TOP > 代表 西川の気まぐれ日記

2024 年 12 月 03 日 10:19

利益はお客様の喜びの影

 顧客満足・従業員満足・業績の関係について、いろいろな考え方がありますが、昔の経営者は共通して「利益は喜びの影」という考え方を大事にされていたと思います。
 ダスキンの創業者、鈴木精一氏は「損と得とあらば損の道をいく」と、お客様の喜びを優先することを信条とされておられました。松下幸之助氏も、「事業を通じて社会に貢献するという使命を遂行し、その報酬として社会から与えられるのが利益である」と、利益についての信念を明確にされています。
 ウォシュレットで有名なTOTOグループの初代社長、大倉和親氏はこんな言葉を残されています。
「どうしても親切が第一、良品の供給、需要家の満足が掴むべき実体で、その実体を握り得れば、結果として報酬という影が映る」
 お客様に喜んでいただくことこそが追い求める「実体」であり、その影が利益である。お客様の満足が増えれば影も自然と伸びる。影を追うのではなく、実体を追うことが大事だという決意のような思いを感じます。
 お客様の喜びの影が利益。
 では、顧客満足は何の影響で伸びるのでしょうか。顧客満足を生み出すのは従業員のやる気です。働く人がいきいきと働いていれば、結果としてお客様の満足は高まっていきます。顧客満足は従業員のやる気と共に伸びる「影」。とすれば、実体は「働く人の満足・喜び」といえるかもしれません。
 しかし、社員満足も何かの「影」かもしれません。実体は何なのでしょうか。様々な良い企業をみてきて私が感じるのは「働く人が幸せになる会社をめざす経営者の信念」が実体。人を大切にする経営者の愛情がその影を伸ばしているように感じています。人を大切にする思い、社員満足、顧客満足、利益。この順番で経営を考え、しっかりと回わしていくことが大事なことなのかもしれせん。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上 これからの時代の経営のあり方

2024 年 11 月 13 日 12:41

商売の「姿勢」と「ファン」

 人口が減少し、お客様が少なくなっていく時代の中で、「いつも通ってくれるファン客」「いつも応援してくださる常連客」という方の存在がますます大きくなっています。一度きりのお客様もありがたいですが、「ここが好き」、「この店でないと」というファンが日々の売上を支え、時には紹介までしてもらえる。厳しくなる時ほど、お客様の大切さを痛感します。
 しかし、こうしたお客様はお店の何が「好き」なのでしょうか。なぜファンとして通い続けてくれるのでしょうか。大事な何かがあるから通い続ける。もし、それを失えば大事なファンを失うことになります。

 その店が好きになる瞬間はちょっとしたことにあるのかもしれません。先日体験したことですが、休みの日に庭に植える樹木や花を買おうと、自宅から少し離れたガーデニングショップに行ってみました。その時のお店のスタッフの対応がとても感じがよく、帰り道に「また来よう」という気持ちになりました。
 樹木の他にも「寄せ植え」の花を購入したのですが、その時、お店の人がその中のひとつの花が元気がないと気づかれて「もしかれそうになったら、こちらをどうぞ」と新しい苗を用意してくれました。素人目はまったく問題のない寄せ植え。しかしプロからみると品質に問題ありと思われたのでしょう。クレームを言われた訳ではないのに、お店の方から商品のデメリットを伝え、しかも代替案まで用意する。「お客さんの立場にたった正直な商いをしよう」という姿勢を感じる対応でした。その人の姿勢が良かったのかもしれませんが、私はその背景にあるお店の姿勢を感じ、「またこの店で買おう」という気持ちになりました。

 お店のファンというのは、確かに商品やサービスの良さを評価してくれる人たちだと思いますが、それ以上に、その店や企業の「姿勢や志」に共感している人ではないしょうか。お店や商品、仕事の姿勢から伝わってくる「商売の姿勢」。そこに共感するからこそ、好きになり、ずっと応援しようとする。私の知人もあるスポーツチームのファンですが、勝っている時でも負けている時も応援にいきます。そのチームが一生懸命に試合に向かい、元気を与えてくれる存在だからだと言います。
 ネットの中でも「姿勢」は伝わるのかもしれませんが、やはり、企業の姿勢がいちばん伝わるのは、お店に立つ人、営業する人、サービスをする直接顧客と向き合う人の存在。正直である、一生懸命にやる姿、人への思いやり、誠実な心・・・そんな姿を人は応援するのかもしれません。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2024 年 10 月 23 日 17:08

共感・信頼される会社

 少子高齢化が進むローカルエリアの中にあって、地域のお客様に絶大の信頼を集めている会社があります。先日、その会社からそこに至る経緯や活動の転換点のお話を伺う機会がありました。

 その会社はサービス業で日々多くのお客様が来店されます。しかし、それだけでは収益が低いため来店されたお客様に関連商品を販売することで利益を上げるというビジネスモデルです。
 顧客が増えている時代はとにかく「売り込む」ことに注力されていました。スタッフにノルマを与え、来店されたお客様にセールスをする。しかし、顧客が減少していく時代になるとこのやり方が逆効果になってきました。顧客が減少し売れなくなる。さらに社員にプレッシャーをかける。この繰り返しで社員は疲弊して辞めてしまう。しかも、来る度に薦められるとお客様も嫌になり、どんどん離れていってしまう。

 このやり方ではダメだ。その経営者は商売の原点に立ち戻って考えられました。
 「自分達の使命は“商品を売ること”じゃない。本来の使命は、お客様に安心、安全を提供することだったのではないか」。ならば、売る前にやることがあるはずだと、商品を無理に進めることを辞め、お客様が使われている「商品」の点検やメンテナンスの活動をメインにする売り方に変えようと決意されました。自社で販売したものでなくても、お客様が今使われている商品を無料で点検する。耐久性や機能性が問題ないかどうかを確認し、「安心」を届けていく活動に専念することに。現場のリーダーもスタッフに数字のプレッシャーをかけることを辞め、「とにかくお客様に安心していただこう」と言い続けられました。

 その活動を続けていくと変化が起こってきました。まず、店頭でお客様からの「ありがとう」の言葉が増えてきました。点検後に「安心してお使いください」というだけで、決して売り込みをしない。使われている商品に何か問題個所を発見すればそれをお伝えし、「他で買われてもいいので、お気をつけて利用してください」という。こんな活動を続けていると、次第にお客様の方から、見積の依頼や買い替えの相談がくるようになってきたそうです。さらにクチコミで来店されるお客様も増え、落ち込んでいた販売数はみるみる回復していったそうです。また、今までは「どうやって売るか」と自分視点で考えていたスタッフが「どうすればお客様に役立てるか」というお客様視点で考えるようになる。自分達の仕事に誇りを感じるようになり、社員の「働きがい」も高まっていったと伺いました。

 地域のお客様が求めていたのは、気軽に相談に乗ってくれるお店。自分都合で売ろうとせず、自分達の立場になって考え、生活に寄り添ってくれる姿勢が嬉しくなり、ファンになっていったのではないでしょうか。
 確かに、自分達の利益優先の会社より、世の中のため、人のために貢献しようという。そんな会社に共感が生まれます。人口減少の時代の中で、働く人も、お客様も少なくなっていく時にこそ、「共感」や「信頼」が益々大事になっていくような気がします。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2024 年 08 月 20 日 10:31

