスという言い方より「メインサービス」と呼んだほうがいいのかもしれません。
 商品の使い方への対応はもちろん、お手入れ方法の紹介、修理、交換などのメンテナンスサポート、最後は廃棄のお手伝いまで・・・。企業のミッションを果たすためにも、やはり売るときから、生活で使用する場面まで生涯にわたる顧客サポートが大切な時代なのだと感じた勉強会でした。

 顧客満足の概念が日本に来て30年くらいになり、一部には「顧客満足は古い」という声もあるそうですが、お客様あっての企業である限り、お客様の心に寄り添って、喜んでいただくことをし続けていかなければ、存続できるはずがありません。「顧客満足」をしっかりと学んでいくことは益々大切になると思います。顧客ロイヤルティ協会様では、オンラインでの勉強の場を提供されています。今こそ学ばれてみてはいかがでしょうか。http://www.customer-loyalty.jp/

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2020 年 09 月 01 日 09:42

感謝の心の力

 先日、テレビを見ていると、24時間テレビの舞台裏を紹介する番組でチャリティマラソンに挑戦した高橋尚子さんを密着する番組が放送されていました。いつもは芸能人が走る番組ですが、今回はオリンピックのメダリストである高橋さんがプロとして走るという企画。自分が走った距離に応じて募金をする。この閉塞の時代に少しでも元気になってほしいと高橋さんが発案された企画だそうです。

 その番組は本番で放送されなかった舞台裏を紹介する番組だったのですが、心に残ったシーンがありました。それは高橋さんが、番組のスタッフやカメラマンや給水場にいるスタッフに声をかける場面です。炎天下で走り続け、自分がいちばん疲れているはずなのに、裏方のスタッフ一人ひとりに「ありがとうございます」「大丈夫ですか?」と感謝とねぎらいの言葉をかけておられました。しんどい時にもこんなにも人のことを考えられるなんて本当に素晴らしい・・・。走る姿も良かったのですが、どんな人にも笑顔で声をかける彼女の姿勢に感動してしまいました。

 よくスポーツ競技のコメントで、アスリートが「みんなのおかげです」「仲間に感謝します」と感謝の気持ちを言葉にされる姿を見ます。以前は本当に心から言っているのかなと思ったこともありますが、感謝の気持ちが心にも身体にもプラスに働くということは、科学的にも証明されつつあるそうです。感謝の気持ちが自分のメンタルを安定化させ、競技に集中でき、パフォーマンスを向上させるそうです。

 私も以前、100キロ歩け歩け大会に挑戦した時に、苦しくなった時に、あえて沿道のスタッフの人たちやすれ違う人に感謝や励ましの言葉をかけるようにしてみたことがあります。その時に、自分の身体の痛みばかりに目が向き、辞めようかと思っていた「重い心」が不思議と軽くなり、身体の痛みまでなくなりました。感謝の気持ちを持つことの大切さを感じた体験でした。

 ただ、みんな「感謝の気持ちをもって生きるのがいい」ということは、頭ではわかっています。そうあればいいとわかっているのに、つい苦しくなると、愚痴が出たり、恨みの言葉が出たり、理性通りにならないのが人間の性。わかっていても難しいのが自分の心。

 ただ、スポーツ選手が身に付けることができたということはやり方はあるということです。例えば、苦しいと感じたらあえて感謝の言葉を口にしてみる。日記に有難いと思ったことを書き出してみる。まずは小さなことから実践してみることで、高橋さんのように、心から感謝で生きる人生が生まれていくのかもしれません。

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2020 年 08 月 26 日 10:01

コト消費、トキ消費

 先日のお盆の休み。普段はバラバラの場所で生活をし、集まる機会がなかなかない家族。それが久しぶりに全員の休みが合致したので、密にならない場所で、今まで体験したことがないことをしようと、家族みんなで山奥に星空を見に行くことにしました。ネットで光害が少なく、星空が綺麗にみられる場所を探し、真っ暗な中で寝転がり、みんなで星空を見つめていました。
 おかげ様で天気がよく、月が欠けていたので、夜空には満天の星が輝き、天の川や流れ星が見えました。子どもの頃にみんなで夜空を眺めていたことを思い出したり、星座をみつけて話し合ったり、普段なかなか体験することができないことが出来、結構な年齢の家族ですが、童心に戻って楽しみを満喫した休みになりました。

 マーケティングの世界では、こんな風に体験にお金をかける消費は「コト消費」と呼ばれていますが、こうやって体験してみると、確かにその価値がわかります。なかなか集まることがなくなった家族が集まるだけでも価値があり、その上でその家族だけで体験したことは、それぞれの人生の思い出になります。物を購入して満足していた時代とは、だいぶ違う時代が来ているのは間違いありません。

 しかし、「コト消費」は非日常空間だけではなさそうです。例えばレストランなら、ただ胃袋を満たすために行く場所から、食事を通して人と人が楽しい時を過ごす場所に。小売業なら、モノを売る場所から、欲しいものを見つけるワクワク感を提供する場所に。美容室なら髪を切る場所から、日頃のストレスから解放される癒しの場にというように、「コト消費」の要素にシフトしているお店を見ていると、みんなが求めているのは、その場でしか体験できない「幸せ」なのでしょう。

 さらに進んで、最近は「トキ消費」などの言葉も出てきています。体験には違いがありませんが、例えばこの間のラグビーワールドカップのように、その時にしかできないこと、繰り返し体験できないことが「トキ消費」なのだそうです。繰り返せないからこそ、よりお金をかけてもいいと思えるのでしょうね。

 このコロナ禍で、家族との時間が増え、家族の絆の大切さに気づく人が増えたと言われています。外食の機会が減り、改めて外食に対する期待も変わっていくのかもしれません。この未曽有の事態を経て日本も外国も消費者のニーズは大きく変わっていくことは間違いなさそうです。そんなお客様の気持ちをいかに察知し、喜ばれる企画を提供できるか。どんな時代になってもお客様の心に寄り添うことが大切なのは変わりないのでしょう。

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2020 年 08 月 19 日 09:43

自信と慢心

 最近、自信と慢心について考えることがありました。  辞書によると「自信」とは、“自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。”とあります。物事に対して「自分はできる」と信じることでしょうか。確かに自信を失うと、前に進むことができません。失敗をすると自信を失い、未来のことが不安になります。だからこそ、一歩一歩実績を積み、未来に対して「自分はできる」と思えるようにしていかなければならない。過去の積み重ねの中で少しずつ高まっていくのが自信なのでしょう。  しかし、ある程度の仕事が出来るようになると、「自分はできる」と信じるあまり、努力を忘れてしまい「仕事をこなす」という感覚になることがあります。出来る感覚が続いていくと、人のアドバイスを聞かなくなる。うぬぼれるようになる。こんな時が「慢心している時」なのでしょう。大きなミスや失敗はこんな時に生まれてきます。  一流のアスリートを見ていると、確かに自信を持ったプレーをしていますが、決してこなすようなプレーはしません。何が違うのか。彼らは「これでいいのだろうか」「もっとできるはず」だと努力を継続することを忘れていないのではないでしょうか。自信を持つことは、もう努力をしなくてもいいということではなく、もっと謙虚にプレーに向き合うことなのかもしれません。確かに「これでいい」「これで十分」と思ってしまうような感覚では一流になれるはずがありません。  努力を続ける人、つまり、本当に自信を持っている人は、自分の本当の力を正しく認識できているからだと聞いたことがあります。例えば、何かが達成できた。一般的には嬉しいと思うだけだかが、真の自信を持っている人は「ここはできているが、ここはできていない」「ここは繰り返しできるようになったが、ここはまだまだミスが起こる」というように、ひとつひとつのことを具体化しています。曖昧にしていかないからこそ、もっと成長しようと努力を続けられるのでしょう。確かに、成長する人は成功しても慢心しないし、失敗をしても落ち込まない。失敗を糧にできるからこそ一流になれるのでしょう。やはり努力を忘れた時がいちばん怖いのかもしれません。  ただ、人間はどこかで慢心してしまう時があるのかもしれません。それを教えてくれるのが、失敗をしたり、ミスを犯してしまった時だと思います。そんな時は自信をなくし、落ち込んでしまうものですが、やはりただ落ち込んでいるだけでは意味がなく、せっかくいただいたその機会に感謝し、活かしていかなければ勿体ない。自分を変える分岐点にできるかどうか。いちばんの踏ん張り時のような気がします。

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2020 年 08 月 13 日 17:05

新しい時代を味方にする経営

 先週の金曜日、ブロックスの新しいオンラインセミナー「未来×幸せ経営フォーラム」(開催記念無料公開)を開催しました。全国各地、約270名の方をオンラインで結んだ初の試み。大規模なイベント開催が難しく、移動が制限される中で、何かお役に立てることはないかと議論を重ねてきたのですが、ようやく実現することができました。

 今回のセミナーは、先行きがますます不透明になるこれからの時代に、どう経営の舵を切っていけばいいのか、リーダーは何を大事にしていけばいいのかを、皆さんで考え、気づきや行動を生み出していこうというもの。一方的な講義形式ではなく参加者も発言できる双方型にしたのは、そんな思いから生まれてきたものです。

 今回のセミナーでは、コロナ禍に挑戦をし続けるバグジーの久保社長と王宮(道頓堀ホテル)の橋本専務をゲストにお迎えし、逆境に負けない経営のあり方について2時間近く対話をさせていただきました。
 どんなに素晴らしい経営をされている企業でも、やはりコロナ禍での状況は厳しく、両社とも苦しみながらも様々な工夫をされています。特にホテル業界はインバウンドが激減し、テレワークや自粛で国内も冷え込むダブルパンチ。美容業界は自粛の対象外業種でしたが、3月~5月は大きく客数が減ってしまったそうです。

 しかし、そんな状況の中でもバグジーさんも、王宮さんも社員やアルバイトさんが人の役に立とうと必死になって働かれています。コロナ禍で経営者と社員の間に溝が生まれてしまう会社も多い中で、なぜ、そんなにいきいきと働けているのか。やはり、その奥には社員のことを第一に考える経営者の存在があるようです。社員の健康と生活を守り抜こうというトップの思いがひしひしと伝わるからこそ、みんなが危機を乗り越えていこうと力を発揮する。新しい挑戦にも意欲をもって挑んでいく。普段から理念や思いが一致する組織を作ってこられたからこそ、危機の中でも輝くことができるのだと思います。

