2024 年 10 月 30 日 14:06
言える化と聞ける化
「社長、それ間違っていませんか」。先日、ある会社の社員さんに会社のことを伺っていると、その会社では、例え相手が社長であろうと、もし自分が違うと思ったら、「それ間違っていませんか」と意見を言っていいという空気があると言われていました。社長のめざす理念に共感して働いているからこそ、例え社長であっても理念からブレているような言動があれば意見を言う。そんな風土があるそうです。その会社は、常に業界に先駆けて新しいことに挑戦し、長期に渡って成長し続けていますが、そうした「意見が言いやすい風土」が根底にあるからこそ、どんどん新しいことが生まれているのかもしれません。
この話を伺って思い出したのが、あの「ガリガリ君」で有名な赤城乳業さんです。同社には昔から意見が言いやすい風土があり、上司に気兼ねなくみんなが意見を言い合いながら働いているそうです。新人であろうが自分は違うと思えば言う。役員に若手が意見を言うのは日常のことだそうです。そうした風土の中で、新商品が生まれ、業績は右肩上がりに推移しています。
そんな風土の原点にあるのが「言える化」という言葉です。昔から創業者の考え方の中に「社員たちが立場や役割を越え、自由になんでも言えることが組織の活性化につながり、ひとりひとりの持つ能力を最大限に引き出す道だ」という思いがあり、それを表しているのものが「言える化」という言葉です。
「言える化」というのは実際にかなり実現は難しいはず。世の中の企業は「言えない化」がほとんどです。上司や社長に意見を言うのは気が引けます。逆に上司の側も経験があればあるほど、若い人の意見を排除しがちになります。「言える化」を実現するには、上司の側がしっかり耳を傾けようとする意思や、どんな意見にも腹を立てずに聞き切る胆力がなければ、なかなか実現できません。「聞ける化」があっての「言える化」。赤城乳業の役員や役職者の人たちは「聞ける化」を大事にしながら、誰でも発言しやすい文化を作ってこられと伺いました。
いずれにしても誰もが「自分の意見」を言える、言うというのは主体的に働いていく上で重要なこと。アイディアを出し合ってイノベーションを起こしていくためにも、働きがいのある会社づくりのためにも「言える化」がますます大事になっていくような気がします。
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働きがい・やりがいの向上 素晴らしい組織風土づくり
2024 年 10 月 16 日 15:42
追いかける仕事、追いかけられる仕事
仕事というのは、本当に不思議なもので、同じ仕事をしていても、その時々で感じ方が違ってきます。山のように仕事が舞い込んで、しんどいと思う時もあれば、山のような仕事を前にやりがいを感じる時もあります。つまらないと思っていた仕事が、意味や意義を感じるようになり、突然、面白くなることもあります。
「こなさなければ」「やらなければ」と、やることに「追いかけられている」と辛い時間になる仕事も、「こうやっていこう」「もっとよくしていこう」と、創意工夫し、「やることを追いかけて」仕事をしていると、楽しくなる。一流職人や、プロと言われる人の仕事をみていても、一流と言われる人ほど、「もっとよくできないか」「もっといい方法はないか」と探求心を持って仕事をされています。正解もなく、ゴールもないから、どこまでも考え続けてしまう。そこが楽しいから、やり続ける。
追いかけられれば、義務感・負担感に、追いかけていけば、夢や使命感。本当に自分の心次第です。
仕事を追いかけるか、追いかけられるか。面白くするか、つまらないままにするか。
どちらも自分で選べます。
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2024 年 10 月 08 日 17:53
優秀営業スタッフに学ぶ「お客様からの信頼」
以前、ある方から、お客様から信頼され、業績を上げ続ける営業スタッフを業界を超えて調査した時に、いくつかの共通点があったと聞きました。その共通点は、常にお客様の立場にたち、お客様のことを良く理解しようとする人、それと、お客様の小さなお困りごとや不満を聞き、解決しようとする人、そして、そのお客様の立場にたって、お客様に合わせた提案をする人だということです。
成績の良い営業、売れる営業と聞くと、お客様に買いたいという気持ちにさせるような巧みな話術だとか、目標達成に貪欲な姿勢などを想像します。確かに「売れる営業」はそんな姿勢が求められるのかもしれませんが、「売れ続ける営業」は少し違うようです。もちろん、そうした話術も数字へのこだわりもある。しかし、それ以上にお客様の立場になって、お客様と一緒になってお客様の幸せを考え続ける。一見すると不効率にみえるような活動を一生懸命に行っている人が、売れ続けている営業のようです。
顧客満足度の高い、ある自動車販売会社の中で、長年トップの成績を誇る営業スタッフのお話を聞いたことがあります。その人は、例えば、新規のお客様と商談中で、今、買おうとされている瞬間であっても、もし、既存のお客様から、トラブルがあって助けてほしいと連絡があれば、その商談を中断して、すぐに助けにいくそうです。商談を中止にされたお客様は、さぞ怒られるのではないか思ってしまいますが、逆に、その人のどんな時もお客様を大事にする姿勢に感銘し、その人から買いたいと思われるそうです。自分が販売したお客様が心配になる。その人のためにできることをしたい。どうせ買うのなら、そんな姿勢の営業スタッフから買いたいと思うのは、むしろ当然のことかもしれません。
自分の成績や自社の利益のことよりも、相手の立場になって考える。お客様にとっては、これほど信頼できる人はいません。
「目の前のお客様が大事だ、しばらく買わないお客様なんかほっておけ。」と、業績を上げろ、業績を上げろと言われる時代もありましたが、今そんなことをしていては、大事なお客様から嫌われて、次の売上を失ってしまいます。売れ続けるには「売った後」が大事な時代です。だから売れる。
実際、先ほど紹介した営業スタッフは、「あなたから買いたい」というお客様が増え続けるので、ヒット商品が出ようが出まいが、不況であろうがなかろうが関係なく、どんな時でも営業成績が落ちず、ずっと売れ続けているそうです。
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2024 年 09 月 25 日 10:48
やらされている仕事からの脱却
「やらされている」「させられている」という感覚のまま何かをやることは、大きなストレスです。させられている訳ですから、やっていることに納得していない。しかし、やらなければ怒られる。我慢しながらも愚痴を言いながらも仕事をする。こんな状態では、「さっさとかたずけよう」という気持ちが先に来てしまい、この業務をより良くしようというような前向きな気持ちはなかなか起こりません。
企業の中での「研修」でも、こんな「やらさせている」という気持ちを感じることがあります。本当は参加したくない、面倒くさい。何で今さらこんなことを学ばなくてはいけないのか。会場の雰囲気から参加者の気持ちが伝わってくることがあります。学校の授業もそうですが、そんな気持ちで参加していては、「こなす」だけになって、身につく訳がありません。だから、講師は、何のためにやるのか、なぜ、この研修が大切なのかを伝えようとしますが、そもそも本人が「学びたい」「参加したい」と思っていなければ、どんな研修も無駄な時間になってしまいます。