売ってから始まるおつきあい

 先日、自宅のトイレが故障し、その会社に連絡をすると、休みの中でもすぐに駆け付けてくださって助かったことがありました。住宅でも車でも家電でも、使っていると故障したり、不具合が生じてきますが、その時に買ったお店がしっかり対応してくれると本当に助かります。「売った後」に責任をもってくれるお店や企業はやはり、信頼できます。時々様子を見に来てくれたり、手紙をくれたりすれば、なおさら。「次もその店で買おう」という気持ちになります。
 一流ブランドのバッグなども、高くても、何かあってもしっかり修理してくれるという安心感があるからこそ、買おうという気持ちになる。自分達の売ったものに誇りと責任を持っている企業ほど、アフターフォローに手を抜かないのかもしれません。
 東京都の町田市に、「でんかのヤマグチ」という小さな家電専門店があります。お店の周囲に大型量販店がひしめく環境にあって、この店は「多少高くても家電はヤマグチで買う」というファンをがっちりつかんで成長し続けているお店ですが、やはり、創業時から大切にしてこられたのが「アフターフォロー」です。どんなにお客様が買いたいといっても、無理に商圏は広げず、自分がしっかりとアフターフォローできる範囲に絞り、その中で、家電を販売した後に、様子を伺いに訪問したり、困ったことがあれば、電池一個でも届けにいく徹底ぶり。そんなこまめなアフターフォローが安心感になり、大型量販店がどれだけ安売りをしても、このお店のファンは離れていかないそうです。
 昔は、このお店のやり方を見て、「電池一個を届けるなんて不効率だ」「安さの方が大事だ」という声も多かったそうですが、その長い時間の無駄のおかげで強い「顧客エンゲージメント(絆、つながり)」が育まれています。今では安売りの量販店もアフターフォローに目を向ける時代。周囲の声に流されず、お客様の立場にたった商売を続けていくことの大切さを感じます。
 売ることが商売ではなく、売ってからが、お客様との本当のおつきあいのスタート。お客様の心の中に「次もこの店で」という気持ちが生まれるには、どんな商売においても、自分が販売した商品に責任を持という姿勢と行動がますます重要になっている気がします。

カテゴリー : いきいき働くための仕事の姿勢 お客様満足・感動の向上

2024 年 08 月 07 日 17:11

持続可能な顧客サービス

 一人の生活者として、いろいろなお店で「お客様サービス」を体験していますが、日本のサービスレベルは向上していることを実感します。SNS等で、お客様の評価が見えるようになったからなのでしょうが、以前なら、接客態度が悪い、商品の質が悪いと文句を言いたくなるようなお店もありましたが、どこを利用しても、不満を感じることが少なくなっているような気がします。  しかし、お客様にサービスを提供する従業員のマインド面で見た時に疑問を感じる部分があります。本当の意味でサービスは向上しているのでしょうか。人の顧客としてお店のサービスを体験してみると、「この店はいい、いいサービスだ」と感じるお店は、やはり、従業員がいきいきと働いています。サービスはしっかりしているのに、従業員がいきいきと働いていないお店と違って、そうしたお店では、従業員が声をかけてくれたり、ちょっとした気遣いをしてくれたり、顧客に楽しんでもらうことを、自分も楽しんでいる気がします。  お店で行うサービスにその人が心の底から楽しんでいるか、義務感でやらなければいけない仕事だと思ってやっているのか。  良いサービスを実現するのは人。日本のサービスはお客様に対しては向上しているのかもしれませんが、従業員のマインドは向上したのででしょうか。  お客様満足を高めるために従業員にサービスを義務付ける。マニュアルにして強制する。確かにそれでサービスは向上したとしても、働く人は楽しくはない。これでは、どんなにお客様が評価をつけようが、従業員が定着はしないし、長く続かないのではないでしょうか。義務的なCSとやらされていると感じる従業員。自由裁量の中での主体的なCSと、それを自分の喜びとする従業員。どちらが持続可能かは言うまでもなく、後者。やはりESの向上なくして持続可能な本当のサービスは生まれないように感じます。

カテゴリー : いきいき働くための仕事の姿勢 お客様満足・感動の向上

2024 年 07 月 31 日 12:10

手間をおしまない

 先日、顧客満足度の高いある住宅会社が行う、お客様に新築物件をお渡しする前の点検活動の様子を映像で拝見しました。お客様にとって人生でいちばん高い買い物。それを建てた責任として、不具合箇所がないか、床についた小さな傷も見逃さまいと、社員が這いつくばって点検をする。お客様に喜んでほしいと、丁寧に点検される姿にこの会社の姿勢が伝わってくるようでした。
 こうした手間ひまかける対応を見ていると、顧客満足度日本一のレクサス星が丘のお店のスタッフが、お客様に出すお茶を入れる際に、お茶を蒸らす時間を秒単位で決めたり、車の誘導の際に、運転席から案内が見やすい角度を研究し、マニュアル化されていることを思い出します。
 効率化、省力化と向かう世の中で、こうした手間はコストもかかり、逆行することなのかもしれませんが、やはり「手間」をかけることは、必ずお客様の満足につながっていく。飲食店における料理の仕込みもそうかもしれません。開店前の掃除やお店の飾り付けも同じかもしれません。手抜きの仕事に満足は生まれません。お客様のための「手間」は、きっと相手の心に伝わっていく。高い買い物ならなおさらです。
 ただ、私たちは仕事に慣れてくると、つい、手間を省こうとしたり、こなすように仕事をしてしまう時があります。慣れるということは良いことである一方、毎日同じことを繰り返していくと、つい、これまで一生懸命やっていたことが面倒になる。自分自身が飽きてしまう。「慣れ」や「飽き」から手抜きが始まります。しかし、お客様はそうした姿勢を見逃さない。せっかく買いものをしても、そこで流れ作業のような対応をされれば、きっと心の中で「もう、この店は来ない」と思われてしまうのではないでしょうか。 あのディズニーランドでは、こんな「慣れ」や「飽き」の気持ちを戒めるために、「毎日が初演」という言葉があるそうです。初めてステージに立つ時に感じた緊張感、全力でやりきろうとする姿勢、お客様に喜ばれた時の感動。確かに、初めての仕事は誰も手抜きをしませんし、手間をかけたことに喜びや手ごたえを感じるもの。ディズニーランドが40年にもわたって顧客を魅了するのは、こうした姿勢の積み重ねかもしれません。
 手間を大切にする。手間をおしまない。顧客にとっても働く人にとっても大切な姿勢のような気がします。

カテゴリー : いきいき働くための仕事の姿勢 お客様満足・感動の向上 素晴らしい組織風土づくり

2024 年 07 月 23 日 12:59

「ちょっとした心配り」と顧客満足

 買い物をしたり、サービスを利用する時、時々、そのお店の店員さんの思いがけない気配りや心配りに感動することがあります。自分のことを覚えていてくれた。手間のかかることなのに笑顔でやってくれた。困っている時に親切にしてくれた・・・。マニュアルを超えて店員さんの想いから行われる「ちょっとした心配り」。お店のスタッフとお客様の間で交わされる「ちょっとした顧客体験」について考えてみました。