 また、こんな客数減の時代に何をしていけばいいかという議論では、もちろん新しいことに挑戦することも大事だが、久保社長は、「こんな時だからこそ実力をつけること」が大事だと仰っておられます。例えば、これから先、お客様が行きたいのは、やはり「本業」がしっかりしている店。レストランで言えば美味しい料理、美容室であればカット技術。客数が少なくなると、つい小手先の販促策などに走りがちですが、やはり大事なのは本質のところを磨き上げること。まず、コロナ対策など衛生面を徹底して安心の土台をつくることが基本の基本。その上で、美味しい料理、素晴らしいカットを提供する。これが次の時代に求められるだろうということでした。他と違う発想と行動がこの先を変えていくのかもしれません。

 対談はこの他にも様々な議論が出てきました。ここでは紹介しきれませんが、どんな時代になったとしても、その波を乗り越えていけるのは、社員の幸せを第一に考えるリーダーの情熱と信頼で結ばれるチームだけではないでしょうか。その真ん中にあるのが理念やミッション。全員が自分事として全力でオールを漕いでいるチームだからこそ、波が来ても倒れないのでしょう。

 「未来×幸せ経営フォーラム」は今後9月から第1期(4回シリーズ)がスタートします。4つのキーワード「リーダーシップ」「社員の絆」「自律的組織」「働く人の幸福」を手掛かりに、様々な業界の実践者と共に、これからの時代の経営の鉄則、未来を幸せにするためのヒントを見つけていきたいと思います。
https://www.doit-fun.jp/blocksseminar/20200924_1209

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2020 年 08 月 04 日 17:01

変化の波を楽しむ

 コロナがまた拡大してきていますね。一人ひとりが「みんなのために」を意識して行動していくしかありません。
 このコロナ禍でいろんなことが変わり出しました。リーマンショック以上の経済の落ち込みも予測されています。国際情勢も変化していきます。きっと、ここから先は誰も経験したことがない変化の時代がくるのだろうと思います。
 ただ、ここで「なんでこんな時代になったんだ」と不満を言っても、変化が止まる訳ではありません。波が来るのを避けようとしたとしても、傘ぐらいでは間に合いそうにありません。確かに不安でありますが、もうここに来てしまったなら、この波を楽しんでやる、この波に乗っていくというくらいの気持ちでいったほうがいい。マスコミのネガティブな情報洪水に落ちこまされるより、「しょうがない!」と受け入れていこうと思っています。

 私はサーフィンをしたことがありませんが、誰でも初めのうちは、サーフボードの上にも立てないでしょうし、波に沈んでしまうことも多いのでしょう。それでもやっているうちにコツがつかめて何とか乗れるようになる。この数か月、みんなでテレワークや業務のオンライン化、新しい日常への対応してきたのは、こんな状況だったのではないでしょうか。ただ、またコロナの第二波がやってきて、また新しい対応に迫られていますが、初心者はわからないのが当たり前なのですから、その都度、変化に対応していくしかありません。
 小さい波、大きい波が次々と来る時代の中では、こんな風に変化を避けるのではなく、変化に乗って自分達が対応していくのが普通になっていくのではないでしょうか。

 ただ、私は、ただ波に乗るだけでは面白くはならないと思います。どんな風に波に乗るのか。波に乗ってどこにいくのか。自分たちが大切にするものや行き先だけは大事にしたい。流されているだけでは、サーフィンを楽しんでいることにはなりません。リーマンショックの時もそうでしたが、大きな儲けになることは少なくなるのかもしれませんが、やはり世の中に必要なこと、価値あることは失われることなく続いていくはず。そう信じながら、世の中に役立てる会社をめざし、いいサーフィンをしていこうと思います。

(株式会社ブロックス 代表 西川敬一)

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2020 年 07 月 30 日 10:05

IKIGAI(生きがい)

 今、ある地域のボランティア活動のお手伝いをさせていただています。
 地域の商店主が主体となるその活動は、地元の中高生に「働く喜び、楽しさを伝えていきたい」という趣旨で、様々な職業の人たちにインタビューをし、その動画を給食の時間に放映しようというもの。先日、その撮影のために、助産婦さん、パン屋さん、看護師さん、美容師さん、デザイナーさん、農家さんなど、地元の様々なプロが集まってくださり、仕事のやりがいや若い人へのメッセージを語っていただきました。

 地域で生まれ、手に職をつけ、その地域に根差して商いを続けているプロの皆さん。誇りをもっておられるのでしょう、本当にいいお顔をされています。ここまでには紆余曲折があり、ご苦労もたくさんされていますが、自分の好きなことをしている人たちは、そんな苦労も楽しそうに語られます。目の奥に人生の充実感を感じます。
 共通して言われていたのは「いちばん嬉しい瞬間は人に役立てているとき」ということでした。自分の作ったもの、自分が提供したものが誰かの役に立っているという実感がもてる毎日は、何事にも代えられないのではないでしょうか。

 昨年あたりから、日本独自の概念である「生きがい(IKIGAI)」が世界で注目されているそうです。日本人が長時間労働を厭わず、休暇取得率も低いのに長寿大国なのは、みんな「生きがい」を感じているからだということで、「仕事と人生を向上させるための概念=生きがい」のが注目されています。

 「生きがい」を4つの輪で表した“ベン図”が紹介されています。4つの輪が重なっていて、それぞれ「LOVE(大好きな事)「GREAT AT(得意な事)「PAID FOR(稼げる事)」「NEED(世界が必要としている事)」とあります。そしてその重なりの中心が「IKIGAI」となっています。

 好きな事、得意な事、稼げる事、必要とされる事が全部満たされている。確かに私がインタビューしたプロの皆さんは4つの輪の人達でした。「好きなことをしよう」と仕事を始めた頃は、技術が未熟で収入も少なかったかもしれません。しかし、好きで続けてきたからこそ技術が高まり、得意になり、稼げるようになる。そしてやっているうちに、稼ぐこと以上に役立つことが嬉しくなってくる。「いい顔」になるというのは、だんだんと生きがいを見つけた人の顔なのかもしれませんね。

 好きな事、得意な事、稼げる事、必要とされる事。この中で若いうちに見つけにくいのが「得意な事」かもしれません。得意かどうかはやってみないとわからない。自分だけではわからない。その世界に踏み込んでいかないとわからないものだとしたら、やり続けてみないと見つかりません。それをしないうちに「自分の得意がわからない」と言っている人が多い気がします。

 好きな事を見つけて、そこからスタートして後の3つの輪が生まれるパターンもあるでしょう。「稼がなければ」と目の前の仕事に集中していく過程で「好き」になり、「必要とされる喜び」に出会うパターンもあるでしょう。何が最初ということはないように思います。

 幸い私は生きがいを見つけられていますが、若い時は模索し続ける暗黒の時代もありました。でも、そう簡単に見つからないから、見つけることに意義があるのかもしれないですね。

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2020 年 07 月 21 日 15:09

変えるべきこと、変えてはいけないこと。

 1990年代、世の中に「価格破壊」が広がった時がありました。ディスカウントストアという業態が生まれ、大型商業施設や量販店が急速に拡大していきました。その波の影響を受けたのが一般の酒屋さんや家電店という小さなお店。次々と廃業に追い込まれていきました。
 しかし、そんな時代でも僅かですが、価格競争の波にびくともしないお店がありました。どんなに回りが安売りをしようと値段は崩さず、その代わり、地域店ならではのフットワークを活かして徹底的にお客様のお困りごとを解決する。周囲の同業者が、量販店の値段に合わせようと自分達のスタイルを変えてしまった時に、東京町田のでんかのヤマグチさんは、絶対に自分のスタイルを崩さず、むしろ徹底することで、その波を乗り越えていかれたのです。それから数十年が立ちましたが、困っているのは量販店やディスカウントストア。高齢化の時代の中では、逆にそのフットワークが脚光を浴びています。

 今、世の中はまた、大きく変わろうとしていますが、こんな時に、いつもこの家電店の話を思い出します。
 世の中が変わる時は、時代の変化、顧客のニーズに合わせて変えていかなければらないこともあるのでしょうが、変えていくべきことと同じように、変えてはいけないこともあるはずです。それを間違うと大きなことになってしまいます。

 世の中の変化と違う生き方をして成功された事例は他にもあります。
 販売台数を上げることが良しとされてきた業界で、頑固にお客様との信頼の絆、社員のやりがいを追求してきた自動車販売店。拡大することが多店舗化することが成功者と言われてきた中で、社員の幸せやお客様の幸せを追いかけてきた美容室。トップダウンで社員を動かすことが良い経営だと言われてきた業界で、考える社員を育てることに全力をあげてこられた経営者。その時は「異端児」と思われてきた人が今の成功を収めています。

 この方たちが見てきたものはどんなことだったのでしょうか。「目の前」を見る人が多い中で、「その先」を見てこられたのかもしれません。今、また、大きな変化が訪れていますが、こんな時こそ、右往左往せず、しっかりと自分達の行く先を決めていかなければならないという気がします。

 今回、ブロックスでは、そんな経営を実践されてきた経営者をゲストにお招きし、これからの時代の経営を考えていくオンラインセミナー「未来×幸せ経営フォーラム」をスタートさせます。時代に合わせて変化をさせなければいけないこと、どんな時代にあったとしても変えていけないこと。講師も一緒に学び合うというスタンスで、参加者の皆さんと一緒に、変化の時代を生き抜くヒントをみつける場にしていきたいと思っています。第1期は素晴らしいゲストが参加してくださいます。ご一緒に未来を考えていきませんか。