日々の業務でも、「やらされている」「させられている」という気持ちになることがあります。上司の言うことを聞くことが当たり前、ルールに従うことが当たり前。自分が納得していなくてもやる。それが会社員。昭和の時代は、こうした姿勢が仕事のスタンダードだったのかもしれません。ただ、そんな気持ちでは、「こなす」仕事になり、お客様のためにもっと良い対応をしようとか、より良いものを生み出す仕事にはなりません。
では、どうすれば、「やらされている」「させられている」という気持ちを消すことができるのでしょうか。個々の気持ちの問題ですから外からどうすることもできない。個々が「自分が本当にやりたいこと」を考えるしかありません。先ほどの研修でいえば、本当に参加したくないと思えば、参加しない。意味がないと思えば、自分にとって意味ある研修に参加する。もし、義務感で参加したとしても、そこに参加する以上、自分で意味を見つけようとする。「やりたくない」ことを「やりたい」ことに変えるのはその人にしかできません。
最近、組織のビジョンやパーパスを明確にしようとする企業が増えてきていますが、いくら企業が「ありたい姿」を示したとしても、それが、社員自身の「ありたい姿」が重なっていなければ、すべては他人事。その人が自分もそうありたい、そこを目指したいと思えなければ、仕事はいつまでも「やらされている」ことになってしまいそうです。企業の中でも、こうしたことを考える時間や場所をつくる企業が増えてきているようですが、自分の人生で本当にやりたいこと、自分が行きたい場所、自分がありたい自分は何か。個人の「やりたいこと」が明確になってこそ、本当のモチベーションが生まれるような気がします。
余談ですが、研修の前に、やらされ感をなくす方法を話すことがあります。その方法は、早めに諦める。嫌だ嫌だと思いながら終了時間まで我慢するか、「ここまで来た以上、しょうがない」と受け入れて、少しでもいい時間にしようと自分自身を学ぶモードに切り替えるか。天候や環境など、自分で変えられないものは変えられないと受け入れることを「肯定的な諦め」と呼ぶそうですが、嫌な状況でも、気持ちだけは自分でつくることができます。せっかくの研修の時間とどう過ごすか。会社も仕事も同じかもしれません。
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2024 年 07 月 18 日 09:49
仕事の誇り
いきいきと働いている人をみると、やはり自分の仕事に誇りを持っています。自分の仕事が社会の役に立っている、誰かのお役に立てていると感じながら働けることほど、充実した時間はありません。自分の仕事や会社に誇りをもてるかどうか。大事な自分の家族に誇れるかどうか。誇りは働きがいです。
しかし、どうすれば自分の仕事に誇りがもてるのでしょうか。同じ給料で同じ仕事をしている人でも、「こんなつまらない仕事、やってられるか」と思う人もいれば、この仕事は「本当にいい仕事だ」と心をこめ、誇りをもってやる人もいます。しかし、どれだけ上司が、誇りをもってほしいと「仕事の素晴らしさ」を語ったとしても、それに共感するかどうかその人の心の問題。外側から何とかできる問題ではありませんが、自分の仕事に誇りを感じられれば、毎日が変わっていきそうです。
仕事への誇りは、どのような時に生まれてくるのか。単純ですが、私は、「自分がやると決め、心をこめて行ったことで、誰かが喜んでくれたり、思わぬ感謝の言葉をいただいた体験」が仕事の誇りにつながっていくのではないかと思います。苦しかったけど「やってよかった」「がんばってよかった」という感動体験。仕事を通した感動体験を通して、「自分はいい仕事をしている」という実感が生まれてくる気がします。
やらされていると感じ、仕事に心がこもっていない仕事でいい仕事はできませんし、そのような仕事で喜ぶ人はいません。例え業務が終わっても、目標を達成しても、やらされている気持ちでいれば、ホッとする気持ちになっても、感動はないはず。一生懸命のプロセスがあってこそ、感動体験が生まれます。
仕事は、頑張ったから必ず感謝されるかというと、そう単純なものではありません。しかし、そうした仕事を続けている人は、必ず誰かが見ていてくれる。少なくとも、自分自身がいちばん見ています。
自分の仕事を、心からいい仕事だと大切な家族に誇れる。給料も大事ですが、働く幸せは、こんなこともあるかもしれません。
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2024 年 06 月 17 日 17:35
仕事の意義
仕事がつまらない、身が入らないという人がいます。頑張っているのになかなか成果があがらない、業務量が多い、単調になってしまう、身体が疲れている・・・そんな気持ちになる時の要因は様々だと思います。何が要因か、実際はその人によって異なるのかもしれませんが、その可能性のひとつとして、自分の仕事の意義・意味を感じられなくなっているということがあるかもしれません。
自分の仕事をただの仕事だと感じるか、それとも社会に役立つ価値ある仕事だと感じて働いているか。もし膨大な仕事をしていたとして、身体は疲れていたとしても、後者なら心は疲れないはず。目的も知らされず、「ただこの作業を行え」と言われてやるほど、苦しいことはありません。今、若い人の転職が増えていますが、やりがいを求めるのは、やはり自分にとって意義あること、意味のあることをしたいと誰もが思っているのではないでしょうか。
何のために働いているのだろうか。この仕事の意義は何だろうか。その人がわからなくても、どの会社にも、その答えがあります。多くの会社の事業の意義、意味は経営理念として明確になっているはずです。ただ、それが、社員にとっての「自分の働く意義、意味」として感じているかどうかは別の話で、経営理念がただ飾られているだけの会社では、社員もそれを感じる機会が少なくなるのではないでしょうか。理念が形骸化している会社ほど、仕事が作業になり、「つまらない」となってしまうのかもしれません。
自分の仕事に意義を感じているかどうかは、簡単な質問でわかります。例えば、車という商品を売っている会社の社員に「あなたの仕事は何ですか?」と尋ねてみる。そこで、何と応えるか。「私の仕事は、車を売る仕事だ」と応える人もいます。しかし、笑顔で「私の仕事は、車を通して人の幸せを提供する仕事だ」と応える人もいます。前者は仕事を単なる業務としてとらえている人。後者は、自分を、社会に役立つ仕事だと意義を感じている人。どちらの人がいきいきと働けているかどうか、言うまでもありません。
今、多くの企業で、希望をもって入社した若い人が3年たたずに辞めていくという状況が多くなっています。離職する理由はいろいろとあるかもしれませんが、もし「つまらない」と感じさせてしまうのは、やはり、自分のやっている仕事の意義や意味を感じさせてあげられていないということもあるのではないでしょうか。与えられた仕事をただの作業ととらえる3年か、その作業の先にはお客様がいて、喜んでもらっている尊い仕事をしていると感じて働く3年か。先輩や会社が理念を忘れていると、仕事は労働にしかならないですし、そんな会社に魅力を感じることはない。働く人が少なくなる時代、意義を求める時代だからこそ、改めて企業の理念というものが大事になる時代だと思います。