 こんな体験は誰でも一度はあると思いますが、ある調査では、こうした「ちょっとした心配り」の体験を1人が1年間で体験する割合は14%だそうです。その調査では、この体験をすると「この店をもう一度利用したい」という再利用意向が、体験しなかった時と比べ47ポイントも上がるという結果が出ているそうです。また、こうした体験をすると「この店を人に薦めたい」という推奨度も28ポイントも向上するそうです。こうした調査は一部ですが、自分の実感としても、「ちょっとした心配り」が顧客満足向上やファンづくりの上で、大きな影響を与えていることがわかります。

 その調査にはありませんが、「ちょっとした心配り」は社員の側にも良い影響を与える気がします。「心配り」というのは、相手ことを考え、行動することですが、自分の行為がお客様の笑顔につながったとすれば、「された方」だけでなく「した方」も嬉しくなるはず。「店で決められたサービスを、決められた通りに行う」ことは確かに大事なことであっても、そればかりをやっていると働きがいを感じにくい。しかし、自分が考えて行うこと、そしてそれが誰かの喜びを生み出せることだとすれば、「やりがい」にもなります。「ちょっとした心配り」が増えていけば、顧客も、働く人も、企業にも良い影響が生まれてくるのではないでしょうか。

 しかし、考えてみれば、困っている人がいたら助ける。手を貸す・・・そんな「ちょっとした心配り」は日常生活の中で、社会人があたりまえに行うべきこと。仕事の場で気配りが出来ている人は、日常の場でも同じようにしているはずで、「ちょっとした心配り」は、ビジネスだからやる、顧客満足に有益だからやるというように考えて行うことではなく、人として「あたりまえなこと」を、仕事の場でも当たり前にやろうということなのかもしれません。相手も自分も嬉しくなること、決して損はありません。

カテゴリー : いきいき働くための仕事の姿勢 お客様満足・感動の向上

2024 年 04 月 30 日 15:44

売らないお店

 自社の商品を、お客様が欲しいと言われたら、その商品を販売するというのは当然です。しかし、必ずしもそうしないというお店もあります。
 以前、ある過疎化の進む田舎町の自動車整備のお店を取材させていただいたことがあります。その店の店主はご主人を亡くされ、その後を受け継いで経営をしているお婆さん。お婆さんが営業。息子が整備を担当する小さなお店です。しかし、何故か、その地域の中で、ナンバーワンの販売台数を誇るお店というので取材をさせていただきました。取材中も、地域のお客様が野菜を届けてくれるなど、その店が、いかに地域の人から信頼されているということがわかります。その日、たまたま、近所の若いご夫婦が買い替えの相談にやってこられました。新しい車を買いたいとお婆さんに相談されたのですが、そのお婆さんは売ろうとしません。「あなたたちはこれから、子育てでお金もいる。今の車はまだ乗れるのだから、買い替えをせず、乗り継いだらどうか」と言われました。自分の孫に話すように、その夫婦の立場になって親身になって考えてくれる姿を見て、私は、「地域ナンバーワンの理由は、これなんだ」と思いました。
 過疎化で人口が減少する田舎町。そこに新規客はほとんどいません。その中で、長期的に繁栄していくためには、信頼してくれるお客様がどれだけいるか。車の販売だけでなく、整備や保険、いろんなことに応えていくことで商売が成り立っていく商圏です。いちばんの財産は既存顧客です。昔、新聞の業界で、無理な勧誘が話題になりましたが、強引な販売で一時的な業績が上がったものの、逆に、信頼を失い、顧客が離れてしまったということがありましたが、この店の商売は、まさにその逆を行くようでした。
 どんなにお客様が欲しいと言っても、それでお客様が不幸せになるようなことでは商人として申し訳ない。地域には、このような親身なお店がまだまだたくさんありますが、信頼が大事になるこれからの時代には、こうしたお店の経営姿勢を、私たちは学ぶ必要があるのかもしれません。
 松下幸之助さんは、「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」という言葉を残しておられますが、この原則は昔も今も変わらない気がします。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2024 年 04 月 16 日 17:27

ファンを増やすには?

 どの企業にも常連客・固定客と呼ばれるような顧客がいます。
 そうしたお客様は、「あの店は良いね」と口コミや評判を生み出してくれるだけでなく、新しい顧客も紹介してくださる。ロイヤルカスタマーや生涯顧客など、いろいろな呼び方がありますが、お店のサービスや商品に思い入れがあり、ずっと通い続けてくれるようなお客様は、継続的に購入をしていただく以上に、「頑張れよ」と精神的にも支えとなる、まさに「応援団」。もし、商品やサービスが悪くなれば、「これじゃダメだ」と時には厳しいことも言ってくださるのも、こうしたお客様。こうしたファンに支えられるからこそ、お店や企業が継続できています。

 商道では、江戸時代から、お得意先、常連客を大切にせよと言われていますが、今後、日本中で加速する人口減少時代になればなるほど、こうした「ファン」が大事になる。ファンがたくさんいる店は、どんな時代になったとしても、輝き続けるような気がします。

 しかし、どうすればファンを作っていけるのか?と問われると、そう簡単に応えることはできません。
 そもそも、好きになるかどうかは相手が決めること。こちらが、どれだけ「ファンになってください」と頼んでも相手が好きになってくださらなければ、ファンは増えません。例えば、来店の度にスタンプを押す、割引をするというような仕掛けをしたら、ファンは増えるのかというと、多少好きになってくれるのかもしれませんが、「お得」というだけで、その店が好きになるというものではなさそうです。

 では、どうすればファンをつくれるのか。
 サッカーや野球、芸能には熱狂的なファンがいます。そんなファンを見ていると、そのチームが好きになるかどうかは、最後は感動をもらえるかどうかで決まるのではないかと思います。そのチームの選手が一生懸命にプレーし、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。その姿に感動し「好き」という感情が生まれる。高いパフォーマンスがファンをつくっていく要素のような気がします。
 飲食店でも同じかもしれません。その店は、いつもプロとして素晴らしい料理を出してくれる、素晴らしいサービスを提供してくれる。どんな商売でも、プロとして真剣に臨み、優れたパフォーマンスを出していくことがファンを生み出す原点にあるのではないでしょうか。
 販促や仕掛けなどでは、ファンはつくれない。ひたむきに真剣に商売に取り組むこと、お客様に感動してもらえる仕事をすることが究極のファンづくりだとすれば、ファンづくりに近道はなさそうです。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2024 年 01 月 23 日 09:39