・未来×幸せ経営フォーラム 開催記念セミナー(8月7日)
https://www.doit-fun.jp/blocksseminar/20200807_01

・未来×幸せ経営フォーラム 第1期(4回シリーズ)
https://www.doit-fun.jp/blocksseminar/20200924_1209

カテゴリー : セミナー メルマガコラム 思うこと

2020 年 07 月 15 日 08:41

左手を大事にする

 先日、バグジーの久保社長に「人間の達人 本田宗一郎」(伊丹敬之著・発行:PHP研究所)という本を紹介してもらい、読み始めたところ、その人間的な魅力に圧倒されてしましました。若い時から本田宗一郎さんの生き方や他社と一線を画す企業姿勢にあこがれを抱いていましたが、この本は本田さんの実際のエピソードや言葉から、人間性、人柄を表現することに主眼が置かれていて、まるで本田宗一郎が傍にいるような気持ちになります。
 いろんな逸話がありましたが、私が心に残ったのは「右手と左手」の話です。
 本田宗一郎さんは、きわめて仕事に厳しい人でしたが、それでも人が「オヤジさん」といってついていくのは、働く人に対して常に温かい視点をもっておられたからです。その中でも、特に裏方で働く人、目立たない仕事をする人にはさらに温かい視点で接しておられたそうです。こんな言葉を残されています。

 「ハンマーをふるう右手は、いつも目立ちますよ。逆に左手は影になって、いつも犠牲になって。だから必要ないかといえば、とんでもないことで、左手があるからこそやれる。人間の組み合わせもそうじゃないですか。地味にやっている人たちがあればこそ、何とかなる。そういう左手を右手はかばってやることです。いや、必要以上に可愛がってやっていいんじゃないですか」

 本田さんはこの言葉を実践するように、社長退任後に全国700か所の現場の人たちにお礼を言いに握手の旅をされたり、工場を訪問した時に、車を作った人の写真が展示されているのをみて、「食堂のおじさん、トイレ掃除のおばさんの写真はどこにある!」と怒鳴られたりと、常に裏方の人への温かい視点を持っておられたそうです。
 確かに、売上をとってくる営業や宣伝などの仕事のような目立つ仕事も、食堂や掃除、メンテナンス業務などの裏方の仕事があって成り立っているのに、いつも目立つものばかりに光があたります。ホンダが短期間でここまで大きな会社になったのは、こんな思想がベースにあったからこそ、みんなが一生懸命に働いていたからなのかもしれませんね。
 相手の気持ちになってその人のことを思いやる。こんな基本に徹底的にこだわって生きてこられた本田宗一郎さん。この素晴らしい人柄に追いつくことは難しいことですが、少しでも近づいていきたいです。

カテゴリー : メルマガコラム 素晴らしい会社

2020 年 07 月 06 日 16:37

コンビニでちょっと嬉しかったこと

 いきなり個人的なことで恐縮ですが、私は、セブンイレブンの珈琲が好きで、毎日、3~4杯飲んでいます。特に青いカップのキリマンジャロブレンドがお気に入りで10円高いのですが、朝一でこれを買って出社し、ホッと一息いれてから仕事をするのが、ここのところの習慣です。
 買うのは会社の近くのセブンイレブン。最初のうちは、「〇〇をください。」「はい、わかりました」という客と店員の普通の会話だったのですが、ある時、店員さんが私の顔をみると、既に手に青いカップをもって、「これですね!」と笑顔で渡してくれました。・・・「やるね!」
 同じ店で何度も同じ商品を購入していても、ずっと覚えてくれない「ロボット対応」の店が多い中、こうやって覚えていてくれて、気遣いをしてくれると、やはり嬉しいものですね。

 しかし、いつも不思議に思うのは、こんな小さなことでも、お客様の好感度があがるのに、なぜ、こういう接客が広がらないのかということです。
私は旅館のようなおもてなしをコンビニに求めている訳ではありませんが、この店員さんのような「ちょっとした人間的な対応」をしていけば、きっと顧客満足は高まるし、何より、働いているスタッフが楽しくなり、定着率も増えるのではないかと思っていますが、なぜ、未だにマニュアル対応が主流なのでしょうか?

 仮説のひとつは、企業や店員さんの中に「お客様の対応に差があってはいけない」という暗黙の気持ちがあるから・・・。あのお客様にはやってあげて、このお客様にはしないとなると、クレームが発生する可能性がある。だから、みんな頭で「そうし方がいい」とわかっているのですが、つい恐れを感じて「決められた応対をしておこう」と思ってしまう。チェーン店というシステムの中では、常に全体を考えなければなりません。しかたないのかもしれませんが、そのシステムが、知らず知らずに人間の心も機械のようになってしまうとしたら、ちょっと悲しいですね。
 ただ、世の中が、どんどん機械化、システム化していけばいくほど、こんなちょっとした人間らしい応対を受けるとホッとするのは事実です。便利であって、人間らしい応対がある店は、もっともっと求められるような気がします。人間味豊かなセブンイレブンが出現する日がくるかもしれませんね。
 さて、実は先週も、そのセブンイレブンに行きました。また「キリマンジャロ」を頼んだら、いつもの店員さんが「お客さん・・・このキリマンジャロ、廃止になるんですよ」と残念そうに、残り僅かになった青いカップを渡してくれました。
 お気に入りがなくなるのは寂しいですが、私はまたその店に通うと思います。

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2020 年 07 月 01 日 13:40

利益の少ない仕事に心をこめよう

CoCo壱番屋の創業者の言葉
「利益の少ない仕事にも心をこめよう」。これはあの有名なカレーチェーン店「CoCo壱番屋」の創業者宗次徳二さんの言葉です。手間がかかるし、代金をいただくほどのことではない「ささやかな仕事」。そんな仕事にも真心をこめてサービスをしよう。そんなことに真摯に取り組む姿勢がお客様との根強い信頼につながっていくんだよ、という意味だと思います。
 コロナでお客様が減ってしまった、売上がなくなってしまった。こんな時はどうしても売上・利益を上げることに目が向いてしまうものですが、ある人がこの言葉をSNSで紹介されているのを見て、ハッとしました。
 CoCo壱番屋さんは、以前、私も取材をさせていただきましたが、ご夫婦で始めた小さな喫茶店が、全国に1000店以上のカレーチェーンになったのは、創業の頃から、お二人がささやかな仕事に真心を込めてこられたからです。
 毎日、お店のまわりを掃除する。来られたお客様を笑顔で出迎え、仕事はキビキビとお客様を待たせない。お客様への返事はハキハキと応える。
「ニコ・キビ・ハキ」という小さなことに、真心をこめて取り組まれたことで、カレーの味だけない熱心なお店のファンが増えていきました。小さな喫茶店の時代から、モットーとされてこられたこの言葉は、時代を超えた「商売の原則」なのだと思います。

商いの鉄則に戻る
 確かに「お客様が少なくなった!」「売上を上げよう」と意気込んでみても、そう簡単に上がるものではありません。売上は「お客様との信頼」が積み重なって生まれているからです。どんな商売でも、最初はたった一人のお客様からスタートし、店主がわざわざ来てくださったお客様に感謝し真心こめて応対したことで、お客様が喜んで帰っていかれる。そしてそのお客様が再来店してくださって何度も足を運んでくれるファンになる。その信頼の積み重ねが今の売上になっているので、そもそも急に上がる秘策なんてないのではないでしょうか。昔から商人の間では、「一人ひとりのお客様を大切にしなさい」「小さなことにも真心をこめて尽くしなさい」と言われていますが、これが、何度も不況を乗り越えて伝承されている商いのゴールデンルールなのだと思います。
 しかし、私たちが大災害の教訓を忘れてしまうように、私たちは今回のように不況になって売上が厳しくなると、例えば、接客を簡素化したり、無駄なコストを切り詰めたくなって、「利益の少ない仕事などに力を入れている場合ではない・・・」と、つい利益にばかりに目が向いてしまい、原則を忘れた判断をしてしまいがちです。もちろん、無駄なコストを削減するのも商売の鉄則ですから、すべてにこの判断がいいとは限りませんが、もし大事な「真心サービス」を削減してしまっては、一時的には回復できても、ファンは生まれていかないような気がします。
 商売の瀬戸際の時に、そんなのは綺麗ごとだと言われる方もおられるかもしれません。でも、自分が顧客ならどの店を利用したくなるかと考えた時に、やはり真心こめてくれるところを選ぶだろうと思います。苦しい時に経営者がどんな判断をし、何をしていくか。本当に難しい判断が続きます。  こんな時には、時々、苦しい時を乗り越えてこられた先人の言葉を見つめ直していくのも大切な気がします。

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2020 年 06 月 23 日 16:12

営業再開を「うずうず」して待つお客様と社員がいるお店

 各地でお店が再開しています。賑わいの戻ったお店でスタッフの人たちが楽しそうに働いている姿をみると、やっぱり嬉しくなります。

 知り合いのお店も2か月休業し、先日再開したのですが、あるパートさんが「もう嬉しくてしょうがないです!休みの間、働きたくてうずうずしていました」と仰っていました。お客様も再開をうずうずして待っておられたようで、客足はすぐに戻り、業績も順調に推移しているそうです。このお店は昔から、お客様を大事にされているのでファンが多いので、これくらいの休業ではびくともしないのでしょう。ファンを大切にする経営の大切さを実感しました。

 しかし、その奥にあるのは、社長が何よりも社員を大切にして経営をされていたこと。社員を家族のように大切にしてこられ、社員同士の絆もしっかりとあるお店でした。そんないきいきと働くスタッフにお客様も魅了されているのです。「働きたくてうずうずする」くらいの社員マインドが「行きたくてうずうずする」お客様を育てていたようです。まさにESなくしてCSなし、ということでしょう。

 しかし、一方でこの危機にオーナーと社員の心が離れていったお店もあると聞きます。何の説明もなく来なくていいと言われ不安のまま家で過ごしていたパートさん。「こんな時に働かせるんですか」と社員と社長ともめ事が起こったお店。たまっていた膿が出てきたように、半数以上の社員が離職してしまった店もあるようです。お客様だけでなく、社員にも離れられてしまっては経営はできません。この危機の中で、いろんなものが見えてきて、改めて「強い経営」とは何かと考えさせられました。

 まだ、コロナの経営危機はしばらく続きますが、この先も、どんな危機がやってくるかわかりません。当面は資金繰りや助成金を頼りにしていかなければならないのだと思いますが、本当は、どんな危機にも離れない「ファンづくり」や、どんな危機にも離れない「社員との絆づくり」、社員が「いきいき働く環境づくり」など、本質的な対策をしていかなければ、また同じことが繰り返されるような気がします。長期対策の視点も不可欠なのではないでしょうか。

 しかし、考えてみればどの経営者も商売を始めた時は「人に喜んでもらいたい」「それが嬉しい」という気持ちが原点だったはず。ここから厳しい時期が続きますが、仲間と共に、ファンづくりの喜びをもう一度味わう絶好の機会かもしれない。そんな気がします。