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2024 年 06 月 11 日 13:23
自信と慢心
自信を持つことは大事なこと、しかし、慢心になってはいけないと言われます。
「自信」と「慢心」は何が違うのでしょうか。辞書によれば、「自信」とは自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。物事に対して「自分はできる」と信じること。確かに自信を失ってしまうと前に進めません。
失敗をすると自信を失い、未来が不安になります。だからこそ、一歩一歩実績を積む。未来に対して「自分はできる」と思えるようにしていかなければならない。過去の積み重ねの中で少しずつ高まっていくのが自信。しかし、ある程度、自分で出来るようになると、そこでOKを出して「仕事をこなす」という感覚になることもあります。自分は出来るという感覚が続くと人のアドバイスも聞かなくなる。こんな時が「慢心」。得てして、大きなミスや失敗はこんな時に生まれてきます。
一流アスリートを見ていると、確かに自信に満ちてプレーをしていますが、決してこなすようなプレーはしていない。一流選手ほど「これでいいのだろうか」「もっとできるはず」だと思い、努力を継続しています。職人の世界でも、ビジネスの世界でも同じ。自信をもっていたとしても、どこまでも慢心しない。一流と二流の差はこんなところにあるのかもしれません。
本当の自信を持っている人は、自分の本当の力を正しく認識できていると聞いたことがあります。例えば、何かが達成できた。一般的には嬉しいと思うだけだが、真の自信を持っている人は「ここはできているが、ここはできていない」「ここは繰り返しできるようになったが、ここはまだまだミスが起こる」というように、ひとつひとつのことを具体化してみている。細部を正しく認識できるからこそ、もっと成長しようと努力を続けられるのだそうです。本当の自信は、できる自分も、できない自分を知っていること。しかし、自信と慢心は紙一重と言います。つい慢心してしまう。自分が気づかないうちに慢心に変わっていることがあります。一流アスリートほど、優勝インタビューなどで「うまくいったのは自分の力だけではない、みんなのおかげ」だとコメントをしていますが、そこにあえて意識を向けていくことがいちばん大事なのかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2024 年 02 月 14 日 11:39
近道、遠回り
誰でも無駄な苦労はしたくないと思っています。私も、無駄なことは避けたい人間です。
ただ、それが本当に無駄であるかは、後になってみないとわからないこともあります。
私も、昔、お客様のためにと、数日かけて作りあげた資料がお客様の思惑と異なり、ゼロからやり直すということがありました。いろんな資料を調べ、労力をかけて作成したのに、一言で無駄になってしまったことで、その時はさすがに良い気持ちになれませんでした。
しかし、しばらくたって、よく考えてみると、先方の指摘には確かにそうだと思えることがあり、それを踏まえてやり直してみると、作りあげてきたものがさらにブラッシュアップされ、以前より良いものになっていました。後日考えてみると、このやり直しの体験は、自分自身にとってもより、そのことについて深く学べる機会となり、意外と無駄ではなかったと感じることがありました。
ただ、ビジネスの世界では、最短ルートで仕事をせよ、無駄をなくせ、効率よく仕事をしろと言われ、いかに短時間で成果を出すかがよいとされていますので、こうした無駄はできるだけ少ない方がいいはずです。最初から顧客の要求を聞いて作っておけば、やり直しがないという意見もあります。
ただ、その時もそうでしたが、その仕事は新しい仕事で、「お客様自身も正解がわからない」という状況で、いくら望みを聞いてもはっきりとした答えは誰もわからない。だから「出てきたもの」で判断するしかないというのが相手の気持ちです。仕事によっては、やりながら、試しながら、考えていくしかないということも多いはずで、その無駄がよいものを生み出していくことにつながっていくことは多いにあることです。だから、「無駄をなくせ」ということは一概に正解とはいえないと思います。
しかし、限られた時間や予算の中では、効率よく仕事をすることは確かに大事です。上司の言うことを聞き、顧客の要求をのみ、決まった手順やマニュアル通りにやっていけば、失敗は少なくなり、効率は高まり、成果も出ると思います。会社は過去の延長で回っている部分もあるので、昔も今も、こうした近道思考は確かに大事なビジネススキルだと思いますが、誰も正解がわからない時代を歩く時や、「未知の仕事」をする時は、この方法だけでは通用しないように思います。
ある程度の失敗ややり直しという無駄がなければ、道は切り開けない。また、人生でも仕事でも、その時、苦労したことや困難な目にあったと感じたことでも、数年後に「あの失敗のおかげで」と、それが糧になったり、自分の今の成功につながっていることに感謝することがあります。失敗にはマイナスだけでなく、プラスも多くあり、無駄だと思えることが、仕事の「深み」、人間としての「深み」にもなっていると感じることもあります。
最近は、コスパ、タイパと、みんなが最短ルートを求める時代ですが、無駄や遠回りは、長い目で見れば有効な方法であり、どちらかということではなく、両方を使い分けていくことが大事なのかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2024 年 01 月 30 日 13:16
見える景色と初心
会社である程度の年数を重ね、仕事ができるようになると成長意欲が低下していくこともあると言われます。確かにそんな人もいるかもしれませんが、ただ、そんなベテランの中にも、どんなに年数を重ねても毎日いきいきと働かれている人もいます。こんな差がなぜ生まれるのかは、おかれている環境や体験が違えば違うので一概にこうとはいえないと思いますが、いきいきと働かれている人は、そこにやりがいや楽しさを感じている気がします。何年も同じ仕事を続けている人でも、そこにやりがいを感じている人はたくさんおられます。
例えば、伝統工芸の職人。傍からみると、毎日同じような作業をしているように見えることがあります。でも、まわりには、単調な仕事と見えても、その人にとっては単調な仕事の中に小さな違いが見えていて、うまくいく時とそうでない時の差がわかる。だから、うまくいけば嬉しくなり、うまくいかないと悔しくなる。見えている景色はその人にしかわかりません。
こんな差が見えていると毎日の仕事は新鮮になり、楽しくなります。でも、そこを見えない人、見ようとしない人にとっては「つまらない単調な作業」となる。手を抜かず、ひとつの仕事に一生懸命向き合っていくと差が見えるようになり、適当にやっているといつまでも差が見えない。これはどんな仕事でも同じではないでしょうか。見える景色の差は心の向き方の差なのかもしれません。