誠実な仕事

 最近、いろいろなところで、不正や不祥事が明るみになっていますが、信頼していた企業が、何かをごまかしたり、隠し事をしていたということを知るとやはり大きなショックを受けます。
 「誠実である」ということは昔から大事なことでしたが、短期的に業績をあげることに追われてしまうと、ついその大切なことを忘れてしまうこともあるのかもしれません。「成果を出すためなら、多少のごまかしはしょうがない」。人間は弱いので、強いプレッシャーの中でついそんな思いを持ってしまうのはわかる気もします。「誰も見ていないから、ちょっとくらいいいか」と思ってしまうことは自分にもあります。
 ただ、人生においてもそうかもしれませんが、「誠実さ」は長期の成功には不可欠な要素。一度でも、ごまかしたり、嘘をつくと、そこで信頼がなくなり、長期的には成功できません。

 先日もそんな体験をしました。ある会社で保険の契約をした時のことです。この契約で良いのか悩んでいると、電話で対応してくださった人が「お客様ならこちらの方が良い」と、当初のプランより、安くなる方法を考えてくれました。会社の業績のことを考えると高いプランの方を勧めるのが正解だったのかもしれませんが、その人は常に私のことを優先して考えてくれ、その人やその会社に好意を持ちました。「次もお願いしよう」という気持ちになりました。誠実さはその場の業績につながらないのかもしれません。でも、確実にその人や企業への信頼にはつながり、少なくとも私は、将来も続けてこの会社を利用しようと思いました。

 「誠実さ」はその人の資質や人柄だと言われますが、私は、この人の対応から、その人だけでなく、その会社全体の誠実さを感じました。もし、この後で、なぜもっと高い商品を提案しないのかと追求されるような風土では、こんな対応はできないはず。こうした対応がよいという上司や先輩がいることもそうですが、きっとその人の上司が誠実な対応をしてこられたのだろうと思います。誠実な仕事が、文化になっているからこそ、そこにいる人が誠実な仕事をする。そう思うと「誠実さ」はその人が持って生まれた資質としてとらえることもできますが、磨き、伸ばしていける「能力」と考えて、企業全体で高めていこうとする方がよいのではないでしょうか。私たち企業に求められている「誠実さ」とは何か。わが身を振り返って考えてみようと思います。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2023 年 10 月 10 日 18:03

お客様に熱心な営業

 以前、ある方から、「熱心な営業」と「しつこい営業」は紙一重であるという話を聞いたことがあります。営業スタッフは、自分の商品に自信を持って顧客に紹介する。断られても、何度も何度もお客様のところに通い、熱い思いを持って商談をする。しかし、同じようにお客様に向かっていても、ある人は顧客から「しつこい営業だ」と嫌われてしまう。しかし、ある人は「熱心な営業だ」と好意を持たれる。この違いはどこにあるのでしょうか。
 お客様に「しつこい」と思われる人は、どうしても売りたい、自分の成果を上げたいと思う気持ちが強い人。しかし、同じ熱意を持っていたとしても、お客様のことを第一に考え、どうすれば喜んでくださるかという気持ちが強い人は「熱心だ」という評価になる。熱意の方向が自分の為か、相手の為かが違う。それが「熱心」と「しつこい」の差であり、やはり営業はお客様本位でなければならないというのが、その方のお話でした。

 しかし、営業は数字をあげてこないと評価されないという空気があり、つい結果を出すことに頭が働いてしまいます。熱心に訪問し、熱心に説明をする。その熱意は絶対に大事なことですが、「売りたい」という気持ちばかりだとお客様は嫌になってしまいます。その人の根底にある思いは、小さな差になって、相手に伝わってしまうものなのかもしれません。

 以前、私の会社を担当するある営業スタッフに、その人の業務範疇を超える悩みを話したところ、その解決に親身になって動いてくれました。商売にならないことなのに、親身になって考え行動してくれたことに私は感動し、それ以来、ずっとその人に依頼するようになりました。売ろう、売ろうとその人が一生懸命になっている時は、信頼できなかったのに、そんな小さなことから、信頼が生まれていきました。顧客は顧客に熱心な人から買いたくなる。そんなことを感じたことがあります。
 自分の数字に熱心な営業ではなく、お客様に熱心な営業。求められる営業も変わっていっているのかもしれません。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2023 年 05 月 23 日 11:44

苦情を伝えるお客様

 以前、ある顧客満足を学び合う勉強会で改めて「グッドマンの法則」について話し合ったことがあります。「グッドマンの法則」は、CS(顧客満足)の勉強をしていると必ず出てくる有名なクレームに対する法則です。グッドマン氏がまとめた2つの法則の中の第一の法則は「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品・サービスの再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客より高い」というもの。第二の法則は「苦情処理に不満を抱いた顧客の非好意的なクチコミの影響は、満足した顧客の好意的なクチコミに比較して2倍も強く影響を与える」というものです。

 その時の勉強会では、参加者同士で自分自身が体験した不満と苦情を申し出た体験を話し合ったのですが、消費者のリアルなクレーム体験が語られました。ある方は、ずっと利用していたカーディーラーで車の整備をされたのですが、修理に問題があり、それをお店に伝えに行ったのですが、責任逃れをするような対応をされたうえに、再修理も思うようにしてくれなかったそうです。こういうことはあるかもしれないとそこまでは、普通に聞いていたのですが、その後のお話を聞いて「苦情対応」の怖さを実感しました。

 その方は自分が信頼していたお店にぞんざいにされたことが、本当に辛い体験だったのでしょう。その後、何年間も、知人や家族の中で車の話題がでる度に、「〇〇は買わない方がいいよ」とそのメーカーの悪口を言っていたそうです。一人のお客様とはいえ、この「非好意的な口コミ」で何台かが「売れるチャンス」を逃し、継続的に利用されるようになったかもしれない未来のお客様を失っていると思うと、ぞっとします。
 確かに、失敗は誰でもするものなので、私は単にミスがあっただけでは怒ることはありませんが、そのことに対してごまかしたり、誠意がなかった時は、きっと同じような気持ちになるはず。もし誰かから相談があれば、「買わない方がいい」と言ってしまうかもしれません。

 グッドマンの第一の法則は、「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品・サービスの再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客より高い」ですが、もし、この時、このお店がお客様の気持ちにしっかりと向き合い、解決するまで真剣に対応していれば、不満が満足に変わり、その後もずっとお付き合いをしてくださったかもしれません。
 人間が商売をしている以上、ミスや行き違いは起こってしまうものだと思いますが、その時にどのような対応をするか。その対応ひとつで、その後の販売がマイナスにもプラスにもなっていくとすれば、いかにお客様の苦情から逃げず、誠意をもって対応していくことが大切かわかります。
 誠意ある対応をしてくれると、逆にその店の良さがわかり好きになることがあります。モンスター顧客がいる時代なので、なかなか難しいかもしれませんが、自分たちのミスを素直に謝り、顧客の心に真摯に向き合ってくれるお店はきっと信頼され続けていくような気がします。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2023 年 05 月 01 日 17:02