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2020 年 06 月 16 日 09:54

鬼ごっこ

 新型コロナの影響で世の中に大きな波が押し寄せています。お客様が来ない、思うような営業ができない、感染対策で気を使ってやらなければいけない・・・こんな時が来ることは誰も予想していませんでした。
 ただ、いくら「早く元に戻ってほしい」と願っても、「こうなったのは〇〇のせいだ」と不満を言ったとしても、この状態がよくなるはずもなく、しょうがないと受け入れていくしかありません。しかし、だからといって「売れないのはコロナのせいだ」「不況なんだからしょうがない」と言って諦めてしまうのも、釈然としません。「どうせ負ける勝負なんだから」と最初から試合を投げ出している選手のような気がします。

 では、こんな状況にどんな風に向かっていけばいいのか。私はこういう時こそ、自分を成長させていくチャンスだと思い、むしろ「いい時代が来た」と楽しんでみるくらいが大切な気がします。
 子どもの頃にやった「鬼ごっこ」を思い出しても、いちばん面白くないのは、鬼が弱い時。いつまでたっても鬼に捕まれない鬼ごっこは確かに自分は鬼にはなりませんが、スリルもなく、自分のスキルも高まりません。鬼ごっこが面白くなるのは鬼が強い時。どんなに逃げても追いつかれ負けてしまう。それが悔しくて、次は俺の番だと全力を出し、互いの面白さも増していきます。どんなゲームも同じ構造。新しいステージには、だいたい強敵な敵が表れて、最初は負け続ける時が続き、自分のスキルを磨いていくプロセスがいちばん面白くなっているはず。「簡単に売れていた状況」が弱い鬼の時代。そこに「コロナによる売れない状況」という強い鬼が現れた。こういう発想で、毎日「どうやってこの鬼に勝てるのか」とクルクル頭を回し、やれることから行動していくというのが、私が思う「この時代を楽しむ」ということなのですが、この話をするといつも、「そんな風に考えれない」「不安でしかたない」という人も多く、なかなか理解されません(笑)。

 ただ、不況の中で「しかたない」と諦めて行動しない人と、「何とかしてやろう」ともがき続けている人では得られる経験値は違うのは事実。滅多に来ないこの「修羅場」の経験は、きっと次に来るだろう「次回の修羅場」に生きていくはず。久しぶりに出現した強敵「強い鬼」に対して、のた打ち回ってみるのも悪くないと思います。

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2020 年 06 月 09 日 09:34

テレワークで見えてきた課題

 今回のコロナ禍でテレワークが広がりましたが、いろんな課題も見えてきたようです。
 Uniposという会社が、全国のテレワークを実施している上場企業の管理職333名と20歳以上の正社員553名(一般社員)を対象に「テレワーク長期化に伴う組織課題」に関する意識調査を4月24~27日にインターネットリサーチという形で実施した結果では、以下のような課題が浮き彫りになりました。

 チームの生産性の変化についての質問では、一般社員は、「とても低くなった」「やや低くなった」と回答した人の割合は合計44.6%、管理職は38.7%と回答し、生産性が低くなったと感じている人が多いことがわかります。
 また、管理職に「テレワーク開始前と比較して、部下の仕事ぶりについてどう感じるか」と聞いたところ、「とても分かりづらい」「やや分かりづらい」と回答した人の割合は合計56.1%。また、一般社員に「テレワーク開始前と比較して、上司や同僚の様子についてどう感じますか」と質問したところ、合計48.4%が「とても分かりづらい」「やや分かりづらい」と回答していることがわかりました。
 その他、管理職、一般社員の双方に「テレワークが長期化したら深刻化すると思う課題」を質問したところ、回答が多い順に「コミュニケーションの取りずらさ」、次いで「社内連携のしづらさ」、「モチベーション維持・管理」と、上位3位が同じ結果になったそうです。
 上場企業は仕事がかなり分業化されているので、コミュニケーションがうまく取れないと仕事が捗らないのかもしれません。また上司の決裁を取って仕事を進めるなどの組織文化も影響しているのでしょうか。テレワークに対する戸惑いを感じます。

 私たち、ブロックスはどうかと振り返った時に、今回のテレワークで逆にコミュニケーションが良くなったという実感があります。今まで営業所別で行っていた朝礼をオンラインでやるようになり、個々の活動が見えるようになり、営業所を超えた連携も生まれるようになりましたし、毎日、みんなで顔を合わせているので、危機感も含めて、細かな情報まで共有できるようになりました。また、ZOOMのブレイクアウトルームの機能を使った数名の情報交換では、悩みや気づきを話しあい、心の距離も短くなった気がします。元々、弊社は個々が自分の仕事に責任を持ち、自己完結するプロデューサー集団だったので、今までが見えにくかったから、逆に良くなったのかもしれません。
 しかしブロックスでも、緊急事態宣言解除後に、出社してきた社員に聞くと、「やっぱり職場の方が集中力が増します!」という声が多く、出勤して、みんなで働くことの意義も感じているところです。

 こうして、比較しても、テレワークをどう受け止めているかは、個々の企業規模や職種によってだいぶ違うのかもしれません。ただ、自分自身やまわりの人の意見を聞くと、もちろん、会って話をするのがいちばんですが、テレワークの中で体験した「オンラインでの意見交換やコミュニケーション」は、意外に成り立つという実感をもっている人は多くなっているように思いますし、「家族との時間が増えた」ということに幸せを感じている人も、増えているような気がします。
 生産性の問題やお互いの仕事内容の把握など、いろんな課題を含んでいるテレワークですが、きっと、ここからいろんな解決策が生まれ、もっと加速してくような気がします。

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2020 年 06 月 02 日 09:53

「ピンチはチャンス」は本当か?

 昔から、「ピンチはチャンスだ」という言葉があります。「こんなのは、モチベーションを高めるだけの精神論ではないか?ピンチはやっぱりピンチだよ」という人もいるかもしれません。私も昔はそう思っていた一人です。
今回の緊急事態宣言の影響で、商品やサービスが売れなくなると、いつか景気が良くなり、元に戻るだろう、今は我慢しようという気分になります。ただ、いつか景気が良くなるだろうと環境変化をあてにしていると、そうならない時に不満や不安が増してきます。「もっと政府が補助してくれたらいいのに」「対策が遅い」という感情が生まれるのは、こんな時からもしれません。私は、これがピンチはピンチだと思っている人だと思います。

 しかし、このコロナ禍で、この逆境でやれることはないかと考える人もいます。景気回復を待つのではなく、自分達で新しい商品を生み出している企業や、この状況変化を機会に新しいスタンダードを作りあげていこうという企業はたくさん見受けられました。
「ピンチをチャンスにしよう」という積極的な発想は、失敗もついてくるので、我慢する、静観していることより確かにリスクが高い。最終的にどちらがうまく行くかはわからないのですが、私は、もし失敗をしたとしても、後者の企業の方が、たくさんの経験を蓄積できるので、その後が少し強くなっている気がします。

 また、個人的な視点で考えてみても、ピンチをチャンスにしようと思っている時は、人間の脳も鍛えられるのではないでしょうか。今回、夏に向けて通気性のいいマスクが続々と登場していますが、ニーズの変化は新しい需要も生み出すのも確か。例えば、今後、家にマスクを忘れてきたり、予備をもっていない人のために、自販機でマスクが販売されるかも。さらに、美容にいいマスク、日焼けむらがなくなるマスク、自動着脱式のマスク、マスクしながら食事ができるマスク(笑)など、様々な不満が解消されたマスクも出てきそうです。マスクだけでもいろんな想像が生まれます。

 これは、自分自身の体験ですが、困っていることに目を向けて、解決策を考えていくときは、脳が気持ちよくなっています。その間は、前向きな気分になります。前向きな気分になると、失敗が怖くなくなります。そうすると「やってみよう」という気持ちになり、行動が生まれます。今まで動いていなかった脳細胞が活性化していくような気がします。ブレーンストーミングの発散時期のワクワク感は、人間の本能に会っているからなのではないでしょうか。

 ピンチはチャンスは本当か?まだ精神論の世界かもしれませんが、そう考えていくほうが気分がよくなるのは間違いありません。
コロナ時にどう動いたか、その後どうなったかが、いつか科学的に検証されれば、面白いですね。

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2020 年 05 月 26 日 17:29

背中を押された挑戦、本物の挑戦

 いよいよ緊急事態宣言が全国で解除になりましたね。
 すぐに元の状態に戻ることはないと思いますが、これまでのことを考えると、少し前向きな気持ちになります。不安もたくさんありますが、ここから、それぞれの世界で新しいことに挑戦して回復させていくしかありません。

 「挑戦」というと、私は、この自粛期間の中で、改めて挑戦の意味を考えることができました。もちろん前から挑戦していくことは大事だということは頭でわかっていました。しかし、その中身はまだまだでした。

 この間、私が挑戦を通して気づいたことを書いてみます。

 緊急事態宣言が発令されてから、私たちのメインの仕事である映像制作やセミナーなどほとんどの仕事がストップしました。社員の働く場所も全員が自宅になり、ミーティングも集まってできなくなりました。皆さんの会社も同じだと思いますが、この事態をどう打開していくのかと、みんなで話し合っていく中で、いろんな挑戦が始まりました。

 テレワーク中の朝礼をどうしようかというところから始まって、この状況を打開するために何をしていくかという会議をオンラインで続け、新しい仕事を生み出してきました。同時に、仕事が少ないこんな時だからこそ、「緊急でなく重要なことに時間を割くべきだ」という声があがり、勉強会や社員研修もやってきました。また、これまでのやってきたオフラインセミナーのオンライン化にも取り組んできましたし、新しいマーケティングの研究も進めてきました。今では時間が足りなくなるほど、いろんなプロジェクトが進んでいます。

 当初は急激に仕事ができなくなる状況に不安になる社員もいましたが、新しいことに挑戦することに慣れてくると、楽しくなるのか、意見やアイディアも生まれるようになり、マインド面でも変化が生まれきました。私自身も、みんなでああでもない、こうでもないと改善してきた創業の活気を思い出し、業績は厳しいままですが、なぜが楽しい日々を過ごすことができています。きっと皆さんの会社でも、こんな風に、随所に新しい挑戦が生まれていることと思います。