「心」というと、よく、昔から「初心にかえる」とか「初心を大切に」という言葉があります。初心というのは、「初めてのことに取り組む際の新鮮な気持ち」だと思いますが、そうした「初々しい気持ちを忘れるな」という意味以上に「自分の未熟さを忘れるな、つたなかったときのことを忘れるな」という意味があると思います。
仕事をはじめた頃は、先輩のように出来ない自分が悔しくて、手を抜かず、丁寧にやろうとしていたはず。誰もが自分の拙さに歯がゆい思いをした記憶があると思います。私も経験がありますが、あの歯がゆさがあったからこそ、もっと頑張ろうという気持ちが生まれました。でも、そうした初心を忘れ仕事が出来るようになると、つい慢心することがあります。慢心すると仕事に変化がなくなり面白くなくなる。「初心を忘れるな」というのは、仕事を楽しくするためにも大事な言葉なのかもしれません。
初心にはもうひとつ「最初に思い立った心や最初の決意」という意味もあるそうです。初志ともいえますが、その仕事始めた時に「こうなりたい」と目指した自分の決意。これも、つい忘れがちなこと。
いずれにしても初心は大事。皆さんの「初心」はどんなことですか。
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働きがい・やりがいの向上
2024 年 01 月 10 日 10:00
結果とプロセス
新年早々、石川県能登地方を震源とする地震が発生しました。被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な日常が戻ることをお祈りいたします。
先日、ある会議で仲間同士がプロセス(日々の努力)の発表をし合う機会があり、改めてプロセスの大切さを感じることがありました。
仕事をしていく上で「結果を出す」ことと「プロセスを重視する」ことは、常に頭をよぎる大きなテーマです。働く上でどちらが大事かと問われると、どちらも大事で、なかなか選ぶことはできません。プロである限り、やはり結果を出さなければいけません。かといって、結果ばかりを追いかけても、よい結果は出ないもの。ビジネスにおいては結果もプロセスも優劣はつけられません。しかし、人間をつくる上で大事なことはと問われたとしたらと、結果より、やはりプロセスであるのではないかと思います。
確かに結果が出ると嬉しくなる。次も頑張ろうというモチベーションも生まれます。しかし、例え準備不足で臨んだり、多少甘かったりしたとしても、たまたま結果が生まれることがあります。自分の実力が不足していても偶然に結果が出ることもあります。つまり、結果は嘘をつくことがある。それをわかっていないと、結果が出ているとつい油断をしてしまう。結果の嬉しさに有頂天になっていると、だいたい足元をすくわれます。結果だけを褒める弊害のひとつは、この慢心の問題があるのかもしれません。
また、「結果を出せ」と言われ続けると焦ってきます。「早く結果を出さなければ」と思うと、本来の目的を忘れてしまったり、つい大事なプロセスを省略しようとしたり、すぐに結果が出る近道を探してしまいます。例えば営業スタッフなら、買ってくれそうなお客様ばかりを訪問し、すぐに購入をしないお客様とコンタクトを取らなくなる。こうした営業では当面の結果は出たとしても長続きはしません。やはり、正しいプロセスを積み重ねてこそ、いい結果が生まれ、継続するはずです。
ただ、だから結果は意識しなくてもよいかというと、それも弊害があります。「結果は気にしなくていい」という甘い環境では、プロセスも甘くなり、形骸化したりすることがあります。結果を意識するからこそ、厳しくプロセスを見つめ直す。
こう考えていくと、結果とプロセスは人が成長するための自転車のようなものかもしれません。日々コツコツとプロセスという後輪をしっかりと漕ぐ。そうすると前輪である結果が進む。もし、前に進まない時は後輪の回し方を見直し、もう一度漕ぎだしてみる。やはり、前に進むために重要なのは、やはりプロセスだと思います。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 11 月 30 日 11:36
いきいきと働くことの価値
人に「仕事は楽しいですか?」と尋ねると、あたりまえですが様々な反応がかえってきます。即座に「楽しい」と言われる人。「楽しいなんて感じたことがない」という人。そもそも、給料をもらって働いているのだから、仕事はつべこべ言わずやるもので、楽しいとか、楽しくないということは言うものではないという意見を聞くこともあります。「楽しくなくてもやるのが仕事」というのが、世間一般的の認識かもしれません。「楽しくいきいきと働く」ということに価値や意義を感じていない人や会社は、まだ多いのかもしれません。
しかし、社員がいきいきと働いている会社は、そうでない会社より、業績が高いという研究結果もあるように、経営においても重要なテーマであり、同時に働く人のやりがいや生きがいからみても、いきいきと働けることは大切なことだと思います。
ただ、いきいきと働くというのは本当に曖昧です。いきいきに明確な定義もなく、こうすればいきいきと働ける、こうすればやりがいが高まるというような決まりもありません。いきいきと働くきっかけも人によって様々です。
例えば、面白くないと思って働いていたとしても、誰かに「ありがとう」と言われたりすると、自分の役割を感じて自分の仕事が違ってみえることもあります。人間関係の中で「やりがい」がみつかることがあります。
自分が一生懸命に取り組んだ仕事で、お客様が涙を流して喜んでくれた。そんな体験を通して仕事に誇りを感じることもあります。喜ばれることはやりがいになります。役立てた体験は心が躍ります。
また、マニュアル通りにやっていた時は楽しくなかったけど、初めての仕事に挑戦していく中で創意工夫をしている時にいきいきしてくることもあります。言われたまま仕事をしていると辛いけど、「自分が仕事をコントロールしている」と感じられる時は楽しいもの。だんだんと仕事ができるようになると、この楽しさが得られます。
それ以外にも、誰からも褒められない単調な裏方仕事。流れ作業のようにこなしていた仕事が、その先にお客様がいてそれが幸せにつながっていると実感できた時、自分の仕事が輝いてみえることがあります。自分の仕事は地味だけど、社会に役立っている。そんな体験をした時に、自分に誇りを感じるでしょう。
やりがいを感じる瞬間、いきいきとする瞬間は様々です。このような瞬間はいつ訪れるかわかりませんが、この中のひとつでも体験できれば、自分の仕事の見方は変わる。そんな人もたくさん見てきました。
だだ、やりがいを感じるかどうかは個人差もありますので、会社がこのためにやれることは少ないのかもしれませんが、例えば、仲間同士で「ありがとう」を言う。仲間を信じて仕事を任せる、裏方の人に感謝を伝える、仲間の頑張りを認める、褒める。お客様の感謝の声を共有する。小さなことならできることはあるのかもしれません。
こうやって仕事の中にはいろんな体験ができる。しかし、「そもそも仕事は楽しくないもの」と思っていると、こんな瞬間に出会っても素通りしてしまうのかもしれません。「いきいきと働く」ということに価値を感じるのか、そんな風に働きたいと願っているのか。最後はその人がどう働きたいかなのではないでしょうか。
8時間の労働時間をつまらない時間するのも、楽しい時間にするのも自分。楽しさは見つけたいと思う人だけが見つけられるのかもしれません。皆さんは、いきいきと働きたいですか?
