TOP > 代表 西川の気まぐれ日記

2024 年 02 月 06 日 11:15

受け継がれる理念

 経営理念は、行動を起こす時の判断基準になるものです。普段は考えない理念でも、迷った時や何か困難なことが起こった時には、誰もが立ち戻る「初心」だと思います。経営を航海に例えるならば、「もう前に進めない」という状況になった時に、我々は、そもそもなぜ航海に出たのか?どこに向かい、何をしようとしていたのかと考えると思います。遠回りになっても前に進むべきだ。あるいは、もう一度戻って出直すべきか。航海の「目的」や「行き先」に戻って考えなければ判断はできません。こうした戻る場所が経営理念だと思います。

 先日発生した令和6年能登半島地震では、たくさんの方が被害に遭われ、今も苦しんでおられます。その中である酒蔵(宗玄酒造/珠洲市)が復興に向けて動き出されたというニュースがありました。幸い従業員の皆さんは無事だったそうですが、蔵は大きな被害を受け、今期の仕込みのお酒も樽も、使えない状況になってしまいました。しかし、自宅が被害に遭い日常生活もままならない状況、蔵も電気が使えない困難な状況でも、「楽しみに待ってくださっているお客様に、何とかお酒を皆さんに届けたい」という思いで、杜氏や社員の人たちが集まって、残った酒を手がかりに手作りで酒造りを始められたそうです。この蔵は江戸時代に創業した老舗の蔵で、社長は「お酒を出し続けることは蔵の使命であり、社員の生活を守ること」だと言われているのが心に残りました。
 よく我々は「使命感」という言葉を使いますが、普段から、こうした強い使命感をもって働いている人がいるからこそ、江戸時代から今日まで、蔵が守られ、酒が守られてきたのだろうと思います。ただ生活のために働いている人たちなら、こんな行動を起こさないはずです。長寿企業と呼ばれる会社には必ず、昔から大切にしてきた理念・使命感がありますが、こうした危機の時に生きてくるのが「理念」なのかもしれません。

 よく多くの会社で、理念の大切さが社員に伝わらないということを聞きます。短期的に見れば、目の前の課題に取り組むだけで事業は成り立っていくので、働く人もそこまで理念を考えなくても良いので、身近に感じないのかもしれません。ただ、どんな企業も大きな試練を乗り越える時に、理念を判断軸に経営をしてきたはずで、やはり長期的にみれば理念は経営にとって大事なものだと思います。
そもそも理念は何のためにあるのか。過去にどんな判断をしてきたのか。この酒蔵はこのことを後輩に語り継いでいくと思いますが、理念を伝えるには綺麗な文章をつくって解説することよりも、口から口に語り続けることが先輩の役割であり、会社として大事にしていくべきことなのかもしれません。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2023 年 11 月 22 日 09:52

見えるもの、見えないもの

 当たり前の話ですが、世の中は目に見えるものと、目に見えないもので出来ています。
 人間の身体は見えても、心は目に見えない。財産は見えても、幸せは目に見えない。命も見えません。
経営でも、利益や会社の状況は財務指標として見ることができますが、お客様からの信頼や社員のやる気というのは目に見えない。
 今、大きな会社でもお客様からの信頼を失い、場合によっては倒産してしまうようなことが起こっていますが、会社にとって、財務指標には載らない、この目に見えない資産がなくなるととたんに経営が出来なります。お客様からの信用や信頼という目に見えないものは本来、数字以上に大事な資産。誰もがわかっていることなのに、見失うこともあります。もう一つの社員のやる気も、これがなくなってしまうと会社は存続出来ません。会社の風土という空気も見えませんし、理念という「経営の想い」も本来は見えません。命が人間をつくっているように、本来、見えないものがその本質で大事なことなのに、私たちはつい、目に見えるものを追いかけて、見失ってしまうこともあります。
 見えないものを見るにはどうすればいいか。それが見えている人は、見ようとしている人だと思います。そこに関心があれば見えてくる。それを大事にしていれば見えてくる。何百年と続く老舗企業が先代から続く精神や理念を大事にしているように、社員がいきいきと働く会社は、社員の幸せを大事にし、お客様から信頼されている会社は、その信頼を大事にしている会社なのかもしれません。
 あなたが大事にしている目に見えないものは何ですか?