売らない営業

 昔の営業のイメージは「買わないお客様に、いかに買わせるか」というようなものがありましたが、今やそんなスタンスではお客様から嫌われるだけ。営業も大きく変わってきているように思います。
 先日、ある地方の小さな街にある自動車整備店を取材させていただいたのですが、そのお客様本位の営業が心に残りました。このお店は、少子高齢化が進む街の中で、整備だけでは商売が難しい、新車の販売もやっていこうと若い経営者が頑張っている個人商店です。ただ、近隣には大手ディーラーが立ち並び、新車販売といってもそう簡単ではありません。同じことをやっていてはダメだと思ったその経営者は、自分の体験やお客様の声をヒントに「無理に売らない店」になろうしました。ディーラーの営業の「売り込もう」とするプレッシャーがどうしても苦手だと思う人がいる。ディーラーを避けているお客様もいる。だったら無理な営業は絶対にしない。お話を聞き、商品をご提案するだけの営業。「決めてください」「買ってください」と迫るような営業を否定し「売らない営業」を続けてこられました。やってみると、同じ思いを持っているお客様が意外と多くいる。そのお店で買いたいというお客様がどんどん増えていったそうです。
 また、別の取材で、全国上位に入る保険セールスの方にお話を伺いました。この方の営業も「売らない営業」。お客様のお話を親身になって伺い、その人にあった情報をお伝えするだけ。「間に合っています」と断られても「それは良かったです」とニコニコとする。「安心をお届けすること」が私の仕事。だから、お客様が既に安心されていると仰るなら私も嬉しい。「断られた」という意識もないそうです。どこまで行ってもお客様本位。もし、お客様が「それを買う」と仰っても、プロとして必要がないと思えば「それは今契約されない方がいいですよ」とお話したり、「他社の保険の方が良い」と思えばそれを進める。お客様の応援団に徹する営業。お客様は彼女のそんな姿勢にすぐにファンになってしまうそうです。「この人は自分の味方」「この人なら信頼できる」と感じたお客様は、家族の保険はもちろん、県外に住む家族の保険まで任せるようになるそうです。自分自身が無理なことをしていると思っていないので、この仕事が大好きで一生やっていきたいと言われていました。

 迷っているときに、営業マンの熱心なお勧めが「積極的に背中を押してくれた」と好意的に感じたり、仕事への熱心さと受け止めるお客様もいますので、売ること、お勧めすることは良い時もあるのかもしれません。ただ、自分の成績の為にという気持ちの熱心さと、お客様のためにという熱心さがあるとすれば、後者の気持ちの営業マンの方が、ずっと付き合っていきたいと私は感じます。「売れる営業マン」は変わってきましたね。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2023 年 04 月 11 日 13:47

自分がされたら嬉しいことをする

 ある商品を購入した際に、商品の入った箱を止めるためのガムテープの端が折り曲げてあり、はがしやすくなっていました。
 端が折っていないテープをはがすのに、爪を立ててイライラする時がありますが、こうやってテープの端を折って貼ってくれているだけでそのストレスがなくなります。その1センチの端にお店の方の気遣いを感じ、気持ちがほっこりしました。こうした貼り方の呼び方は何というのかわかりませんが、トイレットペーパーの端を三角に折る行為のように、相手のことを思う小さなことを実践されている人の仕事への姿勢が伝わってきます。

 マクドナルドの新人アルバイト教育では、相手の立場になって考え行動することの大切さを教えていくそうですが、最初はまず「お客様や仲間には、自分がされたら嬉しいことをする」という基本ルールから教えていくのだそうです。相手の立場に立つのは口でいうのは簡単ですが、相手軸で考えることはなかなか難しい。でも、自分がされて嬉しかったことなら、自分軸だから実践しやすい。だから、まずは自分がされたら嬉しいことをしていこうと教えられるのだそうです。先ほどの荷物も、もしかすると配送係の人が、テープの端が折ってある荷物を受け取り、その行為が嬉しかったから、相手にもそうしてあげようと思ったのかもしれません。

 お客様に対してだけでなく、社内でも同じで、書類をつくる時は、相手が見やすいように、使いやすいようにひと手間かける。次の工程の人がやりやすいように仕事を渡す。自分がされて嬉しいことをしていくことが、全体の仕事の質が高めていくのかもしれません。

 「自分がされたら嬉しいことをする」。シンプルですが、質の良い仕事をしていく上でいちばん大事な基本ルールのような気がします。自分自身も初心にかえってやっていこうと思います。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上 素晴らしい会社

2023 年 02 月 14 日 11:10

心の置き方

 「その日が、お客様にとっていい一日になればいいなと思って働いています」
 これは、以前、ある旅館を取材させていただいた時、朝のバイキング会場でお客様に声をかけ、いろいろとお世話をするスタッフの方がおられたので、インタビューをさせていただいた時にその方が仰った言葉です。
 自分の仕事は、単にバイキングでなくなった料理を補充する係ではない、自分は、お客様のいい思い出をつくる仕事をしているのだ、そんな風にとらえられて働いておられるその方の接客が心に残りました。
 同じ仕事でも、「今日もバイキング会場で料理の補充をするのか」と思うこともできますが、こんな風にとらえて働くこともできる。自分の仕事をどう捉えているか。心の置き方ひとつで同じ仕事でも景色は大きく変わっていくのだろうと思います。実際にその方は、足のご自由なご老人の方に料理を取り分けあげたり、ここでしか食べられない特別な料理をご説明されたりと、バイキング会場に来るお客様を笑顔にされていました。
 よく「CSが大事だ」と接客の技術や行動を改善していこうと「やり方」を見直すことがありますが、どれだけ接客のやり方を学んだとしても、その人がそれを「やらなければいけない作業」だと思ってやっている仕事と、「お客様にいい一日を過ごしてほしい」と思ってやっている仕事では、まったく違った仕事になってしまうと思います。

 世の中にはいろんな職業がありますが、考えてみればすべて同じことかもしれません。例えば、車を販売する営業マン。自分の仕事は「車を販売する仕事」だと思って仕事をするか、「その家族が幸せに過ごせる車選びのお手伝いをする仕事だ」と思って仕事をするか。車修理をするメカニックであれば、自分の仕事は「車を修理する仕事」と思って作業をするか、「お客様が不安なく、ずっと幸せに車を利用していただくための大切な仕事だ」と捉えて燃えて仕事をするか。自分が顧客ならどちらの人から買いたいか、頼みたいかと考えてみた時に、多くの人が後者の人に対応してほしいと思うのではないでしょうか。
 ただ、心の置き方は自分で決めるもの。仕事をどうとらええるか、自分自身がどうあろうとするかは、その人が決めるしかなく、他人がコントールすることはできません。どうせ仕事をするのであれば、自分の心が前向きになる場所に心を置いていきたいです。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 11 月 15 日 10:21

あきない商売

 昔、仙台に、福の神と呼ばれる仙台四郎という方がおられました。
 仙台四郎さんは、宮城県仙台市生まれで江戸時代末期から明治時代に実在したとされている人物です。その方が詠んだとされる「あきないの心得」を紹介します。
 この詩は、時々、居酒屋のトイレなどに貼られているので、ご存じの方も多いかもしれません。