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いきいき働くための仕事の姿勢 働きがい・やりがいの向上
2023 年 09 月 05 日 15:08
やりがいを見つける力
よく、私たちは「この仕事はやりがいがある」「この仕事はやりがいがない」ということを言いますが、よく考えてみると、仕事は仕事であり、それぞれの仕事に「やりがい」という色がついている訳ではありません。
例えば「トイレ掃除」。この仕事を「嫌な仕事を押し付けられた」「やる気にならない」とだらだらとやる人もいれば、同じ掃除でも「みんなが使うトイレだから、少しでも綺麗にしよう」と一生懸命、取り組む人もいる。当然ながら、やりがいを感じていると仕事は楽しくなり、感じていないとつまらなくなります。つまり、「仕事」には色がなく、色を付けているのは人です。
「やりがいがある」とは「仕事の意義」を感じている状態です。トイレ掃除でいえば、後者の人は、仕事の奥にある「意義」に気づけた人。前者の人は、意義に気づけない人とも言えます。意義を感じる仕事は、前向きに取り組める。では、なぜ、意義に気づける人と気づけない人が生まれるのでしょうか。
今、自分の仕事に意義を感じている人でも、もしかすると、最初の頃は、「なんで私がトイレ掃除を・・・」と思っていたかもしれません。ただ、どんな仕事も一生懸命に取り組んでみると、誰かから感謝されたりする機会に出会うことがある。一生懸命に取り組んだ。思わず、人から感謝された。そんな体験の中で、自分の仕事が「人に喜ばれる仕事だ」という意義に気づくことがあります。
最初は「嫌だな」と思いながらも、「とにかく一生懸命にやってみよう」と切り替えて、集中して取り組んでみると、仕事の「奥深さ」に気づくことがあります。例えば「水を流すだけでは綺麗にならない」という壁にぶつかる。そこで「どうすれば、綺麗にできるか」と工夫する。それが成功する。そんな体験を通して「トイレを綺麗にする」ということの難しさや面白さに気づくこともあります。
多くの人が体験されているかもしれませんが、やりがいを感じていなかった仕事が、やっているうちに、やりがいのある仕事に変わることがあります。一生懸命にやってみないと、その仕事に「やりがい」があるかどうもわからない。「やりがい」は、やった後にしかわからないものです。
とすれば、どんな仕事も「やりがいのある仕事」にすることもできるし、「つまらない仕事」にもすることもできる。
大事なのは、そこに「やりがいを見つける(意義を見つける)力」なのかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 08 月 29 日 10:21
やる気と行動
私たちは日頃、「やる気がある」「やる気がない」という言葉を使いますが、そもそも「やる気」というのは、どんなことなのでしょうか。
最新の脳の研究によると、脳が諦めた時にやる気がなくなるのだそうです。
私たちの脳は、いつも結果を予測してから実際に行動し、その時に得られた結果との誤差を埋めようと調整し、その情報を蓄積していくのだそうです。例えば、100点を取ろうとテストを受けて、何回受けても30点しか取れないというような「小さな誤差」が続くと、脳は「どれだけやっても無理だ」と予測して、その行動を諦めてしまう。その結果、治癒にエネルギーを回すようになり、何も行動する気が起こらない、やる気のない状態になるのだそうです。
会社でも、いつも営業成績が最下位になる。提案を上司からいつも否定される。よかれと思って行動したことが逆に怒られたりする。こんなことが続くと、脳は「どうせやってもムダ、言ってもムダ」と予測して、行動しなくなる。つまり、行動する気がない、やる気のない状態になっているということです。
ただ、こういうやる気がない状態であっても、車が突然目の前に飛び出してきたとしたら、人はとっさに逃げる。実は、人間は、やる気の有無に関係なく、行動するものなのだそうです。つまり、脳科学を研究している人によると、「やる気」というのは、人間が作り出した言葉で、実は実体はなく、結果をあれこれと思考して行動がとれなくなってしまうことが習慣になっているだけなのだとか。
だから、いかにこの習慣をなくしていくか。思考するだけにとどまらず、まず行動することで次の結果を得て、次の思考に移るという習慣を作っていくことが大事だと言われます。
確かに、あれこれ考えるより、行動すると違う結果が得られることがあります。過去に否定された提案も、状況が変わった今では役立つかもしれないし、上司が怒ったのはその時の気分かもしれません。やってみれば、結果は変わるかもしれない。新人が上司のことを素直に聞いて行動した結果、あっさりと成績を出すことがあります。ましてや現在は、過去のやり方が通用しないVUCAの時代。正解は誰も知らないはずで、やってみないとわからないことの方が多いのではないでしょうか。
まず、やってみて(行動)、そこで得られた情報で次を考える。実体のない「やる気」という言葉に左右されるのは本当にもったいない。小さくてもいいから、まず行動してみる習慣をつくる。それが「やる気」の一番の解決策なのかもしれません。
DO IT!
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 07 月 11 日 13:24
自ら立てた目標、与えられた目標
先日、あるお店でサービスを受けているときに、スタッフの方から今月のおススメだと、新商品の案内がありました。良く来ているお店ですし、若い子が熱心に勧めてくれるので、断るのも悪いと思い申し込みましたが、少し強引な感じがして、少しモヤモヤとした気持ちになりました。新しい商品なので、きっとお店に課せられた目標があるのだろうと思います。一生懸命に進めてくれるのは良いことで、そのスタッフも頑張っているのはわかりますが、何かその会社の都合を押し付けられている気がして残念な気持ちになりました。
数値目標を持つことは、やるべきことが明確になり、達成の度合いがわかるので、対策も打ちやすくなります。達成すればやる気も高まるので、目標管理はいろいろな会社で使われています。ただ、やるべきことが明確になるが故に、その他のことに気が回らなくなったり、手段が目的化してしまうというデメリットもあります。このお店で感じたのは、いつもはお客様のことに気を配ってくれるいい店だと思っていたのに、お勧めに熱心なあまり、その良さが感じられなかったのかもしれません。
ただ、目標を持つことは悪いということではないはず。問題は、その目標の奥にある気持ち。会社から与えられた目標をこなそうと一生懸命にお勧めしているのか。会社の理念にも通じる商品だと感じ、自分自身も良いと感じたものを、できるだけたくさんの人に薦めたいと思いながら自ら目標を立て、一生懸命にお勧めしているのか。見た目の状況はそんなに変わらないのかもしれませんが、醸し出す雰囲気は微妙に違う。それがお客様に伝わっているのかもしれません。
趣味の世界では、「今日は魚を何匹釣ろう」という目標を自分で決めます。自分で決めるから楽しくなり、工夫もする。それがもし、誰かに「何匹釣ってこい」と言われたら、とたんに面白くなくなってしまうはず。さらに、その目標をなんとしてでも達成しろと、隣で数字を追い立てられたら、数字ばかりに目が行き、「帳尻を合わせるために、スーパーで買ってこよう」というような手抜きもしたくなりそうです。趣味と仕事は違うのかもしれませんが、「面白い」と思えば、どんなことでも工夫し挑戦していこうと考えていくのではないでしょうか。
しかし、はじめてのことは、何でも実際にやってみないとわからないことがあります。もし、納得がなく、ただ会社からやれと言われて、最初はやらされ感で始めることがあったとしても、そこに一生懸命に取り組んでみる。自分が一生懸命にお勧めした商品を、お客様が喜んでくださった。そんな体験を通して、改めて商品の価値に気づくこともあります。目標を与えることは悪いことではないのだろうと思います。
何れにしても、目的を忘れて、目標だけになってしまうのが、面白さを失う原因なのかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 07 月 04 日 11:23
価値をお届けする
先日、社内で私たちが提供している「価値」について話し合う機会がありました。