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2023 年 11 月 07 日 17:29

頑張るエネルギー

 もう何十年も続くテレビ番組、「はじめてのおつかい」。番組では、子どもたちが頑張る姿が映し出されていますが、その子どもの姿に親も感動し、司会者もゲストの人たちも涙し、視聴者の私もいつも励まされます。

 「あの人があんなに頑張っているんだから、自分も頑張ろう」。誰もがこんな思いを持ったことがあると思いますが、子どもに限らず、誰かが一生懸命がんばっている姿は、やはり周りの人に大きな影響を与えます。
 私も自分の子どもが一生懸命頑張っていると、自分も頑張らねば、と思いますし、逆に子どもも、親が頑張っている姿に励まされることもあるかもしれません。誰かの頑張るエネルギーが人の頑張るエネルギーになり、成果も生まれる。世の中はそんなエネルギーで出来ているのかもしれません。

 チームで何かを成し遂げようとする時も、誰のひたむきに取り組む姿勢がチームを盛り上げることもあるように、頑張っているエネルギーは人に伝染していきます。ただ、頑張る姿が美しく感じるかどうか、人に伝わるかどうかは、そこに駆け引きがない時かもしれません。「私はこんなに頑張っているのに、なぜ、みんなは頑張らないのか」と思っているような時は伝わらない。ただ、純粋に目的に向かって一途に頑張っていくような人の頑張るエネルギーだけが自然と人に伝わっていく。何のために頑張るか。そのことを行う動機が大事なのかもしれません。

 会社も同じ。どの会社もスタート地点はゼロからのスタート。会社を大きくしようと一生懸命がんばる社長がいるからこそ社員も頑張る。そこで働く先輩社員の頑張る姿が若い社員に伝わり、頑張るエネルギーが相互に影響し合って会社が発展していきます。利己的なリーダーではなく利他的なリーダーが、もっと、お客様に役に立とう、もっと社員のためにと頑張る。そんな姿に人は動かされていきます。お金が人を動かす動機になることもありますが、やはりリーダーが理念に向かっていく姿勢こそが、いちばん人を動機づけるものになるのではないでしょうか。最近、よく理念浸透が話題になりますが、どれだけ社員に理念を教えていても、リーダーが理念に必死でなければ伝わる訳はありません。理念の浸透でいちばん大事なのは、リーダーや先輩の頑張る姿勢なのかもしれません。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2023 年 10 月 24 日 11:34

仕事の意義と経営理念

 給料よりも生きがいのある仕事をしたい。
 最近、20代~30代のあいだで、こんな風に「意義ある仕事」を選ぶ人が増えているそうです。人生の3分の1を過ごす仕事を、意義を感じないまま過ごすより、自分にとって幸せな働き方を選びたい。昭和の時代は、例え意義を感じなくても、仕事は我慢してやるものだと言われたことを一生懸命にやってきましたが、令和の時代はそれでは頑張れない。自分の仕事が社会の役にたっていると感じられたり、仕事を通して自分の成長が実感できたり、仕事をやることに意義を感じられないことはやりたくない。例え給料が低くなるかもしれないが社会に役立つ仕事をする。こうした価値観の人の割合は、今後もどんどん増えていくと言われています。今後、益々採用が難しくなってくる時代の中で、若い人を採用するためにも「仕事の意義」は大きなテーマになっていくのかもしれません。

 自分の仕事に意義を感じる。
 意義を感じない時は、仕事はやらされる仕事になりますが、「自分のやっていることは、社会の役に立っている良い仕事だ」と感じられるときは、人は進んで行動します。目的を達成しようと思うと「もっとこうしよう」と創造的なアイディアも出る。意義を感じていると辞める人が少なり、採用も困らない。働く人が仕事の目的に共感しているということは組織にとっても良いはずです。
 しかし、いくらそれが大事だとわかっていても、企業の現場が実際にそうなっていないことがある。職場の先輩は誰も「仕事の意義」を語らない。問われるのは数字だけ。ただ仕事をこなし、ただ毎日を過ごす。意義を感じなくても日常は過ぎていく。「仕事とはそんなものだ」と言われても、意義を求める若い人にとって、ずっと、そんな職場で働いていていると不安になってしまいます。