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「あきない」

商売はあきないという
それはおもしろくて しかたがないから あきないなのだ

いつもおもしろいから 笑顔がたえないから 「笑売」となる

「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」
いつも活発だから 「勝売」となる

あきない商売を おもしろくないと 思っているとすぐあきる

いつも不平不満や愚痴がでて 心が次第に 傷ついて
「傷売」となってしまう

こんなお店には そのうち 誰もよりつかなくなり
「消売」となって消えてしまう

「笑売」をしているのか
「傷売」をしているのか
「勝売」をしているのか
あきない商売をしているのか

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 先日、ある飲食店で食事をしましたが、元気で明るい店主の笑顔にたくさんのお客様が集まっていました。昔からあきない商売をされているので、コロナ禍でも応援するお客様がたくさんおられたそうです。

 営業スタッフにしろ、技術屋さんにしろ、お医者さんにしろ、自分の商売が「面白い」と感じてやる人の仕事は工夫があり、それが感動を与え、お客様が自然とよっていくのかもしれません。
 「笑う門には福来る」。
 笑顔の絶えない人や店が繁盛するのは時代を超える鉄則なのでしょう。

 仕事をおもしろくするのも、つまらなくするのも自分次第。
 あきない商売をしていきたいですね。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 10 月 25 日 10:23

誠実な人達

 先日、いつも利用するコンビニエンスストアに立ち寄ると、店長らしき人から声をかけられました。
 「申し訳ありません。前回、お買い上げいただいた時に、他の商品の分までお支払いをされていたようで、こちら、お返しさせていただきます。」と謝られ、ビニール袋に入った152円を渡してくださいました。
 私は、いつもICカードで払っているので気づかなかったのですが、店長は私のことを覚えていてくださって、お返しするために小銭を用意してくれていたようです。本当に申し訳ないという気持ちで謝れる店長。私はその正直で誠実な姿勢に感動してしまいました。
 当たり前といえば当たり前のことかもしれませんが、黙っていても済むようなことを正直に話してくださったこのお店の姿勢に、朝から良い気分になりました。

 正直である、誠実である。
 商売において、これほど大事なことはありません。
 ある建設会社の方が、工事をする時に、職人として誠実な仕事をしたいと話をされていました。例え国が定めた基準にクリアしているから、お客様がOKといってくださっているからといって、「職人として、この品質では良くない」と思えば費用がかかってもやり直す。誰も見ていないからと、いい加減な仕事をすれば、自分自身に悔いが残るから絶対に手をぬきたくない。お客様満足よりも、自分に恥ずかしくない仕事をしたい。こんな話をされていました。

 こんな正直な人たちは、もしかするとお金儲けは下手なのかもしれません。でも私は、こういう人たちが信頼できますし、仕事を頼むなら、買い物をするならこういう姿勢の人たちに頼みたいと思います。
 利益ではなく、理念を追求する。そうした姿勢が長期的な信頼を生み出していくのではないでしょうか。
 人に対しても、自分自身に対しても、仕事に対しても、やはり誠実でありたいですね。

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2022 年 09 月 13 日 11:36

人柄

 以前、大手芸能プロダクションの社長のお話を読ませていただいたのですが、芸能界で売れる人はやはり人柄が良いことが大事だということでした。誰に対しても謙虚で、ちゃんと挨拶をする。感謝の気持ちをもっているから、スタッフにも愛され、だからまた使ってあげたいという気持ちになる。最後は人柄だと書いておられました。
 確かに、長く芸能界で活躍するタレントさんを見ていても、表では面白いことを言って笑わせたり、逆に毒舌であったとしても、裏側では後輩や仲間を大切にしたり、スタッフの人たちを大切にしたりされていると聞きます。もちろん、芸能界を生きぬくためには才能がなければ使ってくれないものだと思いますが、どれだけ才能があったとしても、偉そうな人は嫌われて一緒に仕事をしたくない。才能があっても消えていく人も多い厳しい世界です。

 自分の身近でも、ビジネスの中での人柄の大切さを感じることがあります。例えば、コンビニエンスストアは系列店ならどこも品揃えが同じで差はないはずなのに、私がいつも利用するのは同じ店ばかり。店長さんをはじめスタッフの皆さんが親切な上に、私の好みを覚えていてくれたり、ちょっとしたPOPに気持ちがこもっているので、いつもそこを利用してしまいます。営業マンでも売れる人はみんな、お客様からも仲間からも好かれる人。謙虚で仲間思いのリーダーがいるとチームが活性化します。やはり人柄ということでしょうか。

   しかし、これまでビジネスの世界では、成功するためには、スキルを磨くこと、経験を積むこと、知識を増やすことだと言われてきて、接客の勉強はあっても、人柄を磨く勉強会というのはなかなかありません。ということは、これまで人柄や人格というものは、それほど大事だと思われていなかったのかもしれませんが、知識や情報はどこでも手に入る時代になると、ただ知識があるというだけでは選ばれにくくなっています。知識があるのはもちろんですが、やはり誠実な人や想いやりのある人と仕事をしたい。誰もがそう思うのではないでしょうか。
 しかし、仕事における人柄や人格の大切さについては、昔から言われていることで、成功してきた経営者は皆、人格を磨くことの大切さを伝えておられます。そう簡単に人柄を変えることはできませんが、成功した人は皆、自分の心を磨く努力をされています。人柄を磨いていくことはどんな時代になっても最も大事なことなのかもしれません。

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2022 年 08 月 23 日 14:07

お客様は弱者である

 「お客様は神様です」という言葉は、歌手の三波春夫さんの言葉です。
 ご存じの方も多いと思いますが、これは「お客様を神様なのだから何でも言うことを聞かなければならない」という意味ではなく、三波春夫さんは、自分の歌手としての姿勢として、「歌うときは、あたかも神前で祈るときのように、澄み切った心でなければ完璧な芸を見せられない」という趣旨が本来の意味です。
 しかし、これが誤解されて使われるようになり、自分はお客様だ、店員より上の立場だ、神様だと偉そうな態度をとるお客様が出てきてしまうことも生まれています。本来、お客様とお店は対等な立場であってどちらが上、どちらが下というものではないはずなのに。

 ではお客様をどうとらえるか。以前、「お客様は弱者である」という考え方に出会いました。これは顧客満足度で有名な神奈川県のホンダカーズ中央神奈川の創業者、相澤賢二さんがお客様に対する姿勢として大切にされていた考え方ですが、相澤さんは、「お客様は確かに理不尽な要求をされることもある。しかし、それは不安の裏返しでもある。誰でも高い買い物をする時には不安になるし、心配もする。だから、神様の言うことだから我慢をするのではなく、弱者なのだから、お客様を助けてあげようと思って接していこう」と社員に伝えておられました。

 確かにお客様というのは素人で、知らないことばかり。ネットで知識を得たとしても、プロには太刀打ちできません。特に高いものを買う時に不安にならない人はいないはず。そんな時にお客様の不安な気持ちを理解してくれる人がいると安心します。お客様の気持ちに寄り添って、親身に対応するホンダカーズ中央神奈川の人たちのそんな姿勢にたくさんのファンが生まれているそうです。