 しかし、冷静に考えると今回の様々な挑戦は、自分から起こしたものではありません。思いがけずやってきた変化の波に対応しているだけのこと。コロナに背中を押されているような挑戦は本物の挑戦ではありません。本当に挑戦している企業は、常に自分たちの理想に向かって挑戦を続けている企業だと思います。理想に向かって進化することを挑戦と呼ぶならば、そのことがおろそかになっていました。
 今回、コロナのおかげで生まれた挑戦を、ここからは、本物の挑戦に変えていこうと思います。

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2020 年 05 月 19 日 10:31

新しい感覚の新しい世界

 一部を除き、緊急事態宣言が解除されました。長い間の自粛を経てのお店を再開。緊張と共に少しホッとされたことと思います。ここから新しい世界。様変わりしたお客様のニーズに対応する新しい時代がスタートします。
 私自身も、このコロナの経験で、いろんな感覚が変わりました。衛生に対する意識や行動は変わりましたし、働く場所や働き方、WEBコミュニケーションに対する感覚も変わりました。逆に人に会いたいという感情も高まっていますし、外で活動することが待ち遠しくなっています。
 しかし、私がいちばん変わったと思うのは、多くの人が「人のために」と考えるようになったことではないでしょうか。助け合いの輪は、東日本大震災の時も生まれましたが、今回は全員が人に対して優しくなっているような気がします。他者を思いやる気持ちが高まっている気がします。
 実際には調査をしてみないとわからないところですが、どのような商売にしても、こうしたお客様の心の変化に対応していかないとお客様が来ていただけなくなるはずです。
 例えば、優しさに敏感になっている時に、人に対して優しくない行動をしていると、もう行きたくなくなります。また、もし、感染対策がいい加減だと、そのお店は思いやりがない店じゃないかと思ってしまいます。

 顧客満足の基本は、「自分がお客様だったら、どうされたら嬉しいか」。お客様の立場になって考えてみることでしたが、今こそ、お客様の気持ちになって、新しい感覚を大事にしながら、今のあり方を見直していかないといけないのかもしれません。
 皆さんは新しい世界で、何を変えていきますか?

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2020 年 05 月 12 日 16:34

恩返しの経済循環

まだまだ、どうなるかわかりませんが、だんだんと営業再開の方向が見えてきたように思います。
自粛の気分やテレワークは常態化するでしょうから、最初から以前のような状況には戻らないと思いますが、お客様をお迎えする準備を始められる会社も多いのではないでしょうか?

長い間の自粛期間を経て、再開を待っていたお客様をどんな風にお迎えするか。再開後、真っ先に足を運んでくれるお客様は、あなたのお店が大好きでうずうずされていたファンに違いありません。そんなお客様に「待っていたよ」などと言われたら、スタッフの皆さんも嬉しいはず。お客様のありがたさに気づくこと人も多いのではないでしょうか。
しかし、飲食店や旅館業など一部の業界の経営者にとっては、この間の資金繰りは地獄のような日々だったはず。減り続ける資金を見ながら絶望を感じておられる方も多いと思います。そんな時に、こんな楽観的なことを言っていると怒られそうな気がしますが、今回の客離れはお店が嫌いになって離れた客離れではない訳ですから、あなたのお店が大事にされてきたお客様はすぐに戻ってこられるはず。お客様にとって必要なお店だったら、つぶれてほしくないはずです。
私自身も、今までいろんな飲食店やホテルを利用させていただき、助けられたり、いろんな思い出をいただいてきましたので、知っているお店が苦境に立たれていることを聞くにつれ、少しでも恩返しをしていきたい気持ちになっています。

誰でも売り手であり消費者であるならば、みんなが顧客として満足させていただいたことへの恩返しをしていけば、経済は循環していくのではないでしょうか。たくさんの費用を落とさなくても、人が来るだけで活気が出るのがお店です。国の支援も大事だと思いますが、「助け合う世の中」にすることが、経済回復のいちばんの特効薬だと思います。

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2020 年 05 月 07 日 17:18

危機の中で試される企業の姿勢

緊急事態宣言の延長が発表されました。やむを得ないとはわかりながらも、いつまで続くのかという出口が見えないことへの不安は誰もが感じていることだと思います。ただ、例え緊急事態宣言が解除されたとしても以前のような状態に戻ることはなく、皆さんが仰っているように私たちはウィルスの危機を抱えながら経済活動をしていく新しいステージで生きていくことになるはずです。

ただ、人類が初めて経験する時代になるのは間違いなく、誰も正解を持っていません。専門家の意見を聞いたりするのは大事なことだと思いますが、やはり、そうした情報も参考にしながら、自分で試し、失敗もしながら、手探りしながら自分の手で新しい道を切り開いていくしかないと感じています。
先日、あるホテル業の経営者が、これから先は県外をまたいでの移動が少なくなるだろうと、安全を確保しながらも、県内のお客様が日常の疲れをいやす場所をつくっていこうと話をされていました。自粛で疲れた人たちが羽を伸ばしたいという気持ちは確かにあるはず。これも実際にはやってみなければわからないのだと思いますが、こうした新しいニーズはどの業界にもあるのでしょう。

こうしたニーズをどう掴んでいくのか。私は、これまで今までいろんな業界の成功企業を見てきましたが、そうした企業の経営者の視点は「どうすれば儲かるか?」という発想ではなく、つねに「どうすればもっとお客様の役に立てるのか?」と発想される方ばかりでした。前者が、うまくいくと予測されること、他社がやって儲かっていることにフォーカスするとしたら、成功されている経営者は、どんな時もお客様の気持ちに寄り添い、何とかして助けてあげたいと思って知恵を練り行動されています。自分がやらなければという使命感に燃え、儲かるとか儲からないとかの前に、何とか役に立とうという思いが満ち溢れています。
上手くいくことや儲かることを探してやるのですから、短期的には前者がうまく行きそうに見えますが、不思議なことに、どの業界でも最後はいつも後者の企業がお客様の支持を集め、長期的に発展しています。直感ですが、この原則は、どんな時代になったとしても変わらないのではないでしょうか?
もちろん、危機的状況においては、短期的にすぐに儲かる道を探すのは経営者として大事なことだと思います。ただ、どんな時も顧客は企業の姿勢を見ています。どこまでお客様を大切にできるか?これからの時代は益々企業の姿勢も大きな「購入理由」になるような気がします。

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2020 年 04 月 28 日 10:00

コロナに負けないために大事な5つのこと

先日、Facebookでコロナウィルスに関するこんなポスターがあることを知りました。
無料でダウンロードできるもので、私たちも、早速打ち出して社内に張らせていただきました。
以下がその内容です。
**************************************
【コロナウィルスに負けない大事な5つのこと】
1. Stay Healthy(体力・免疫力を保とう)
2. Stay Positive(ポジティブな気分でいよう)
3. Stay Connected(つながりを保とう)
4. Stay Thankful(感謝の気持ちを忘れずに)
5. Stay Focused(大事なことは考え続けよう)
※ポスターは、こちからからダウンロードできます。
https://www.es-inc.jp/insight/2020/ist_id010284.html
**************************************
コロナウィルスのいちばんの対策は接触を減らすことということで、「家にいよう」という呼びかけに皆さんが行動されています。
もちろん、この行動がいちばん大事なのだと思いますが、同時に「心」の対策も大事な気がしていたところに、このポスターに出会いました。

人間は不安が大きくなるとなかなか前向きな気持ちになれません。2番を意識することの大切さを痛感しています。また、テレワークが続いていくと、一人暮らしの人などは、本当に孤独になります。在宅期間が続いていくと3番の大事さもだんだんわかってきました。
そして、4番。感謝の気持ちを忘れないということは、今、いちばん大切なことのような気がします。医療関係者の方への感謝も忘れてはいけませんが、事業を継続せよと言われているスーパーや宅配、インフラを支える人たちも、感染リスクの中で頑張ってくださっています。感謝は社会の潤滑油。「心」まで感染しないようにしたいものですね。
ブロックス社員も、テレワークでみんながバラバラに働いています。今、それぞれの会社がZOOMを使って会議をしたりしていますが、やはり、合わないことでみんな不安が大きくなっているように感じます。こんな時だからこそ、心を元気にしていきたいですね。

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2020 年 04 月 21 日 09:37

ぶれないリーダー

 先週は、緊急事態宣言が全国に広がり、対応に追われている会社も多かったのではないでしょうか。こうした危機になって、経営者などトップのあり方が問われています。この間、いろんな経営者の皆さんと話をしましたが、不安はあったとしても、やはりトップがどっしりと構えておかないとみんなが不安になってしまうのだろうと思います。ここ数か月、経験したことがない困難な状況ばかり起こっていますが、その時に何を軸に判断していくか。やはり、それは経営理念だと思います。どっしり構えられているリーダーはこの軸がぶれていません。普段から社員を大切にすると言い続けている人は、真っ先にそれを実行されていました。世の中の為に役立つことを使命感にしているリーダーは、自分のことよりも困っている人を助けることに全力を尽くしておられました。しかし、こうしたリーダーのいる会社は、普段から理念を実践されている訳ですから、リーダーに言われなくても、社員が「この危機をみんなで乗り越えていこう」という気持ちになっているのでしょう。 そう考えるとやはりぶれない軸を持って経営を続けてこられた企業は強いですね。  このような危機になると、どうしても「目先」の解決策に目が行きがちになりますが、目先のことに振り回されているだけでは、その後がうまくいくような気がしません。  せっかく与えられた時間に私たちは何をしていくか。私たち一人ひとりに問われています。

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2020 年 04 月 14 日 10:32

「思いやりのチカラ」 新しい動画を作りました!