 仕事の意義。その根本にあるのが経営理念です。
 職場の誰も意義を語らないというのは、文章として経営理念があったとしても、その経営理念が職場の中に生きていないということになります。当たり前になってしまっているその現状がいちばんの問題なのかもしれません。
 経営理念は誰のためにあるのか。何のためにあるのか。
 もちろん、顧客や社会に対して自社の姿勢や方向性を示すという意味もあると思いますが、今、いちばん必要としているのは働く人。自分の仕事の意義を感じたい、やりがいを感じながら働きたい。働く人のためにも、経営理念が大事になってきているように思います。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2023 年 06 月 14 日 17:30

創業者からの伝言

 誰もが知っているウォシュレットなど革新的な商品で有名なTOTOグループ。そのTOTOグループには「どうしても親切が第一」という価値観が先代から受け継がれているそうです。初代社長である大倉和親氏が、二代目社長に送った書簡に記されたものの中にこんな文章が書かれていたそうです。

「どうしても親切が第一、良品の供給、需要家の満足が掴むべき実体で、その実体を握り得れば、結果として報酬という影が映る」

 利益はあくまでも影であり、追い求めるものは影ではなく、良い商品をつくること、お客様の満足であるから、我々はどんな時でも、どうしても「親切」「誠実」が第一で、「お客様思い」であるべきだ。その前提で事業を行えば、必ず利益である影はついてくる。TOTOらしさを忘れるな、と代々伝えてられているそうです。

 考えてみれば、大企業であれ、中小企業であれ、今、地域や顧客から指示され伸び続けている会社はどこも同じかもしれません。判断軸はいつも、どうすればお客様に喜んでもらえるか、どうすれば役に立てるか。あくまでも「実体」を追い続ける。「きれいごと」だけでは経営はできない。そんな声もある中でも信念をぶらさず、ずっと「きれいごと」を追求されてきた会社が今、顧客から支持されているのかもしれません。

 しかし、企業は利益が出なくなれば倒産してしまいます。いつも、この「きれいごと」と「影」の天秤に悩み、迷うことがあるものまた事実。創業者がこうやって大事なことを次の世代に渡そうとするのは、きっと、それがわかっているから。迷いが出た時こそ思い出せという教えなのかもしれません。
 理念は判断に迷った時の羅針盤と言いますが、ぶれない軸のためには本当に大切なものだと思います。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2023 年 01 月 24 日 10:47

仕事の使命感

 自分は何のために働いているか。自分の仕事の使命をどうとらえるかで、日々の仕事は大きく変わってくると思います。例えば、店の掃除をするという仕事でも、決められたところを、ただ掃除するのが自分の仕事だと思ってする掃除もあれば、「私の仕事は、来られるお客様に良い思い出を作っていただくこと。だから少しでも綺麗にしよう」と思ってする掃除もあります。自分は、何のために働いているかという使命感ひとつで、日々の仕事の景色は大きく変わっていくはずです。

 先日、こんな話を、あるホテルのスタッフの方から伺いました。
 宴会部で働くその女性は、仕事にやりがいを感じることがなく、ただ受注した宴会を予定通りにこなすことが仕事だと思い、日々働いておられました。あるとき、その会社で宴会部の使命をもう一度見直そうということになり、幹部の人たちで宴会の本当の使命を話し合ったそうです。宴会部の目的はただ料理を出すことなのだろうか?そもそも何のためにお客様は宴会をするのだろうか?時間をかけて話し合った結果、どのお客様も宴会が目的ではなく、人と人との絆を深めたいから、人が集まり食事をするのだと、この仕事の原点に気づかれたそうです。宴会部の仕事は、ただ料理を出すことではない、本当の使命は「お客様一人ひとりの絆づくりのお手伝いをすること」だと、改めて自分の仕事の意味、意義を感じたそうです。そこに参加していたその女性は、その時から自分自身の仕事への向き合い方が変わりました。ただ予定通りに仕事を終わらすことだけ考えていた「つまらなかった仕事」が、どうすればお客様に喜んでいただけるかと考えながらする仕事になり、今まで以上に仕事が楽しく、やりがいを感じるようになったということでした。