購入したものが、自分の目的実現に役立ったと感じた時、「買って良かった」、「価値があった」と感じます。「価値」を感じると、多少価格が高くても「いい買い物だった」と思えますが、価値を感じることができなかったから「損をした」と感じる。お客が「この商品には価値ある」と感じていただければ、リピーターになってくださり、それが「他にない価値」であれば、ずっと、お客様でいてくださるはずです。
当たり前ですが、お客様が「価値があった」と思っていただけるように商品を作り、販売していくのが商売だと思いますが、価値を感じるのはお客様の心。見えないだけに理解するのは本当に難しい。
例えば、こちらが「価値がある」と思っても、そもそもその価値がお客様に伝わらないと売れませんし、どれだけ価値を伝えても、「価値があった」と本当に実感されるのは、お客様が商品を使われた後。良い商品だとしても、購入後にお客様が上手く使えなかったり、十分に機能を使いこなしていただけなければ、「価値があった」という結果にはなりません。もそも、販売時点で、お客様の目的に沿うものをご提供していなければ、どんなに良い商品でも価値を感じてくださることはありません。
顧客満足の向上が難しいのは、お客様の気持ちを理解するのが難しいからだと思います。そう考えると、見えない気持ちを理解するためには、こちら側が、どれだけお客様に寄り添っていけるかが大事なのかもしれません。購入前なら、どれだけお客様の目的、何を達成したいのかをわかってあげられるか。その目的に沿ったものをどれだけご提案してあげられるか。販売した後も、お客様の目的が実現されるように、どれだけサポートしてあげられるか。「価値があった」と思っていただくことは、確かに手間がかかります。
料理などは、食べて「美味しかった」とすぐに価値を感じてもらいやすいですが、企業向けの機械やサービスなどは、顧客の社内で使いこなしていただいて初めて価値が生まれていくもの。販売後のアフターサービスを大事にしている企業が成長しているということも、こういうことの流れなのかもしれません。
お客様が実現したい目的にそって、どれだけ寄り添っていけるか。価値を生み出していくことは難しいことですが、お客様から「価値があった」「値打ちがある」という言葉をいただくことは、本当に嬉しいこと。だからこそ、やりがいがあります。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 06 月 27 日 09:57
ミッションと働きがい
先日、ある会社の方たちと、若いスタッフの「働きがい」をどう高めていけるかというお話をしていた時に、やはり、ただ機械的に仕事をするのではなく、仕事の意義や意味を感じさせてあげることが大切なのではないかと議論になりました。この仕事にどんな意義があるのか?何のためにやっているのか。それを感じられないと今の若い人は会社を辞めていくのではないか、そんな話し合いをしていました。
アルバイトスタッフの離職について悩んでおられた教育担当の方は、「確かに、自分は、ただ、仕事のやり方を教えるだけで、仕事の意義などは伝えたことがなかったかもしれない。」と話されていましたが、昔なら、それで良かったのかもしれません。しかし、物が豊になり、お金を稼ぐこと以上に「やりがい」を求める人が増えてきた時に、何の説明もなく「やってください」では納得できないのかもしれません。
ただ、「これをやってください」とやることだけを伝えて仕事を与えるのか。この会社は何のためにあるのか、この仕事は社会にどのような役割を果たすのか、つまり会社の使命(ミッション)をしっかり伝えてから仕事を与えるのか。納得して働きたいという若い人にとっては後者の方が大事なのかもしれません。
会社のミッションとは会社の存在意義。つまり「私たちは、なぜ社会において必要なのか?」「どんな役割を果たしていく意思があるか?」という問いに対する答え。昔は、ただ売上をあげて納税していくだけで十分、会社は存在意義があるということだったのかもしれませんが、より「働きがい」が求められる時代になって、ますます大事になってきている気がします。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 06 月 07 日 15:03
強い思い
プロジェクトでも会社の経営でも、何かを始める時にはまず「なぜやるのか」「どうなりたいのか」という目的や行き先をしっかり決めることが大事だと言われています。「どうやるか」(方法)を考えても、「そこに行きたい」と思う行き先や目的が明確でなければ、プロジェクトも経営も右往左往する。勉強にしろ、仕事にしろ、最初に「ありたい姿」を描くことが何をする上でも大事だと思います。
しかし、どれだけ目的や行き先を明確にしても、そう簡単にいかないのが世の常。たどり着くまでには困難や試練がある。諦めたくなる、投げ出したくなる要因がいくらでも起こってきます。昔から成功する唯一の方法は、成功するまで諦めないことだと言われているように、もしかすると、成功するためには、目的や行き先に対して、どれだけ強い思いを持っているか、その強さの違いが大きいのではないでしょうか。
先日、侍ジャパンの監督を務められた栗山秀樹さんの言葉を教えていただきました。
「『こうなったらいいな』ではなく、『絶対になる。こうなる』と考える。『こうなる』という前提があってはじめて、いったいどうすればそうなるんだろうと考えられるようになる。『こうなったらいいな』と思って考えるのと、『こうなる』と信じて考えるのではまったくプロセスが変わってくる。『そこにたどり着くために、今日自分は何をすればいいのか』といった具合に発想も変わってきて、そこに知恵が生まれるのだ。」
「ビジョン」にどれだけ強い思いを持つか、「絶対に、こうなる」と信じて考えることで、単なる夢が具体的な夢になっていくかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 03 月 28 日 14:35
今、ここ、自分
全国20代~60代の働く人に対して行われたアンケートでは、「あなたは仕事が楽しいですか」という質問に対して6割以上が「楽しい」と答えているそうです。楽しいと感じているときは、ハードワークも苦になりませんし、自分から学びにいこうともする。
先日開催されたWBCの中でも、大きなプレッシャーがかかる場面でも、中心にいる大谷翔平選手が常に野球を楽しんでいる姿が話題になりましたが、本気で楽しむ姿勢は良い結果を生み出す確率が高くなるだけでなく、その姿勢が周りにも良い影響を与えていくものだと思います。
ただ、大きなプレッシャーがかかる場面でなかなか楽しむという気持ちになるのは難しい。結果を出さなければと思えば思うほど気持ちが焦り、身体も心も縮こまります。
数々の金メダリストのメンタルコーチをしているスポーツドクターの辻秀一さんは、この楽しむ心の大切さをアスリートに伝えている方ですが、どんな時も楽しむためのキーワードとして「今、ここ、自分」ということを教えておられます。これは禅の言葉ですが、取返せない過去を悔やんだり、まだ来ていない未来を憂いたり、人と比べて落ち込んだりすると、どんどん心が不機嫌になる。だからこそ「今、ここ、自分」を意識して取り組んでいく。大谷選手は、優勝という結果も大事にしていたと思いますが、世界一のレベルの選手が競い合う大会に出場できること自体に感謝し、楽しんでいる。まさに、「今、ここ、自分」の境地だったのではないでしょうか。
もし、うまくいかなかったらどうしよう。あの人がうまくっているのに自分はダメだ、など不安になる時、怖くなる時は、心が「今、ここ、自分」から離れてしまう時かもしれません。「今、ここ、自分」を大切にすることが楽しむことの一歩目なのだと思います。ただ、そうはいってもなかなか自分の心を変えることは難しい。そんな時にアスリートが大事にしているのが自分が発する言葉や態度。大谷選手もそうですが、選手の多くが「楽しむ」「感謝している」「ありがとう」「おかげで」などという言葉を口にしています。「必ず勝ちます」というような言葉ではなく、今、ここ、自分に意識が向くような言葉を口にすることで心を整えていく。楽しむことの価値を知っているアスリートは、人や環境のせいにせず、自分で自分の心を作っているようです。
仕事を楽しむ。夢中になる。まずは、この価値を知ることがいちばん大事なのかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2023 年 03 月 14 日 14:19
知・好・楽