緊急事態宣言で外出禁止となり、ご自宅で仕事をされている方も多いと思います。同時に、どうしても仕事に行かなくてはならず、不安の中でお仕事をされている方もおられるのではないでしょうか。 特に、自分が感染するかもしれない恐怖と闘いながらも出勤している医療関係者の皆さま、コロナ対策の最前線におられる行政職員の皆さまには心より感謝申し上げます。 さて、この度ブロックスでは、この時期に少しでも皆さまのチカラになりたいと、ひとつの動画を制作いたしました。 タイトルは「思いやりのチカラ」。 3分弱の短い映像ですが、ぜひご覧いただければ幸いです。 https://www.facebook.com/blocksdoit/videos/253884905744631/

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2020 年 04 月 06 日 15:15

刃を研ぐ

 毎回、毎回のメルマガでコロナのことばかり書いている気がしますが、こんな時にこそ、私たちがやれることをやっていこうと、いろんなことを計画しています。
 スティーブン・R・コヴィー博士のベストセラー「7つの習慣」の中で「刃を研ぐ」という文章がありますが、まさに今やることのひとつは、自分や会社における刃を研ぐ時間ではないでしょうか。

 本の中で「刃を研ぐ」とは、こんな文章で紹介されています。

~書籍『7つの習慣』432ページより~
森の中で木を倒そうと、一生懸命ノコギリをひいているきこりに出会ったとしよう。
「何をしているんですか」とあなたは訊く。
すると「見れば分かるだろう」と、無愛想な返事が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」
「すごく疲れているようですが...。いつからやっているんですか」あなたは大声で尋ねる。
「かれこれもう五時間だ。くたくださ。大変な作業だよ」
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか。そうすれば仕事がもっと早く片付くと思いますけど」あなたはアドバイスをする。
「刃を研いでいる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ」と強く言い返す。

 忙しくてなかなかできなかったこと、やるべきだと思っていても先送りしていたこと、ノコギリの刃が摩耗しているのをわかっていながら、なかなか手を付けられなかったことをする。それがまさに今、この時なのかもしれません。このコロナ渦が収まってから、切れ味が増したノコギリでロケットスタートしていくために、何をしていきますか?

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2020 年 03 月 31 日 10:11

「誰も体験したことがない世界」の歩き方

 世界的に新型コロナウィルスの拡大が広がり、日本も拡大の瀬戸際と言われています。ここが踏ん張り時ということで、土日をご自宅にこもっておられた方も多いのではないでしょうか。正月がスタートした頃は、こんな状況になるとは誰も想像していませんでした。ただ、ここまで来たら、これ以上悪くならないようにするために、一人一人が節度ある行動をしていくしかないですね。

 誰も体験したことがないこの状況。正解はだれにもわからない。何が良い方法かどうかは試してみないとわからないので、世界各国でもいろんな挑戦がスタートしています。ある程度の科学的根拠に基づいているとはいえ、実際は「やってみないとわからない」のが現状ではないでしょうか。

 ただ、この「誰も体験したことがない世界」は、これからの「あたりまえ」になっていくようにも思います。例えば数年後にはAIが世の中にあたりまえになり、十数年後には3人に1人が高齢者となる社会。こんな世界は誰も経験したことがありません。もしかすると、もっと大きな災害や疫病がやってくるかもしれません。
 これからも、こうした「誰も体験したことがない世界」が待ち受けているのだとすると、「どうしたらいいか?」と人に聞いても意味がないのでしょう。自分達で切り開いていくしかありません。早くに気持ちを切り替えて、自分達から「誰も体験したことがない世界」での生き方に慣れていくのがよさそうな気がします。

 正解がない、誰も知らないとすると、正解がわかるまでやってみる。テレワークも時差通勤も外出規制やってみると良さも悪さがわかってきましたが、PDCAのP(計画)の段階で止まってしまうより、DO(行動)を先にして結果を見て修正する。こうやって、少しずつトライしながら改善していくのが、この世界のスタンダードな歩き方になるのでは?

 もしかすると、終戦直後も、こんな状況だったのかもしれませんね。その時の経営者の生き様を本で読むことができますが、まさに最初の一歩は上手くいくという算段より、経営者の「直感」ばかり。チャレンジして、失敗を重ねながらも、素晴らしい理念を持って続けてきた人が成果を上げられてきています。「誰も体験したことがない世界」を生き抜く「方法」はわからないかもしれませんが、わからない道の歩き方の「精神」には、先人をお手本にできるのではないでしょうか。

 コロナから数か月。私の周りにも、もうこの状況を受け入れて「だったらこうしよう」と変化に向かっている人たちが出始めています。私も、「失敗してもいいじゃないか」という前向きさ、おおらかさ。この気持ちを大切にしていきたいなと思います。

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2020 年 03 月 25 日 10:43

できることをやろう!

 コロナ渦でイベントや外出が自粛になり、先行きが見えない不安もあって、気がめいっている方も多いことと思います。こんな時に前向きな気持ちになるというのは難しいかもしれませんが、それぞれが「できることをやろう」と動き出されている方も増えてきました。  そのひとつが、私も親しくさせていただいている「顧客ロイヤルティ協会」さんの活動です。顧客ロイヤルティ協会さんは、顧客満足を日本に広められた佐藤知恭先生の意志を受け継ぎ、社会に顧客ロイヤルティの考え方を普及させておられるNPO法人です。今回、その顧客ロイヤルティ協会さんが、少しでも皆さんのお役に立てればということで、「顧客ロイヤルティ講座」のWEB動画を無料公開されています。 時間が余ってしまったり、研修がキャンセルになった時など、ぜひ学んでみてください。 http://www.customer-loyalty.jp/  もうひとつ、以前もご紹介させていただきましたが、スポーツ分野のみならず、ビジネスの世界にも「ご機嫌な心」を拡げてこられているスポーツドクターの辻秀一さんが、一流アスリートのご機嫌メッセージを発信されています。この時期、自宅にこもりがちな学生や若者や不機嫌になりがちなビジネスマンに向けて、前向きな心になるためのメッセージ。ぜひご覧ください。  このほかにもいろんな方が「やれること」をやりだしておられます。景気は「気」ですから、前向きな心の渦を回していけば、きっとこのマイナスな状況や機運も乗り越えることができるのではないでしょうか。 私たちも、できることやっていこうと思います。

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2020 年 03 月 18 日 09:56

「あるべき姿」を言うことより大切なこと

 新型コロナのことで不安な日々を過ごしている方が多いのではないでしょうか。イベント関係、飲食、ホテル、旅行業などの方は大きな打撃を受けておられ、切実な声が聞こえてきます。東日本大震災の時もそうでしたが、こうした時こそ、助け合いの精神を発揮していくのが日本の素晴らしさ。みんなが東北の商品を購入したように、私もできるだけ困っている業界や地域の人たちの商品やサービスを購入し少しでも経済を回していきたいと思います。

 さて、先日、ある会社で顧客満足調査の結果、悪い結果がでてしまった拠点の人たちへの研修をお手伝いする機会がありました。こうしたテーマですから、参加する人たちもいい気分ではありません。最初はとても暗い雰囲気でした。悪い結果を出そうと思って仕事をしている人は一人もいません。悪いと責めても何もいいことはありませんので、参加者同士で話し合っていただくことしました。そもそもなぜ今顧客満足を高めることが大切なのか、どうすれば満足を高めることができるのか?こんな問いを話してもらうと、たいていの方が正しい答えを知っておられます。問題はなぜ、知っていることを実行しないか。そんなことも話し合っていただくと、次第に自分でやるべきことを見つけられ、明るい表情になっていかれました。

 この研修を通して私もいろんなことを考えさせられました。顧客満足を高める行動の指標(あるべき姿)をつくり、それが現場で実行できているかどうかを調査して評価する。この方法で確かに全体の意識は高まっていくのだろうと思います。しかし、何年もこれをしていると、現場の人たちはその「行動」をすることだけに意識が行ってしまい「顧客満足=それさえやっていればいい」となってしまいます。本当に大切なのは「お客様を大切にする心」であるはずなのに、「行動」ばかりに目が向くから、あるべき姿を実行することが「やらされ感」になってしまっているのではないでしょうか。
 参加者は対話を通してそのことに気づかれたようです。そもそもサービス業の現場にいる人は、お客様を大切にすることに共感されている方ばかりですから、昔の気持ちを思い出され、モチベーションが勝手にあがっていくようです。

 「あるべき行動」を明確にするのは大事。しかし、あまりそればかりを言いすぎると「目的」が忘れられる。やはり、人の心の奥にある「そうしたい」という気持ちに光をあてて、主体的行動が生まれるようにするほうが結果として「あるべき行動」をしていきそうです。セミナーなどでよく大久保寛司さんが「あるべき姿を言うことが仕事ではなく、あるべき姿を実現するのが仕事」だと仰っておられますが、まさにそんな感じがします。

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2020 年 03 月 09 日 18:07

日本人のDNA

 新型コロナウィルスへの対策で、弊社のセミナーも中止、一部延期にさせていただきました。せっかく楽しみにされていた皆さまには大変申し訳ございません。改めて再開の日程をお知らせ致します。

 先週も「不安」の心理について書きましたが、この一週間でも不安の輪がどんどんと広がってしまったようです。その中で、ある薬局の店員さんが「コロナより人間が怖い」とSNSに投稿されている記事を見ました。品切れになっているマスクやトイレットペーパーが「いつ入荷するんだ」、「なぜ入らないんだ」と毎日のようにお客様に怒られるので、店頭に立つのが怖くなってしまったというものです。この記事を読んで、本当に悲しくなってしまいました。

 私は、東日本大震災の時に出張で山形にいました。セミナー開催中の会場で被災し、しばらく山形から出られませんでした。今思えば比較的被害が少なかった山形でしたが、当時は不安でいっぱい。しかし、その中で何度も感動したことがありました。宿泊したホテルではロビーに帰宅困難者を受け入れて毛布を配ったり、暗闇のコンビニでは、長い行列のお客様に手作業の販売を続ける店員さんなどに出会いました。大変な状況の中で日本人の素晴らしさを体験したことがあります。それが、今回のコロナウィルスの騒動では、人間の嫌な部分も見えてきてしまいました。

 しかし、私は多くの日本人のベースには「思いやり」の心があると信じています。みんなが苦しい時こそ、他人を思いやり、みんなで支え合っていく精神は心の中にあって、きっと不安に心が囚われすぎて見えていないだけなのだと思います。理想論かもしれませんが、こんな時こそ、人に優しく。自分が少し損をしても、人が喜んでくれたり、助かったと言ってくれるようなことをお互いがし合えば、少しは不安の渦から抜け出せるのではないかと思っています。

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2020 年 03 月 03 日 15:17

こんな時こそ

新型コロナウィルスの感染拡大で様々なところに影響が出ています。
治療法どころか検査手段もまだ確立していない状況で、毎日のように新聞やテレビで感染者数が報道されると、誰もが不安になってしまいます。
そもそも、なぜ人は不安になるのでしょうか?調べてみると、「不安」という感情は、弱い生き物であった人類が自分の命を守るために、未来を予測し、危険を回避するために磨き上げてきた予知能力のようなものなので、抑えようにもなかなか抑えにくい感情なのだそうです。
つまり、不安になる気持ちは人間として大事なことなので無理に抑える必要はないのかもしれませんが、「不安にとりつかれる」という状況は、少し行き過ぎかもしれません。
不安になりすぎると物事に集中できなくなります。集中できないとミスが起こります。ミスを起こしてしまうと、焦ったり、イライラしたり、普段以上に余計なエネルギーを使ってしまいそうです。
不安は大事な感情ではありますが、とりつかれるようになってしまっては、良いことは生まれないように思います。

誰もが不安になる。でも、だからこそ、「こんな時こそ」と不安モードから、自分のスイッチを切り替えていく必要があるのかもしれません。
こんな時こそ、冷静に。
こんな時こそ、普段通りに。
こんな時こそ、感謝する。
こんな時こそ、知恵を出す。
これまでも日本人は、いろんな災害に立ち向かってきましたが、そんな現場で聞かれたのは、そんな言葉でした。
今、自分がやるべきことは何か。そこに集中する。
頭ではわかっても、なかなか難しいですね。でも、不安になりすぎて、日本中がパニックになることだけは避けたいですよね。

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2020 年 02 月 26 日 10:48

会社オリジナルの動画を活用しませんか?