 この女性が働くホテルは、大阪、道頓堀にある株式会社王宮という会社のホテルです。今でこそ、リピーターのお客様が多いお客様満足度の高いホテルですが、以前はそのようなホテルではなく、会社も暗い雰囲気だったそうです。そこから経営者が理念や使命を明確にし、社員の人たちと共に理念を作りあげ、変革されていくのですが、これは、その改革の途中であったお話です。

 販売をしなれば、業績を上げなければと、目の前のことばかりを考えて仕事をしていると、自分の仕事の使命とは何かということを考える余裕がなくなってしまうのかもしれません。ただ、頑張るだけでは疲れてしまいます。宴会部の彼女は、以前と仕事は同じでも、心は疲れない。楽しく働けるようになったと話されていました。やはり、自分は人に役立つ素晴らしい仕事をしていると感じて働けている時は、疲れも感じないのでしょう。仕事の使命感。仕事をする上で最も大事なものだと思います。

カテゴリー : DOIT! 経営理念の浸透・共感

2022 年 11 月 29 日 09:58

ブランドのバトン

 「あの会社の商品なら間違いない」と、その会社の名前を聞くだけで信頼が高まり、モノやサービスを購入する時の決め手のひとつになります。多少高くても購入しよう。あの人にも勧めよう。お客様の信頼の証がブランド力です。
 もちろん、全国に名が響く会社のブランド力は大きいですが、地域にも主婦に絶大な人気を誇るスーパーや地域で長く活躍する老舗の和菓子屋さんなど企業規模に関わらず、どんな会社にもブランド力というものがあると思います。
 ただ、そのブランド力は簡単に作れるものではありません。

 老舗ホテル、帝国ホテルには「10・10・10の法則」というものがあるそうです。
この「10・10・10」というのは、信用、すなわちブランドを構築するには10年かかる。しかし、その信頼を失うのはたった10秒。そして失った信用を取り戻すのには、また10年かかるという意味です。また「100-1=0の法則」というものもあります。フロントでいいおもてなしをした、客室係がよいおもてなしをした、料理部がいいおもてなしをしたとしても、どこかひとつでも悪い応対をすることがあれば、積み上げた満足はすべて台無しになる。「100―1=99」ではなく、「O」。同社ではこの2つの法則を社員全員が心に刻もう、「さすが帝国ホテルだ」と言われるように頑張っていこうと声を掛け合っているそうです。

 地域の小さな企業にも、長いお客様がいて、「ブランド」(信用・信頼)があります。そのブランドがあるからお客様は信用して購入してくれる。状況が苦しくなると、つい忘れがちになりますが、今、そのブランド力の恩恵を得られるのは、ただ年月が経ったからではなく、その10年の間に、数々の先輩たちがコツコツと真面目に仕事に取り組んでこられた積み重ねがあったからこそ。出会ったお客様に仕事を通して感動を提供してこられた先輩の仕事がまさにブランドの源泉です。

 「あの会社なら・・・」「あの会社の製品なら・・・」
 ブランドとは、先輩たちが積み上げたお客様の企業への信頼という資産。
 信頼を築くには時間がかかりますが、失うのは一瞬。たった一人の行動がお客様の信頼を失ってしまう。それ以上に、その業界の全体の信頼まで失うこともあります。
 いい加減な仕事をするということは、先人の努力を無駄すること。そして、受けた恩を返すためにも、その信頼を未来の仲間にバトンをつなぐ。今の仕事を全力でやっていくことが、今の私たちの責任だと思います。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2022 年 04 月 26 日 14:26