仕事の成果を上げる。生産性を上げる。いろいろな技術や方法があると思いますが、いちばんの方法は、仕事をする人がそれ楽しいと感じてやっていることではないでしょうか。今話題のワールド・ベースボール・クラッシックで活躍している大谷選手などのプレーを見ていても、勝とうという気持ち以上に、楽しんでやっているという雰囲気を感じます。この晴れ舞台を最高に楽しもうという気持ちこそが、最高の成果につながっているような気がします。
論語の中に、「これを知る者は、これを好む者に如かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」(知・好・楽)という言葉があります。仕事に例えると、いくら、仕事で成功するための知識を持っていても、その仕事を好きだという人にはかなわない。また、ただ仕事が好きだという人は、その仕事が楽しいと感じて取り組んでいる人にはかなわない、ということになるのでしょうか。
確かに、楽しいことをする時は、傍からみると大変なことでも、本人は苦労と感じませんし、楽しいからこそ探求し、知らず知らずに創意工夫をしています。ただ好きだという以上に、楽しんでやることが、仕事の成果につながるということは間違いのないことかもしれません。
ただ、仕事の成果につながるから、仕事を楽しみなさいと言われても、楽しいかどうかは自分次第。大谷選手も、誰かに野球を楽しめと言われて楽しんでいる訳ではなく、創意工夫し努力することが楽しいと自分が感じるからこそ打ち込んでいるはず。楽しむことは自分にしかできません。
ただ、好奇心を持って知識を増やすこと、今、ここに集中すること、失敗を糧にすること、結果よりプロセスを大切にすることなど、仕事を楽しくするための手段はいくらでも紹介されていますが、それこそいくら知識を身に付けたとしても、楽しむことに意義を感じていなければ、長続きはしないのではないでしょうか。
一度きりしかない人生の中で、起きている時間の大半を占める仕事の時間を楽しい時間にすることに自分自身が価値を感じるかどうか。どんな人生を歩んでいきたいか、そこが楽しむことの出発地点のような気がします。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 12 月 13 日 16:10
仕事を任せる
仕事は自分でやることも大事だけど、人に任せることも大事だと良くいいますが、「人に何か仕事を頼む」というのは、なかなか面倒なことです。どんなことをやってほしいか説明をするところから始まり、依頼した後も質問に答えたり、成果をチェックしたりやることはかなり多くなります。
だからつい、「自分でやった方が早い」と人に頼まず自分で仕事をやることを選んでしまう。特に納期が迫っている時など、悠長に人に頼んでいる暇はない、自分でやる方が早いと思ってしまいます。
ただ、こうやって「自分がやった方が早い」と何でも自分で仕事をし続けていると、だんだん「この仕事はあの人にしかない」という、いわゆる属人化という問題が生じてきます。組織でこれが増えれば、その人の負荷は大きくなり、もしその人に何かあったら仕事は回らなくなってしまいます。「任せず自分でやったほうが早い」という選択肢は目の前の仕事が早く終わるので、最適な選択に見えて、長期的にみると、実は最適ではないということにつながりかねません。
手間ひまかかること、面倒なことは避けがちですが、逆にそうした「面倒」の中に学びもあります。人に何かを任せるのは余計なことが増えていきますが、人に自分の業務を教えていると、改めて自分がわかっていることやわからないことが整理されたり、説明を考えていく中で改めてその仕事の要点が見えてくることもあります。任された側はもちろん成長しますが、実は任せた側が成長していることに気づきます。
任せたり、任されたりすることで、マニュアルができる。教える力がつく。仕事の穴が発見できることもある。教える人と教わる人の絆が深まり、チームの生産性も向上する。面倒なことが生み出すものは少なくありません。
自分で責任をもってやりきることも大事ですし、人に任せるのは手間ひまかかりますが、その面倒は未来への投資とも言えます。仕事を任せるといっても、丸投げするだけでは良くありませんが、抱え込まず、思い切って仕事を任せていくことは個人にとっても会社にとっても大事なことかもしれません。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 10 月 04 日 17:05
役立つ喜び
仕事の喜び、働きがいの要素はいろいろあると思いますが、その中でも「役立つ喜び」は誰にとっても大きなやりがいではないでしょうか。私も先日、一年かけて関わらせていただいたある会社の研修の最終日に、参加者の方がやる気になって取り組みをはじめられた姿をみて、本当にうれしくなりました。どんな人でも、自分が全力で取り組んだ仕事で、誰かが喜ぶ姿を目にすると、大変だったけど頑張った甲斐があった、やって良かったとしみじみと嬉しさがこみあげてくるのではないでしょうか。
太古の昔から集団で生きてきた動物である人間には、仲間に共感し、助け合うことに喜びを感じる本能があると言われています。助け合うことに喜びを感じますし、誰かが喜ぶ姿をみると、逆に自分も、もっと頑張ろうというエネルギーがわいてきます。「人の為」は、自分を殺した犠牲的な行為ではなく、自分の喜びであり、やりがいではないでしょうか。
ただ、仕事を機械のようにこなしていると、この喜びを忘れてしまうことがあります。昔から仕事をしっかりと進めていくには、仕事のタスクを書き出し、優先順位をつけてやりきることだと言われています。確かにいい仕事を数多くしていくにはこの能力は不可欠。処理して終了のチェックすることでやりきった感がありますし、効率的になるので生産性も高まります。
ただ、日常的に、こうした仕事をしていると、頭が次のタスク、次のタスクと処理に追われて、何かむなしくなる気持ちになることもあります。喜びを感じる暇もなく、処理することだけが仕事になり、追われるような日々に疲れもたまってきてしまいます。タスクを処理するロボットになったような自分を感じることがあります。
どの商売も、本来は、利益や効率をあげるのが目的ではなく、誰かを喜ばせること、満足していただくことが目的のはず。本来の目的を忘れてしまうと、本当に仕事はむなしいものです。
昨日、どんな喜びを感じたか?どんな感動を味わったか?私たちは朝礼でそれぞれが昨日の仕事の喜びや気づきを振り返る時間がありますが、一見無駄なようでも、大事な時間になっています。
誰かに役立ちたい。誰にとってもそれは「生きがい」ではないでしょうか。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 09 月 21 日 13:52
仕事を好きになる
「仕事が好きですか?」と問われると「好き」と答える人はどれくらいおられるのでしょうか。
「仕事は好きとか嫌いとかでやるものじゃない」という考え方もあります。確かに好きだからやる、嫌いだからやらないでは成立しないので、仕事に好き嫌いの感情を持ち込まない方がいいのかもしれません。
ただ、昔から「好きこそものの上手なれ」というように、仕事でも趣味でも、「好き」でやっている人は、勝手に練習したり、好きだから、苦しいことも厭わずに取り組んでいくので成長していきます。
YouTubeでも自分の趣味や好きなことにチャレンジしている動画たくさん投稿されています。朝早に起きて釣りに行く、何時間もかけて山に登る、成功するまで何度も何度も挑戦する。傍から見ると「大変だろうな」と思うことでも、好きな人は「そこがいいんです」と大変さが「やりがい」になり、やっていくうちに上達して、また面白くなる。やはり「好き」という力は人間にとって、大事で大切な力なのだと思います。
だから、仕事が「好きなこと」になれば、苦労も楽しくなるし、勝手に成長していくし、何より毎日が楽しくなると思うのですが、嫌いな人に「好きになりなさい」と言って好きになるものではありません。好きは自分の気持ちです。どうすれば仕事が「好き」になるのでしょうか。
そもそも仕事に「好き」という感情を持ち込んでいない人は、自分は何が好きを考えてみることからかもしれません。ここが好き、ここが面白いという部分に気づけば、仕事全体が好きになることもあります。また「好きだから一生懸命やる」のも事実ですが、「一生懸命やっていると好きになることもある」というもの事実だとしたら、まずがむしゃらに一生懸命やることも大事。最初から「好きで始めた人」は意外と少なく、今の仕事が好きだという人の多くはだいたいが後者のパターンではないでしょうか。よく先輩から「とにかく腰を据えて一生懸命やってみろ」と言われましたが、確かにどんなことでも一度本気になってやらないと、心から「好き」という気持ちは生まれません。