お客様と企業、社員と企業など、双方のコミュニケーションが重要になるにつれ、企業の中で動画がますます注目されています。
YouTubeに代表されるように、「動画」が社会で普通に使われるようになってきている現在、会社の中で使われる動画制作も変化しています。
今回は、動画が企業の中でどのような場面で使われ、どんな変化が起きているかをご紹介します。

【採用PR動画】
パンフレットでは伝わらない臨場感があり、求職者はやはり動画がある会社に興味を持つ傾向にあるようです。内容も、事業を紹介するものから、会社の雰囲気を伝えるもの、あるいは、先輩社員の一日を紹介し、実際に働く姿をイメージしてもらうドキュメンタリーなど多岐に渡っています。理念に共感する人材を集めるためにも、何をメッセージするかが大事です。

【マニュアル動画】
身だしなみやルール、規則、接客方法・・・チェーン店などでは新人バイトに早期に基礎を教えなくてはならず、以前からマニュアル動画が活用されてきましたが、動画があれば確実に社員教育の効率があがります。しかし、顧客満足が重要視されてくる時代には、マニュアル一辺倒の教育だけでは足りません。感動を通して、働く人のマインドを高める動画も増えてきています。

【事例紹介動画】
ブロックスのDOIT!や志GOTO人のように、成功事例を紹介する分野の動画です。社内の好事例を紹介することで、他の人たちが真似しやすくなります。パワーポイントなどでの紹介では、具体的な部分が伝わりにくいのですが、ドキュメンタリー形式で紹介することで、ノウハウだけでなく、その奥にある思いや考え方まで伝わるので、「やってみよう」という気持ちが生まれやすくなります。

【経営理念伝達用動画】
分業化が進むと、社員は「自分の仕事がどのように社会に役立っているのか」がわかりにくくなり、やりがいを失ってしまいます。そこで今、多くの企業が取り組んでいるのが「経営理念・ビジョン・バリュー」などを社員に共有する理念浸透です。ここでも、動画を制作し、わかりやすく伝えることで成果を上げる会社もあります。社員の採用場面でも活用できるこの動画は、今、いちばん注目されています。

【商品・サービス紹介動画】
お客様向けのPR動画も、様々な形で作られています。SNSにアップする、店頭で上映する、訪問時に見せるなど、使い方も多種多様。カタログやパンフレットでは伝わらないものが動画なら瞬時に伝わります。また商品の活用法やお手入れ法なども動画にすることで顧客満足が高まります。

(映像制作会社の選び方)
今、動画は誰でもが簡単につくれる時代になってきましたが、端的にわかやすく紹介する技術や視聴者を惹きつける説得力はまだまだプロの領域でしょう。
大事な場面で使う映像はやはりプロに任せる方が安心だという企業も多いはず。しかし、一口にプロといってもそれぞれに得意分野があります。
企業映像への理解力や表現力には差がありますので、単に見積だけで決めるのではなく、実際に会ってみてから判断することをお薦めします。
顧客に寄り添い、幅広いアイディアを出してくれる会社を選んでください。

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2020 年 02 月 19 日 10:18

お店のファンになる瞬間

「ロイヤルカスタマー」という言葉があります。企業が提供する商品やサービスに忠誠心を持ち、継続購入をし、他社に流れない優良顧客のことを指す言葉ですが、長年ご利用いただく会社のファン、お店のファン、商品のファンというは、本当にありがたいものです。
「この商品が好き」と商品に愛着を持つファンは、商品を大切にされるでしょうし、その商品に対する知識も深くなるはずです。こんなお客様に特別な対応をしてあげればさらに喜んでくださるはずです。
一方、「このお店が好き」という人の場合は、そこで売られている商品はもちろん、そこで働くスタッフのサービスや人柄を気に入っているはずです。私が長く通っているお店を思い出しても、そこには必ず「私のことをよくわかっていてくれる人たち」がいます。だからこそ安心できますし、用事がなくても、つい、その人達に会いたくなって通ってしまいます。
もちろん、継続的に利用する人の中には、便利だから、近いから、安いからなどの理由で通い続けている人もいるでしょう。しかし、そうした理由であれば、もっと便利で、もっと近くて、もっと安いところがあれば、離れていってしまいます。継続的に購入し、なおかつ他社に離れないのが「ロイヤルカスタマー」だとすると、やはり昔から言われているように、最後は、人と人の関係性、絆を深めていくことがいちばん大事なのではないでしょうか。
しかし、どうすれば、店とお客様の間の「絆」は深まるのでしょうか?自分自身が「お店のファンになった時」のことを思い返してみると、お店の人が私の心に関心を持ってくれて、私以上に考えて行動してくれた時や、その気持ちが伝わってきた時に嬉しくなり、「好き」という気持ちが生まれていったように思います。それを何度か体験している間にいつの間にかファンになっていた。そんな感じです。
皆さんはいかがでしょうか。何れにしても「私(お客様)以上に私(お客様)のことを考えてくれる」という人の存在は、お客様にとって本当にありがたいもの。ロイヤルカスタマーづくりには、そうしたスタッフが不可欠なのだと思います。
「お客様に好きになってもらうには、お客様に関心を持つ、好きになる。」単純なことですが、これがいちばん大事なことかもしれませんね。

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2020 年 02 月 10 日 18:55

結果を出すために・・・

 今年はオリンピックイヤー。今、各競技で代表選考の激しい争いが行われています。
 選手の中には練習ではいい結果が残しているのに、本番になると緊張してしまい、結果が残せないと悩んでいる人もいます。「期待に応えなければ」「結果を出さなければ」と思えば思うほど、焦りや不安が生じ、いつものパフォーマンが発揮できない。強い目標意識を持たなければいけない反面、意識しすぎて結果を出せない。なかなか難しい問題です。
 そんな時に活躍するのがメンタルコーチ。「スラムダンクの勝利学」などの著書でお馴染みのスポーツドクターの辻秀一さんは、その分野の先駆者です。いろんなスポーツ選手を指導されてこられた方ですが、選手が結果を出そうとし過ぎるとやはり結果が出ないので、目の前のことに集中するなど、心をいい状態にする様々なスキルを指導されているそうです。

 ジネスの世界でも常に「結果」が求められます。しかし、結果ばかりを意識してしまうことで、焦ったり、イライラしたり、心が乱されることがあります。そうなるといい行動は生まれませんし、結果も出ません。
 私が20代の頃、営業として仕事をしていた会社では、会社の壁に営業成績グラフが掲示されていました。会社は社員を発奮させようという狙いだったと思いますが、私は人と比較され、追いつめられるような感覚になるそのグラフが嫌いでした。自分の成績が良くても悪くても、見るたびに嫌な思いをするので、私はグラフを見ないと決め、それから一切目を向けないようにしました。そうすると気持ちは落ち着き、営業に集中できるようになり、結果も良くなっていきました。
 しかし、中には、こうやって人と競い合う方が張り合いが出るという方もおられるでしょう。一概に悪いことではないのだと思います。しかし、結果を意識しすぎてパフォーマンスを出せないスポーツ選手のようになる人もいるように、モチベーションの問題は本当に難しいなと思います。
 先程ご紹介した辻秀一さんは、そうした選手には「今に集中する」ということをスキルとして指導されるそうですが、ビジネスの世界でも、継続的にいい成績を出している人は同じように目の前のことに全力を出している人のような気がします。ビジネスとスポーツは比べられるものではないですが、人の心は同じなのかもしれません。

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2020 年 02 月 03 日 15:54

働けることの幸せ

 DOIT!シリーズでも大人気の伊那食品工業。創業者の塚越寛さんは、斜陽産業であった寒天の製造業を少しづつ改革し、社員の幸福を追求しながら、理想の会社をつくられていきました。50年の間、一人もリストすることもなく、増収増益を続けておられます。

 そんな塚越さんの経営の原点は高校時代にあるということを伺ったことがあります。
 塚越さんは高校生だった17歳の時に結核を患い、入院を余儀なくされてしまったそうです。当時、結核は死の病と言われたほど大きな病気。入院は3年にも及び、高校を中退せざるをえなくなってしまいます。
 みんなが楽しく学生生活を送る姿を横目で見ながら、ずっと病室で療養する日々が続きます。哲学書や経営書を読み続けたそうです。

 しかし結核は治り、奇跡的に回復した塚越さんは、働こうと就職活動をするのですが、中卒の塚越さんを雇ってくれる会社がなかなか見つかりません。悔しい思いをしながら、なんとか製材業の会社に就職できました。この会社で塚越さんは本当に一生懸命働いたそうです。病気で過ごした日々を考えると、生きていること、働けることが嬉しくてしかたない。幸せを感じたと言われます。