経営理念を伝える

経営理念は企業が経営において最も大切にする価値観。
 自分たちの会社がどんな志を持ち、何を大切にしていくか、企業の姿勢や考え方を明文化したものですが、これに社員の人たちが共鳴、共感して働いている会社は、みんなが同じ思いで働いているからこそ、お互いの協力も生まれ、喜びも共有できるからこそ、働きがいも高くなっているはずです。
 しかし、この価値観をどう伝えていけばいいか。多くの会社が悩んでおられます。

 そもそも「価値観」というのは、言葉で「こうだ」と教えて伝わるものなのでしょうか。
 例えば、自分の親が「感謝の気持ちを忘れてはいけない」という価値観を子供に伝えていこうとした時、まずは、言葉で説明するかもしれません。しかし、その言葉を聞くだけではなく、子供が「自分も、心からそう思う」と納得し、親が何も言わなくても人に感謝を伝えるようになるには、親がことある毎に言う、常に言い聞かせるくらい、時間がかかります。しかも、そもそも、親自身が子どもに、どんなにいい言葉で話をしたとしても、親が人に感謝をしていないような行動をとっていれば、子どもは信用しない。何も言わなくても、親の後ろ姿で「価値観」が伝わっていくこともあるはずです。

 企業の中でも、どれだけ経営理念をわかりやすく説明したとしても、一回で伝わるものではないでしょうし、何度も何度も伝えていく中で、社員自身が自分の仕事の体験を通してふと腹に落ちることもあるかもしれません。
 私自身も、若い時に努めていた会社で、新入社員の時、初めて経営理念を教えられても何も感じなかったのですが、しばらく働き、もう一度経営理念に向き合った時その感じ方は大きく違っていました。そこから、理念が自分の頭に残り、いつの間にか、自分がいちばん大切にする価値観になっていました。

 価値観を強要されることを人は嫌がります。しかし、自分がその価値観に共鳴、共感できた時、仕事が違ってみえてきます。価値観は大事。しかし、伝え方は本当に難しいですね。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

2022 年 03 月 08 日 10:27

自分に恥じない仕事

 先日、何百年も前に建てられたお寺などの建築物などを修繕したり、建て直をする、宮大工の方のお話を読みました。古い建物は一度すべて解体し、傷んだ部分を直し、できるだけその古材を利用して建て直すのですが、解体してみると、外から見えない部分が見えてきて、当時、この建物を建てた大工さんの技術が見えてくるそうです。
 外側から、見えないところにこそ手寧な仕事が施されているそのきめ細やかな技術を見ると、「自分に恥じない仕事をしよう」という当時の大工さんの心が伝わってくる、解体に携わった宮大工さんは、その当時の職人さんの誇りや仕事への姿勢に、とても感動されていました。

 裏側の部分だから、もし手を抜いても誰も見ていない。怒られることはない。しかし、それでよしとするかどうか、決めるのは自分です。しかし、いちばん見ているのは自分。
もし、手を抜いてしまったら、その人はその建物を通る度に胸が痛くなるかもしれません。その前に立てなくなるかもしれません。
 出来上がったお寺の前に立って、誇れる自分でいたい。きっと、それがその職人たちの想いだったのではないでしょうか。仕事の判断基準は、自分の「良心」です。

 翻って今の自分の仕事はどうか。
本当はもう一度やり直した方がよいものができるのに、安易に妥協していないか。
早く納めることばかりに意識がいって、品質を下げていないか。
 仕事の質は、追求すればするほど、さらに上が見えてきて、なかなか100点が見えてきません。
 納期、予算、スピード、全体の生産性・・・いい仕事の前にはいろんな壁があり、どこかで妥協しなければならない。しかし、数百年前の大工さんの時代でも、もしかするといろんな制約があったのではないか。しかし、彼らは、その厳しい制約の中でも、自分に恥じない仕事をしようと闘っておられたに違いありません。
 どこまでいい仕事をやり抜くか。自分の良心に誇れる仕事をしていきたいです。

カテゴリー : 経営理念の浸透・共感

私たちが大切にしていること