松下幸之助さんや稲盛和夫さんも、以前から「仕事を好きになること」の重要性を説かれていましたが、人生の大半を占める仕事の時間が「好きな時間」になれば人生も豊かになるのは間違いありません。
「好きな仕事」や「自分に合う仕事」を探すのもひとつの方法かもしれませんが、今の仕事を好きになる、好きになるために努力するという方法もきっとあると思います。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 08 月 30 日 11:05
勝利至上主義の弊害
スポーツの世界のことはあまり詳しくありませんが、少し前から勝利至上主義が問題になっているそうです。
そもそもスポーツは勝利を競い合うもので、それ自体には問題がないのですが、指導者やその周りの人たちが勝つことだけを追求するあまり、体罰が起きたり、燃え尽き症候群になったり、スポーツが嫌いになり辞めてしまう人もいます。
まわりから日常的に過剰に勝利を求められると選手は成功や失敗、勝利か敗北という結果ばかりに気にするようになる。それがプレッシャーを生み、実力を発揮しにくくなる。結果がでないと「自分は価値がない人間だ」「才能がない」と自分を否定する。過度のプレッシャーで実力を発揮できず、「こめんなさい」と泣き崩れているオリンピック選手などの姿もそうしたことからくる結果なのかもしれません。
本来スポーツは楽しく、勝つこと以外にも、人間形成や相手や仲間を敬う気持ちなど、いろんな学びがあるはず。好きで夢中になってやっていたスポーツが嫌いになってしまうのは、本当に悲しいことです。
仕事も同じかもしれません。結果や業績ばかり追求する環境にいると、いつの間にか、仕事は数字をあげることだと、仕事の目的が変わってしまうことがあります。そして、だんだんと仕事そのものの楽しさや喜びに意識が向かなくなる。そのうちに仕事が嫌になってしまいます。
そんな気持ちでいると成果が出ない。出ないとまた追求される。それでも「やらなければならない」と、仕事が「義務感」になる。好きだったモノづくりが、面白かった営業という仕事がいつの間にか義務感でやっている。そんな人が増えているとすれば、勝利至上主義のチームのようなことが起こっているのかもしれません。
スポーツ界では、ここ数年、そうした勝利至上主義の反省があり、結果重視ではなく、選手の成長に主眼をおく「プロセス重視の指導」に少しずつ変わってきているそうです。勝利という結果ではなく、どんなプレーをすればいいか、どんな心で向き合えばいいプレーができるかと、技術やプロセスを磨いていく。そうした指導に転換する高校も増え、最近は、甲子園でも勝利の重圧に負けず、笑顔でプレーをしているチームも見かけるようになりました。確かに、義務感や恐怖感で野球をやるチームより、好きなことを、夢中に取り組んでいるチームの方が強いはず。
「楽しい」「面白い」と、本来の仕事の喜びややりがいを感じながら働いていきたいですね。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 08 月 18 日 15:15
子どもの遊びと夢中になる仕事
夏休み。行動規制のない久しぶりの夏。
いろんなところで元気に遊びまわる子供たちの姿が目に飛び込んできます。
先日、ある番組で、田舎の豊かな自然の中を駆け回り、自分たちで遊びを考え、工夫をしながら夏休みを過ごす田舎の子供たちが紹介されていました。
沢の水、川、山、林。そこにあるものを利用し、自分達独自のルールややり方を考えて遊びをつくる。創造性が思う存分発揮され、失敗の中からいろんなことを学んでいる様子を見ていると、子どもの成長にとって自発的な遊びは学校で学ぶこと以上に本当に大事なことだと思います。
仕事の中も同じかもしれません。言われたことだけ、決められたことだけを、決められたままにしていては何の成長もない。やはり、同じ仕事をしていても、教えられたことをしているのでなく、自分でもっとよくしようと工夫したり、挑戦したり、主体的にかかわっていかなければ成長していかないと思います。
以前、ある方から、「人から言われて行う仕事の成果を1とした場合、目的や意義を理解して行う仕事の成果は1.6倍、自発的かつ発展的に行う仕事の成果は2.56倍(1.6の2乗)となる」ということをお聞きしたことがありますが、数字はその通りになるかはわかりませんが、確かに夢中になってやっている仕事は、それくらいの違いはありそうです。
子供と大人が出てくる建築会社のコマーシャルではないですが、仕事に夢中になっているときの大人の顔も、遊びに夢中になっている子どもの顔は似ています。仕事が遊びのように感じる。遊んでいるかのように仕事をする。そんな仕事をしていくことが、自発的で発展的に仕事をすること。結果として生産性にもつながっていくのだろうと思います。
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働きがい・やりがいの向上
2022 年 03 月 15 日 15:56
自分の機嫌は自分でつくる
先般の北京オリンピック。皆さんも熱中しておられたと思います。私もいろんな競技に熱中しましたが、大活躍した日本人選手を見ていると、「この子たちはオリンピックを楽しんでいるな」という印象を受けました。
一昔前は、「日の丸を背負うプレッシャー」や「期待に応えなければいけない重圧」でガチガチに緊張して思うように力を発揮できない選手がたくさんいました。しかし、どんな状況でも笑顔でプレーするカーリングチームや失敗を恐れず難易度の高い技に挑むスノーボードの選手などを見ていると、昔の選手のような気負いを感じません。もちろん、オリンピックという大舞台ですから周囲の期待も大きいはず。しかし、だからこそ、「今を楽しむ」という気持ちを大切にしているのでしょうか。プレッシャーをうまく切り替えているように感じました。
先日、そんな金メダリストを含む様々なスポーツ選手のメンタルコーチとして活躍されている、スポーツドクターの辻秀一さんとお話をする機会がありました。やはり、最近の選手は「心の状態」がパフォーマンスや結果に大きな影響を与えることを理解し、日頃から、自分の心を「ご機嫌」な状態にすることに取り組んでいるのだとか。「今を楽しむ」という気持ちに切り替えるとか、表情から笑顔にするとか、自分で「ご機嫌な心」をつくる方法を知っているのだそうです。
しかし、そうはいっても、心は常に外界に影響を受けます。金メダルへの周囲の期待、ライバルの高得点、過去の失敗を思い出す・・。楽しんでプレーをしようと思っても、いろんなことが起こってくるので心はすぐに乱されます。そんな場面で、選手たちはどうやって心を整えているのでしょうか。
辻先生は、まず、なぜ心が乱されるのかを教えるそうです。
心が乱されるのは、外界の出来事に対して自分の脳が意味付けをして、そこに囚われるから心が乱れる。例えば朝起きたら雨が降っていた。「雨は嫌だな」と思うと憂鬱になりますが、雨に「憂鬱な雨」という雨はなく、自分がそう勝手に意味付けをするから憂鬱になる。まず、すぐに意味付けをする脳の仕組みを知ることからメンタルトレーニングを始められます。
試合中、「後1分しかない、やばい」と意味付けをするから焦り、思うような力を発揮できなくなる。しかし、1分は1分。勝手な意味付けをして焦ってしまうことを知ると、落ち着いてくるそうです。
私たちの仕事でも、同じようなことがあります。
上司の言葉、数字の重圧、思わぬ出来事・・・外界の出来事にいつも心が乱され、焦ったり、不安になり、ついイライラとした気持ちで仕事をする。そうするといい仕事が出来ない。そして、また人のせいにし余計にイライラする。自分が不機嫌になるだけならいいのですが、その空気が周囲に広がり、周りの人も不機嫌になっていきます。
「自分の機嫌は自分でつくる」。周囲の影響に心をとらわれず、ご機嫌という心の状態を作り出すことは難しいことですが、いきいきと働く組織をつくっていく上でも、益々大切なスキルになってくるのではないでしょうか。
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働きがい・やりがいの向上