 働きぶりや言動が経営者の目にとまり、その会社の関連会社で業績が悪化していた「伊那食品工業」の立て直しをするようにと抜擢されることになりました。塚越さんは、その時はまだ21歳。しかし、与えられたその仕事に感謝し、また、一生懸命に頑張られます。それから、伊那食品工業は業績を回復し、創業以来一度も赤字を出すことなく50年以上成長していくのです。

 あるインタビューで当時のことをこのように仰っています。
 「260人いた高校で私だけ。一番苦労していたから栄養失調で肺結核になった。みんな進学していくのになんで俺だけが中途で退学なのか。こんな不幸があるのかと、病院で入院している間も、歩いている人を見て“あの人たちは歩ける幸せなんて感じていない”と、そう思った。だから歩けるだけで幸せ。だったら働けるなんてもっと幸せ。健康で働けて、そんな幸せはないって、自分は思った。」
 健康で働けることが嬉しくてしかたない。「私は職業を変えようなんて思わないし、仕事を喜々としてやってきた」と仰っています。

 この話を伺って、塚越さんが幸せに対して人一倍こだわってこられ、社員の健康や幸せにこだわれる理由がわかります。しかし、本当に伊那食品工業の社員の人たちが「幸せ」を感じているのは、こういう社員を大切にしてくれる経営者がいてくれることや、福利厚生が充実していることだけではないように思います。
   塚越さんが自分自身で示されてきた「どんな状況であっても感謝を忘れず、置かれた場所で、一生懸命に働く姿」こそ、伊那食品工業の人たちの「幸せな働き方」の見本になったのではないでしょうか。
 「働けるだけでもありたい」。あふれるばかりの豊かさの中で、私たちはつい、忘れそうになりそうなことですが、ここが幸せの原点かもしれませんね。

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2020 年 01 月 29 日 09:31

「負荷」が成長をうながす

 筋肉を鍛える時は身体に負荷を与えていきますが、仕事で成長するためにも、やはり負荷が必要だと思います。「自分にできるだろうか?」「無理かもしれない」ということに挑戦していく中で、新しい能力が磨かれたり、視野が広がったりすることは、誰もが経験しているはずです。だからこそ、若いうちは無理をしてもいい、仕事を一生懸命した方がいい、苦労は買ってでもしなさいと年を取った人は言いたくなってします。

 しかし、最近はあまり無理をさせるとすぐに辞めてしまうからと、新人にあまり負荷を与えないようにする会社も多いと聞きます。それでも辞めずに続けてくれれば、だんだんと成長してってくれるのでしょうが、負荷がない仕事ばかりをしていると、筋肉は鍛えられませんし、視野も広がりません。結果、毎日が同じことの繰り返しになってしまい、仕事がつまらなくなります。成長の実感がないまま3年目を迎えるころに会社を辞めるということも多々あるようです。
 確かに、嫌なら辞めて違う会社にすぐに変われる時代ですから、ひとつの会社にずっといる必要はないのでしょうが、「仕事は3年目から」というように、私も経験から、3年を過ぎるころから見えてくるものが変わってきたり、自信がついて好きになっていくように感じていますので、3割の人が辞めてしまう今の現状は、少しもったいないですね。

 新入社員の時から3年間、どのように育成していくか。新人たちではなく、私たちに問われていることのように思います。厳しくするのではなく、若手が自ら自分で厳しい道、努力の道を進もうと思い、挑戦していくことがいちばんですが、それには、それを支える環境づくりが重要ではないでしょうか。例えば「失敗してもいいからやってみたら」と支えてくれる上司や仲間の存在、いきいきと働きチャレンジする先輩の後ろ姿など、新人が成長していく会社をみていると、やはり若い人たちの勇気が掻き立てられ、自然に未知の領域に踏み込んでみたいと思えるような環境づくりがいちばん大事なのではないでしょうか。

 私も若い人の価値観の違いに驚くことがありますが、それを頭ごなしに違うと言っても意味がありません。時代が違えば考え方も違うのは当然。お互いに違いを認めながらも、せっかく入社してくれた若い人たちが、成長し、幸せになってくれるように導いてあげたいものですね。

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2020 年 01 月 21 日 09:38

ホワイト企業大賞

 今年で6年目となる「ホワイト企業大賞」の授賞式が、昨日、東京で開催されました。私も初回から企画委員としてお手伝いをしておりますが、年々応募企業が増えてきて、この活動の広がりを感じています。「ブラック企業」ばかりが世間をにぎわす中で、社員の人たちが幸せを感じ、いきいきと働く企業をめざす会社を世の中に少しでも増やしていきたいというのが、ホワイト企業大賞の主旨です。  しかし、こうした経営には「これで100点」というゴールがありません。「賞」を獲ることが目的にならないように、あえて審査基準などを設けず「共に成長していこう」という姿勢を大事にし、委員も含めて「ホワイト企業とは何か」を探求し続けています。今年度も、たくさんの「ホワイト企業をめざす企業」の皆さんが、会場に集まられ、共に学びを深めました。  その中で、企画委員の一人である原田教育研究所の原田隆史さんが、「“目標”というのは目に見える世界。いつまで、どこまで、どれくらいというのが見える。“目的”は何の為に、誰の為にという見えない世界。ラグビーの日本代表は目的があったから活躍できた。これからは目に見えない世界が大事な時代だ」ということを仰っていましたが、まさにホワイト企業大賞は経営する目的や働く目的を考える場であると思います。事業で「いくら儲ける」という目標も大事ですが、それを実現するにも「何のためにやるのか」が決まっていないと力が出てこない。原田さんの言葉に私も共感します。 ぜひ、皆さんも応募を通して、ホワイト企業への道を歩んでみませんか? http://whitecompany.jp/whitecompany/6-1.html

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2020 年 01 月 15 日 09:26

逸脱する勇気

 業務の品質・レベルを一定に保つためには「マニュアル」が必要です。しかし、昔から叫ばれているように、行き過ぎるとそれが弊害になり、人の主体性や創意工夫の精神がなくなったり、臨機応援の柔軟な心が育たなくなってくることがあります。マニュアル通りにしなさい→マニュアルしかやってはいけない→マニュアル通りにやっているからいいのだと解釈されるようになると、想定外のことが少しでもおきると対応できなくなってしまいます。今まではこれでもなんとかなってきたのかもしれませんが、どんどんと世の中が変化し、「期待以上」が求められる時代においてはマニュアル通りではいい仕事ができません。
 しかし、子どもの頃から「言われた通りする」ということに慣れてきた人にとっては、マニュアルがなければ怖くてしかたないのかもしれません。最近の若い人たちがすぐに「どうすればいいか」と聞きにくるのも、これまでの教育がそうなっていたからで、今の時代、そう簡単にマニュアルをなくすという訳にはいきません。

 では、どうすれば自ら創意工夫をしたり、臨機応変に対応する心になっていくのでしょうか。
 和倉温泉の加賀屋さんでは、若い人たちに臨機応変な対応を教えていくときに先輩の役割が重要だと仰っていました。例えば先輩が若い人と働いていて、お客様にプラスアルファのことをしてさしあげるチャンスがあった時には、先輩が「やってみたら?」と後輩の背中を押してあげるのだそうです。一歩踏み出すことで喜んでいただけたことで、最初の怖さが取れ、だんだんと加賀屋流の「期待以上」のおもてなしが身についていくのだそうです。
 ディズニーランドさんも、先輩と後輩がよく「どうしてあげたらいいと思う?」と会話をしているそうです。最も大事な価値基準「SCSE」(安全、礼儀正しさ、ショー、効率)にそって、「その場合、どうすればいいか」を常に考えていくのがディズニーの教育。例えばお客様がジュースをこぼされた時に、「どんな姿勢で作業するのがいいか?」と問われ、「座ってしまうと視野が狭くって危ないかも」「立ったまま足で拭くほうがいいよね」と話し合っていくのだそうです。その他、感動を生み出したスタッフの行動をストーリーにして伝えるなど、常に「考える機会」を大切にされています。

 今の若い人は「マニュアル世代」だとよく言われますが、本当は逸脱する加減がわかなく、少し怖がっているだけなのかもしれません。しかしこうやって先輩と一緒に体験していくうちに、自分自身が考え行動することの面白さに気づいていくと、ふたが開いたようにやってくれるのでしょう。考えてみれば、ディズニーランドのアルバイトも、加賀屋の若い接客係さんも、スターバックスの店員さんも、同じ「マニュアル世代」。世代の問題ではなく、取り巻く側が「どう育てるか」ということが大事なのでしょうね。

 成功している会社から学べることは、やはり「踏み出す勇気」を持たせてあげること。「やってもいいんだ」、「失敗しても怒られないんだ」という安心感と少しの勇気を与えてあげるのが、先輩の役目なのではないでしょうか。そして、「マニュアル」はあくまでも「行動の目安」でしかなく、それに「囚われすぎるな」と言い続けると共に、根底にある「大切な精神」を伝えていくことが教える側に求められていると思います。

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2020 年 01 月 07 日 12:21

新年のごあいさつ

 いよいよ2020年がスタートしました。皆さま、あけましておめでとうございます。
 今年も「メルマガDOIT!」を、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今年はオリンピックイヤーです。昨年のラグビーワールドカップのイメージも記憶に新しく、今から日本代表の戦いぶりが楽しみです。しかし、2020年はそれ以上に激動の一年になることが予測されています。5Gもいよいよ始動します。働き方改革もさらに加速するでしょう。世界情勢も大きく変動するはず。そして、テクノロジーが劇的に進化し、これまでの価値観が大きく変わっていく時代になると言われています。
 確かに変化に対応することは大事です。その準備は怠らないようにしなければなりません。しかし、大きく変化する時代だからこそ、改めて大地に足を付けて「本質」を追求していくことが大切だと思っています。
 誰も正解を持っていない時代になり、ますます働く人のリーダーシップや人間力の重要性が高まっています。これは、これまで追求してきた私たちのテーマです。だからこそ、私たちの出番も増えていくと感じています。  本年も、このメールマガジンを始めとし、「DOIT!シリーズ」や「志GOTO人シリーズ」などのDVD教材、「日本を元気にするセミナー」などの経営セミナー、そしてお客様のご要望に合わせてご提案する「映像制作サービス」「研修サービス」などで、新しい風を起こしてまいります。
 2020年も、どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社ブロックス 代表取締役 西川敬一/ブロックス社員一同

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私たちが大切にしていること