 お客様は弱者である。
 皆さんにとってお客様はどんな存在ですか。

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2022 年 08 月 09 日 11:18

「ありがとう」が多い職場

 「ありがとう」という感謝の言葉が多い職場、そんな言葉が一切交わされることがない職場。
「あなたはどちらの職場で働きたいですか」と尋ねられたとすれば、ほとんどの方が前者と答えられるのではないでしょうか。後者の職場、忙しさの中で人間関係が希薄になった殺伐とした雰囲気を感じてしまいます。
 「ありがとう」という言葉は人間関係の潤滑剤。「ありがとう」と言われると誰でも嬉しくなるし、その人との心の距離が近くなる。つまり、職場に「ありがとう」という言葉が多いということは、そこに良い人間関係が生まれているということで、人々が助け合っている証拠。「ありがとう」が多い職場は「働きがい」を感じる人も多いはず。チームワークも良い。きっと組織の生産性も高いはず。離職者も少ないでしょう。

 しかし、あなたは昨日、どれだけ職場の中で「ありがとう」と言いましたか?と尋ねられたとしたら、もしかすると胸が痛くなることもあるかもしれません。家ではどれだけ「ありがとう」と言いましたか?という質問はどうでしょうか?これもドキッとする質問です。
 みんなそんな職場がいい、そんな職場で働きたいと思っているのに、つい自分の仕事に没頭してしまい、心に余裕がなくなると、つい「ありがとう」と言わなくなってしまう。潤滑剤がなくなっているので、相手にも気づかうこともしなくなる。職場の中で助け合う気持ちも行為も少なくなる。ふと気がつくと、職場の中に「ありがとう」という言葉が少なくなっている。みんなが孤立して、もくもくと自分の仕事だけをする。こんな職場が増えているのかもしれません。「ありがとう」という言葉は、あたりまえで普段はあまり気にしないのかもしれませんが、人間関係にとっては大きな影響を与える大切な言葉だと、改めて思います。

 なぜ、「ありがとう」が言えなくなるのでしょうか。
 「ありがとう」の反対語は「あたりまえ」。「してくれてあたりまえ」「されるのが当然」と思っていると感謝の気持ちはわいてきません。親から離れて一人暮らしをした子供が、今まで親がしてくれたことに気づき感謝の気持ちが芽生えるように、「あたりまえ」だと思っていたことが、「あたりまえ」じゃなかったと気づいた時に感謝が生まれます。もし、自分が「ありがとう」という言葉が言えない時は、きっと「あたりまえ」じゃないことに気づけていない時かもしれません。
 あの人はみんなの為に倉庫の掃除をしてくれる、あの人はいつも進んで嫌なことを引き受けてくれる、あの人は暑い中でも外回りをしてくれる。それは「その人の仕事だ」「あたりまえだ」と思うか、みんなの為に「してくれている」「がんばってくれている」と思えるか。自分の「あたりまえ」の基準がどこにあるか。
 私自身も、つい「あたりまえ」と思ってしまい、なかなか「ありがとう」が言えません。振り返る時間が大切なのかもしれません。

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カテゴリー : お客様満足・感動の向上 思うこと

2022 年 07 月 20 日 10:54

お客様に寄り添う営業

 自分が一人の消費者として商品を購入する時に最近感じることですが、昔に比べてお客様に寄り添ってくれる営業や販売スタッフが多くなったような気がします。
 営業といえば、一昔前は、いかに商品を売り込むか、いかに買わせるかと押しの強い人が多かったような気がしますが、さすがにそれでは物が売れなくなってしまったのでしょうか、お客様の立場に立って一緒に購入を考えてくれる営業に切り替わってきたのかもしれません。

 先日も、自動車保険のことで、ある会社のコールセンターに電話をしたのですが、その窓口の方は熱心に、自分の保険のように一緒に内容を考えてくれて、私の要望に応えながらも、できるだけ安くしようと考えて提案してくれました。メリットもデメリットもしっかりと伝えながら説明してくれるので、とてもわかりやすく、安心して選ぶことができ、その姿勢に非常に信頼が持てました。何かあれば、次もこの人に相談しようという気持ちになったのですが、たぶん、どんな商売でも、こうしたちょっとしたことでファンが生まれてくるのだろうと、つくつぐ「お客様の立場になること」の大切さを感じました。

 昔の営業は、お客様と営業が向き合っているようなイメージ、戦うようなイメージだとすれば、今の営業はお客様と営業が隣に座って、お客様と一緒に、お客様が解決したい問題、叶えたい夢を相談しあっているようなイメージかもしれません。先ほどの窓口の方が、契約金額ができる安くなるように一生懸命に時間をかけて相談に乗ってくれたように、自分の利益を優先するのではなく、お客様の利益や幸せを優先して考える営業が、結果として満足や長期的な信頼を生み出し、次の販売が約束されていくのだと思います。
 私はたぶん、しばらくはこの会社を続けて利用したいという気持ちになっていますし、次も、きっとその次も利用すると思います。そうすると、この窓口の方が生み出した利益は今回の契約における利益だけではなく、数年分の利益を生み出していることになります。たった十数分間の応対でしたが、担当者の姿勢だけでファンが生まれたとすると、これこそがお客様が少なくなる時代の営業の姿なのかもしれません。

 昔、営業は辛い仕事だと言われた時代があります。世の中が、少し消費者の立場になって進んでいく時代がきたのだと思うと嬉しくなります。やはり、営業は人の役に立ち、喜びを一緒に感じることができる、素晴らしい仕事です。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 06 月 28 日 14:01

伝わるのは「真心」

 先日、ある地方都市で仕事がありました。日頃お世話になっている先なので、訪問前にお土産を買おうと思ったのですが、朝から開いているお店がない。調べてみると少し離れた大型ショッピングセンターが開いている。タクシーで行くことにしました。

 その旨を運転手さんに伝えると、運転手さんは、そのショッピングセンターのいちばん近くの入り口を探してくれただけでなく、帰る時に困らないようにとタクシー乗り場の場所を教えてくれたり、そこから訪問先まではこれくらいの時間がかかると教えてくれたり、それは親切にしていただきました。おせっかいといえばおせっかいと言えるのかもしれませんが、私のためにいろんなことをしてくれるその運転手さんの真心に心がホッとしました。いつもの都会で受けている接客ではない、心が伝わってくる接客でした。

 そのサービスが、なぜ心に残ったのか。
きっと、運転手さんの行為に、打算や見返りを求める気持ちがなかったからだと思います。田舎に旅行に行った時などに、町の人たちが親切にしてくれて感動することがありますが、運転手さんの対応はまさにそんな感じのものでした。人に親切にするのが当たり前。お互いに協力し合い、助け合って暮らしておられる田舎の人たちの「当たり前」が嬉しかったのかもしれません。

 そもそも、「ホスピタリティ」(hospitality)の語源は、「客人の保護者」という意味を持つラテン語「hospes=ホスピス」と言われていますが、巡礼などに旅立った人が途中で病気や飢えで倒れた際に修道院で看護を行うことを指す言葉。日本人だけでなく、そもそも人間は群れを作って生きてきた動物であるので、支え合って生きていくために「思いやり」や「親切」は人間が本来持っているDNAなのでしょう。
ただ、昔は、近所の人が関わり合って、お互いが助けってあって生きてきたので、「人に親切する」というのは自然に学んできたのですが、今の時代は、なかなかそんな機会がないのかもしれません。

