TOP > 代表 西川の気まぐれ日記

2026 年 01 月 19 日 17:54

仕事を丁寧にするという競争力

 ビジネスの現場では、よく、もっとスピードをもって効率をあげようという言葉が飛び交います。確かに時間あたりにどれだけ成果を出すかという指標は大事です。しかし、足りていないのはスピードなのでしょうか。本当に成果が生まれる、うまくいっているプロジェクトや成果があがり続けている組織を見ていると、スピードを上げる以上に、仕事を丁寧にしようということに力を入れているような気がします。
 丁寧な仕事というのは、単に時間をかけることでも、慎重になりすぎることでもないはず。丁寧さとは、この仕事を届ける相手や結果を想像しながら仕事をすることだと思います。例えば資料をつくる時でも、この一行が相手にどう伝わるか。この言葉は、誤解を生まないか。この一手間で、次の人は楽になるか。相手を考え丁寧にする仕事は、自然と無駄が少なくなり、やり直しも起こらない。結果として最短距離で成果にたどりつくような気がします。
 丁寧にやりたいが、時間がかかるから難しいという人もいます。しかし、そうやって丁寧さを欠いた仕事をしていると、説明、修正、クレーム、確認という形で、何度も組織の時間を奪っていきます。そう考えれば、時間をかけるということはコストではなく、後戻りを減らすための投資といえるのかもしれません。
 丁寧な仕事をする人や会社は、自分の仕事を自分の範囲でみるだけでなく、その先にいる顧客、同僚、会社全体まで含めて仕事を引き受けているように思います。だからこそ、手抜きしない。見ていないところでも丁寧にやるので、質が落ちない。「丁寧さ」が評価されない組織もあるようですが、丁寧さを大事にする人や組織が結局、周りから信頼され、長く続いていくようにも思います。
 仕事を丁寧にするとは、会社を大切にすることであり、人を尊重することであると思います。そして、自分自身の価値を下げない選択。派手さはないのかもしれませんが、長く信頼される仕事する人や会社は、例外なくここが強いような気がします。丁寧な仕事というのは、最も地味ですが、最も再現性があり、最も裏切らない経営資源なのかもしれません。

カテゴリー : いきいき働くための仕事の姿勢

2026 年 01 月 16 日 11:11

顧客の不満

 顧客満足の向上の大切さは以前から言われていますが、企業が顧客の生の声、本音を聞く機会は意外と少ないと思います。毎日お客様と接している営業の人などからするとお客様の気持ちはわかっていると言いたい気分になりますが、奥にある本音までわかっているかと言われると、実際はわからないというのがほとんどではないでしょうか。不満を感じていてもなかなか言いにくいのが日本人です。
 実際のデータでも、不満を抱えていても、それをクレームとして企業に伝える人の割合はたったの4%。96%の人は不満を感じていても言わないそうです。確かに伝えるにもエネルギーがかかります。不満を感じたとしても黙っているだけ。あるいは、もう利用しなければいいという人がほとんどだと思います。
 しかし、はっきりした苦情が届き、それで顧客が離れるなら対策も打てますが、知らないうちにお客様が離れているとすれば手立ても遅くなります。売上が下がる。リピーターが少なくなる。不満を抱えていた人がSNSに投稿する。不満をそのままにしていると、見えないところで損失が起こっていきます。お客様が少なくなってきたと市場や景気のせいだと勘違いしている間に、取り換えしがつかないことになってしまうかもしれません。
 見えない不満による沈黙の離脱を解決するには、お客様の声に耳を傾けるしかないのかもしれません。
顧客満足日本一を何年も続ける旅館、和倉温泉の加賀屋さんには、昔から顧客の声をアンケートで収集し、それを何よりも大事にして改善を続けるという文化があります。
「日本一の旅館」という評判は確かにお客様が行きたくなるブランド力です。宿泊した人からの口コミで「一生に一度は加賀屋に泊まってみたい」というお客様が数多く存在します。しかし、期待が高いというのは集客には良くても、高い期待に応え続けるのは相当の努力が必要です。「普通の旅館と同じだった」「期待外れだった」という声にどう応えていくか。加賀屋さんは全社員で顧客の声に真摯に向き合われています。
接客係が宿泊客にアンケートをお願いし、集まったアンケートを幹部が集まる会議で不満の声をひとつひとつ読み上げ、改善できるものはその日のうちに改善するということを、毎朝、365日、しかも何十年も続けています。
 96%の沈黙の不満をどう拾うかということは難しいことかもしれませんが、不満を言ってくださるお客様の裏側には同じような思いを持つ人がいる。1人顧客の声の裏側には24人の見えない不満客があるとも言えます。そう考えれば不満をいってくださるお客様は、それを知るための貴重な手がかりを与えてくだる人。不満の声は、サービスのどこをよくすればいいかを知るための「改善の地図」といえるかもしれません。

どの企業も、自社のお客様には満足してもらっていると感じていると思いたい。しかし、加賀屋さんのように企業のサービスが良くなり、期待が高まれば不満も増えていきます。同業他社のレベルがあがれば以前は「満足」と思われたことも「普通」という評価になる場合もありあす。不満に応えるだけでなく、よりよくなるためには「不満を集めにいく」というくらいになっていかなければ、ならないのかもしれません。

カテゴリー : 素晴らしい組織風土づくり

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