お客様を満足させるとか、お客様の為にと意識してマニュアルや形にとらわれるのではなく、まず自分の中にある普通の良心や真心に素直に従って動いていく。それが、サービスを提供する側にとっても自然な行為であり、形ではなく、その形の奥にある裏表のない真心だけが、相手に伝わっていくのだと思います。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 04 月 12 日 17:11

売れているセールススタッフが大事にしていること

 今、商品がなかなか売れない時代に結果を出していくことは、本当に難しいことになってきました。
 そもそもお客様が少なくなっている。無理に売りつけようとしても嫌われるだけ。そこに加えて、このコロナ禍で、お客様と対面で接触しにくくなっている。商品の性能が向上して、なかなか壊れない。だから買い替えも少ない。新商品といっても革新的な技術が追加される訳でもなければ、魅力が乏しくなる。
 営業スタッフは、昔の時代のように、なかなか結果が出せない時代になり、苦しんでいる人も多いのかもしれません。

 この度、あるカーディーラーのトップセールスの方を密着取材したドキュメンタリー映像が発売されます。売れない中で、しっかりと成果を出していく人は、どんなことを大切にしているのか。平均の何倍も売る営業スタッフの行動や考え方に密着しました。
 なぜ、お客様はこの人から買うのか。売れる理由はお客様が知っている。取材の中で私たちは何人ものお客様にお話しを聞きました。「この人は何でも相談できるから」「自分たちのことを一生懸命に考えてくれるから」と答えます。
 営業は信頼を築くことが大事だと昔から言われていますが、その営業スタッフが一番大事にしてきたことは、やはりお客様との信頼関係。親身になって相談に乗る。売った後も気にかける。お客様が本音を言ってくれるような雰囲気をつくる。お客様と営業スタッフが、まるで家族のようにフランクに話す姿をみていると、成果を出す人は、こうした「信頼の絆」を誰よりも大切にしていることがわかります。
 もちろん、売るためには、確かに、商品知識や商談技術が高くなければいけないと思うのですが、やはり、どんな時代になったとしても、お客様は自分に関心を持ってくれる人、大切にしてくれる人を信頼する。
 「売れている営業」の姿をみていると、改めて今問われているのは、やはり営業の「姿勢」。そうした姿勢が「見えない質」を作っているのだと思いました。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 03 月 23 日 17:03

笑顔の効果

 先日、スターバックスのあるお店に行った時、あるスタッフが本当に素敵な笑顔で応対してくれました。マスクをされていたのですが、笑っている目元を見ているだけで幸せな気持ちになり、気分が良くなります。仕事が好き、お客様が来てくれるのが嬉しい。そんな気持ちから生まれる自然な笑顔。その日は一日いい気分で過ごせました。

 笑顔には、いろんな効果があるそうです。
 例えば「笑顔」でいると、脳内に幸せホルモンのセロトニンが増え、幸せな気持ちなり、ストレスが軽減される。また、笑顔には、副交感神経を優位にして心をリラックスさせ、自律神経を安定させる効果もあるのだとか。他にも、免疫力が向上する、睡眠の質が良くなる、やる気が出てくるなどの様々な効果が確認されていています。

 笑顔には、笑顔の当人だけでなく、その周囲の人も影響を及ぼしていく作用もあります。人間には他人の行動や感情を自分のように感じる習性があるらしく、あくびが伝染するように、笑顔も伝染するそうです。確かにつられて笑顔になるということは良くありますよね。笑顔が伝染し、職場に笑顔が多くなれば、働く人の健康にも、やる気にもつながる。こういう厳しい時代こそ、職場の中の「笑顔」が大切なのでしょう。

 ただ、誰しもが「笑顔がいい」とわかっている。でも、なかなか笑顔でいることが難しい。楽しくもない時に笑顔になれない。不機嫌になるようなことはいつも起こるし、目がまわるほど仕事は忙しい。どんな状況でも、笑顔でいるにはどうすればいいのでしょうか。

 昔からよく言われているのは笑顔のトレーニング。「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」。笑顔をつくると自然と楽しくなってくると言われていますが、口角を上げる練習を続けると良いそうです。その他にも「ウイスキー」という言葉を使って表情を鍛えたり、朝起きる時に、「今日も笑顔で過ごそう」と笑顔で誓い、寝る前に「明日も笑顔の一日にしよう」と笑顔で就寝する、赤ちゃんをイメージするなど、いろんな方法があるようです。ただ、嫌々続けても笑顔は出ないし、余計におかしくなってしまいそう。まずは、笑顔でいることの価値をしっかり理解し、笑顔でいたいと思う心をつくることが、いちばん大事なのかもしれません。

カテゴリー : お客様満足・感動の向上

2022 年 01 月 25 日 16:38

顧客感動の上には何がある?

 「顧客満足」という概念は、1980年代にアメリカで言われ始めたそうです。だんだんと社会が豊かになり、モノが売れなくなってきて、それまでは生産者主導であった商品の質や方向をもっと顧客の要望を聞いて作った方が良いということから、この「顧客満足」という考え方が生まれました。

 確かに、昔の製品は使い勝手が悪かったり、すぐに壊れてしまったり、「不満」もたくさんあったので「満足」させる商品はあっという間にヒットしたに違いありません。しかし、今の時代はどの企業もお客様の声を聞き、お客様の方向を向いて商売をされているので、以前より不満を感じることがありません。サービス業も同じで昔のような「嫌な応対」に合うことの方が稀。つまり、「満足すること」はあたりまえの世の中で、消費者にとっては幸せな時代、しかし、それ以上のものを生み出せないと差別化にならない、企業にとって本当に大変な時代になってきています。

 良く言われるのは、満足の上は「感動」です。期待していたことよりも素晴らしい商品やサービスに出会った時に「感動」が生まれると言います。「こんなことまでしてくれるの?期待以上だ!」というのが感動。いいサービスを受けると嬉しくなります。多くの企業は、今、この感動をみんなが目指していこうとしているのですが、もし、どの会社もレベルが高まり、感動がまた当たり前になってしまうとどうなるのでしょうか。

 感動の上。私は、利用するお客様が「感謝」しているお店や会社が目に浮かびます。例えば、もしお店だとすれば、そこは、いつ行っても、誰にでも皆が親切で、お客様である自分のことを大切にしてくれて、高い技術や知識でどんなことにも応えてくれる頼れる存在。そこを利用するお客様は、いつも料金以上のもの受け取っていると感じているので、嬉しいという気持ちより、むしろ「ありがたい」という気持ちになっている。
 以前、川越胃腸病院を取材した時、インタビューするお客様のほとんどが、病院への感謝を口にされていましたが、満足や感動が積み重ねると感謝の気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。

 このようなレベルになると、絶対に他のところに行くはずがありません。まさに生涯顧客です。全員が足並みを揃えなければいけませんし、技術もサービスも高いレベルでなければいけませんし、人間力が高まっていなければ、こうはなりません。
 なかなか難しいことではありますが、お店もお客様に感謝し、お客様も感謝するこんな関係は、素晴らしいなと思います。

カテゴリー : DOIT! お客様満足・感動の向上

私たちが大切にしていること